2010年1月23日土曜日

年末年始旅行記 Day 3-4 街歩き編

少し間が開きましたが、ダブリンで過ごした日々の続きを。
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翌朝23日は快晴。緯度が高いので日の出は遅いものの、9時には輝く太陽が顔を見せました。例年とおりダンドラムという近くの街にある大きなモールに出かけました。例年ここでママから私へのプレゼントを一緒に選びます。今年はすてきなシルクのワンピースをいただきました。お店をいくつかのぞいたあとランチ。


いつものカフェではなく、今年は有機食材が自慢のパブレストランへ。
時間がずれていたのか、人々は直前の最後の買い物で忙しいのか、落ち着いた店内でゆっくり食事ができました。

フィッシュ&チップスや海老の揚げたのはよい油を使っており、食材も新鮮。ママが頼んだキノコのスープもとってもおいしかったです。ギネスをゆっくり味わいながら、アイルランドで迎えるクリスマスももう4回目か〜としみじみ。いつの間にか太陽は消えて空には低い雲がたれ込めていました。夕方は弟が二人の子供を連れて遊びにきました。年々大きくなる甥たちにびっくりです。


ミンツパイはクリスマス定番のお菓子
クリスマスイブの朝は4時には目が覚めまたので、朝ご飯をしっかり食べました。ダニーはアイリッシュブレックファスト。ラッシャーと呼ばれるベーコンやブラックプディングと呼ばれる血で固めたソーセージなど私には恐ろしいものばかり。

私はトーストのベイクドビーンズのせ。缶詰ですがタンパク質豊富で添加物も着色料も入っていないないヘルスフーズです。

今日はバスで街へ!相変わらず道は凍っていて滑らないように歩くのが大変です。

ダブリンは首都ですが人口は50万人強で、サンフランシスコの80万人より少ないものです。目抜き通りは歩行者天国のグラフトンストリート。両側には老舗デパートや宝石店からチェーンのブティック、電気屋などありとあらゆるお店が並んでいます。リフィー河をはさんで北に行くと若干治安の悪い場所もあるらしいですが、普通の昼間なら全く問題ありません。

街の真ん中にはセントスティーヴンズグリーンという公園があり、アヒルがのんびり泳いでいました。この寒さの中で咲いている花もちらほらみかけました。

誰に聞いても景気の悪さを口にするように、例年に比べるとグラフトンストリートの混雑もおとなしいものです。大道芸人の輪で混んでいるように見えただけで、お店の中はすいていました。
街を少し歩いてまずは腹ごしらえ。ロンドン発のラーメンショップ、ワガママへ。
今やアイルランドに2軒、イギリスには何軒も支店があるこのショップは素材を売りにしたヘルシーなメニューで人気です。既にロンドンでは麺が恋しくなるたびに何度も足を運んだ私、密かにアイルランドのお店も試すのを楽しみにしていました。

味は可もなく不可もなくですが、べらぼうに高い!ダニーが注文したチリビーフラーメンは単品で一番高い料理ですが、なんと17.75ユーロ。1.5ドルで換算すると27ドル、日本円でも2500円以上!何の変哲もないらーめんが!世界一高いラーメンかも。

ランチのあとはトリニティカレッジへ。ダニーはここでコンピュータ工学を勉強し、研究時代も含めると7年間キャンパスに住んでいました。前も案内してもらいましたが天気がいいのでいろんな場所を散歩しました。

文学ではイェーツ、ベケット、物理学ではウォルトン、前アイルランド大統領のウィリアムなどのノーベル賞受賞者も学んだキャンパスは、街の中心にあるとは思えないほど落ち着いたたたずまいです。


Sphere within sphereと呼ばれる彫刻

クリケットピッチのグリーンがきれいでした
次回はぜひ世界で一番美しい本とも形容される「ケルズの書」が公開されている時期に来たいものです。ダニーも見たことがないそうですが、これって物理的な大きさは違えども、東大寺の隣に住んでいながら大仏様を見たことがないというのに匹敵するぐらいびっくりすることだと思います。
さて、新鮮な空気も堪能したあとは足はパブへ!一年で一番パブが賑わうのはクリスマスイブだそうです。ご多分に漏れずどこもかしこも外にまで人があふれています。The Duke'sという老舗パブに席を見つけ、ギネスを飲みました。帰りにバスを途中下車して地元のパブに寄ることにして、混んだ街では一杯だけにしました。


ゲール語でハッピークリスマスは”ノリアック ホナ リッチ!”
そのお気に入りのパブは"The Morgue”と呼ばれています。それもその昔、冷蔵技術が発達していない頃に急に亡くなった方が一時身を寄せた所だったとか。当時はパブが一番ひんやりしていたんですね。といっても別におどろおどろしい感じも冷たい感じもしない居心地のよいパブです。そこで飲むギネスは私の限られた経験の中のなかでは一押しのおいしさ。泡がクリーミーなのはもとより、時々感じられる鉄っぽい味など何にもなし。香ばしくローストされた大麦の風味が生きていてまろやか〜。飲み比べずともこの味を体験すれば、アイルランド国外で飲むギネスと似て非なる物であることがわかります。

いい気分でグラスを傾けていると、なぜか大きな熊のぬいぐるみを持って一人の男性がカウンターに座りました。しばらくすると常連を見つけたのか、熊をおいてカウンターの反対側へ。既に酔っぱらってしまったかのように椅子によりかかるクマには笑ってしまいました。何でもその男性、いつも自転車にそのクマを(どうやって?というくらい大きい!)乗せてやってくるのだそうです。

パブの隣はチップショップ。チップスとは揚げジャガイモでアイルランドは言わずと知れたお芋の国。お酒を飲んだあとに小腹がすくのは万国共通。ダニーは昔よく食べたというスパイスバーガー、私はチップスにモルトビネガーをたっぷりかけて、家までの帰り道におなかから温まりました。



夜はママと教会のミサへ出かけます。去年はダニーは風邪で寝込んでいましたが今年は三人で。ミッドナイトミサといえども始まりは9時からで一時間ほどです。帰りに牧師様が今年もようこそ、と話しかけてくれました。アジア人は私だけなので覚えていてくれたようです。ロサンゼルス郊外にも住んでいたことがあるとかでアメリカからの里帰りを喜んでくれました。家に戻って明日からみんなで食べるクリスマスケーキを切り分けたり、お茶を飲んだり静かなイヴを過ごしました。


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