日本から戻って2週間。正直にいえば、日本での2か月の目まぐるしさや、思い通りに行かなかったことへの悔しさ、今後の不安が、まだ胸の中に生々しく残っています。
でも、そんな心の雑音を鎮めてくれたのは、日本でも一緒にお花見した友人との地元での再会でした。
突然やってきた小さな宇宙
彼女がUberで我が家に立ち寄ってくれた際、「近くの盆栽展をやってるみたい」と教えてくれた幸運。
一緒に出かけた盆栽展で、その圧倒的な存在感に魅了され、気づけば真柏、ザクロ、モミジを衝動買いしていました。
前から興味があって、庭の苔を育てたことがあります。木を育てるの初めて。近々、地元の盆栽クラブの集まりにも行ってみるつもりです。
呼吸を取り戻す時間
東京のハイペースな日々から戻ってきて、一番に感じたのは「空気」の違いでした。あれだけ人がいて車が走っている大都市・東京の空気は決して悪くないけれど、ここに戻ってきて感じる静けさと、透き通った空の色には、思わず「これこれ!」と深呼吸せずにはいられない。
この1週間は、そんな空気の中で庭のケアに没頭しました。
- 土壌検査キットで土のpHや養分をチェックして、有機肥料で土を整える。
- 元気がなかった桜やレモン、オレンジの木は、アーボリスト(樹木医)を呼んで、根への施肥や幹のケアを依頼する。
自分の手で土に触れ、枯れた枝を落とし、新芽にスプレーする。プロの知恵も借りて、長期のケアプランを作る。そうして木々と向き合っている間だけ、日本での「やり残した感」から解放されている自分がいました。
キケロの言葉
そんな時、図書館から届いたメールに、こんな言葉が記されていました。
(庭と図書館があれば、あなたに必要なものはすべて揃っている)
古代ローマの政治家・哲学者であるキケロの言葉。
私が日本から戻って本能的に求めていたのは、自然を慈しみ、その傍らで本を読む時間。いや、本がなくても「やるべきこと」ではなくて「やりたいこと」や「心を満たしたいこと」を思う時間、つまり、自分の「内側」と「外側」の両方を耕すことだったのだと。
育むという最高の忍耐
日々膨らむ新芽、濃くなる緑。庭のケアはすぐに結果が出るものではありません。でも、だからこそ、「今ベストを尽くしている」と信じて待つしかない。忙しさの中で忘れていた「忍耐」を思い出させてくれます。
日本での経験も、きっとこの土壌のように、いつか時間をかけて私の糧になっていく。今は新しく迎えた盆栽と、再生を始めた庭の木々と共に、この場所で「必要なものはすべてある」と自分にリマインドしたいと思います。



