5年

2019年初投稿が5月後半とは！呆れる放置具合です。

今週末は雷を伴う激しい雨が降っています。たまに雨脚が弱り、晴れ間ものぞくけれど、先週後半からの雨や曇り空は、アイルランドやイギリス、そして梅雨時の日本を思い出させます。

予定を入れず、物置と化した書斎スペースを整理することにしていたので、悪天候はむしろ望むところ。晴天だと、何かしなきゃもったいない！と心がざわつき始めるから。

ずっと気になっていたブログ再開も念頭に入れて、旅行関係の資料の整理から始めました。昔の旅行記などを読み返すと、残しておいてよかったと思います。情報を時系列で整理したい性質なので、書きかけの「アニバーサリー旅行」を終えたら、主に旅行記を更新して行く予定です。

その前にざっと近況報告を。
仕事から帰って即パジャマという日もあるけれど、元気にしています。ホットヨガも続けていて、頭の中を空っぽにするにはこれが一番。汗をたっぷりかいて、余計なことは考えない。大事です。ハイキングや会社のフィットネスイベントも時間が許す限り参加しています。疲れ目で、本を読んだり映画を観るのをセーブしなくてはならないのが悩みといえば悩みかな。

3/26から4/14まで、ダニーと二人で日本に帰りました。春の日本は何年ぶりでしょうか。出発前からフォローしていた桜の開花情報は、絶妙のタイミングを報じていました。そして予報通り、行く先々で春爛漫を満喫できました。そもそもこのタイミングでの帰国は、あるイベントに行くことにしたから。詳しくは旅行記で書いていきます。

新元号の発表日は、東京で仕事をしていました。4日間、日本で仕事して、改めて素晴らしいメンバーと仕事ができる環境に感謝しました。中高時代の友人たちを含む多くの友達と時間を過ごせたし、恒例となった鉄旅は、忙しくも充実していました。戻って一月半経つけれど、最高の思い出は色鮮やかです。

5年前の5月末に日本に帰ったときのことは、今でもよく覚えています。飛行機の窓から見た新緑の蒼さや、田植えが終わったばかりの水田。世界のすべてが生命力に満ち溢れてました。検査入院で末期癌が見つかった母に付き添った33日間のこと。そのあとのいろいろなこと。何かを思い出す時、母生前 、没後という線引きが長いことくっきりしていました。今年くらいから、その境界線がちょっとうすくなったような気がします。

先日、Two Pintsという二人芝居を観ました。舞台はアイルランドのどこにでもあるパブ。二人の初老男性がたわいもない話を延々としていくというもの。社会風刺、グラマー女優、政治、そして家族の死。すべてが移り変わるということ、それだけ、ただそれだけ。

アイルランドの劇場が製作したこの劇は、西海岸では初めての公演で、ゴルフコース内の小さなバーがステージでした。残り1枚のチケットをダニーが当日にゲット、その数時間後もう１枚チケットが手に入るという偶然で私も観ることができました。

丸テーブルに腰を下ろして開演を待っていたら、二人組の女性がここいいですか？と聞いてきました。観客ほぼ全員がアイルランド人で、彼女たちも例外にもれず。そして一人はダニーの実家のすぐ隣り街出身で、話をしていくうちに、どんどん知り合いが繋がっていきます。これ珍しいことではありません。東京出身者としては、うそでしょ？と最初はびっくりしたけれど、もう慣れっこです。

お芝居が終わって、キャストたちともおしゃべりして、ダニーはその後、彼らとバーに繰り出していきました。

翌日早い私は家に戻り、早口でまくしたてられたお芝居を思い出していました。最後にいいセリフいってたよな？という記憶はあれど、ちゃんと思い出せず。
そんな時に、ひらがながあたまの中を舞いはじめました。

いつかくる
だれにでも
そのときは

そのいつかが
いつなのかは
わからないけれど

それでいい
そのときがきたら
そうだとわかるから

そのときはくる
だれにでもかならず

それをおぼえておいて
いまここにいればいい

考えたってどうにもならないことは、お任せするしかない。
そして、この世の中で一番確かなのは、時は流れ、いつかは誰もが旅立つということ。

5年前の自分にメッセージを送るとしたら、これかな。
わかってはいたけれど、いまであってほしくないと思った。
母との時間に執着していた自分がいた。苦しんでいた彼女には迷惑だったはず。
もう希望通り安らかにしてあげたいと思うようになった翌日、母は亡くなった。

この時期に、少し昔を振り返ることは悪くない。
執着かもしれないけれど、私は自分にそれを許す。
ブログはそれを可能にしてくれるスペースなので、これからも大切にしていきます。