2009年10月20日火曜日

Sausalito Art Festival

先月の話題になりますが,芸術の秋の流れでご紹介します。この辺りでは8月末から9月にかけてArt Festivalと呼ばれる催し物があちらこちらで開かれます。街の目抜き通りや大きな駐車場にブースがたてられ,多くのアーティストが作品を展示します。時にArt & Wineだったりもして、出店も楽しみの一つです。

今年はゴールデンゲートブリッジを渡ってすぐの海辺の街、サウサリートのお祭りに行きました。ここのお祭りは今年で57回目という歴史あるもので、毎年レイバーデイ(9月の第一月曜日)の週末から3日間開かれます。

風が心地よい水辺のサイクリング

会場近くに住む友人宅まで車で行って,そこから皆で自転車で会場へ。自転車は運動によし、入り口すぐ近くまで入れて係の人が停めてくれるし、なによりもエコ!

400近いブースでは絵画、写真,彫刻、ジュエリー、陶芸、木工など様々なメディアの作品が展示されていてます。いくつかの特設ステージではプロのバンドのコンサートもあり、3日間通しで通う人たちもいるとか。友人の一人はジュエリーデザイナーなので最近のトレンドチェックも重要です。

アーティスト直接話ができるのも魅力的です。私はあるメキシコ出身のアーティストの作品が気に入りました。焼いた粘土を薄くきったコラージュ色の取り合わせが何とも微妙で美しいのです。15cmほどの小さな世界にしばし見入りました。積立てしていつかギャラリーに行こう!
http://www.paulablaconagallery.com/paginas/English/a_toscano_a.htm

青空に映えるワイヤーのダンサーたち


どのような人が連れて帰るのか?色々な大きさと表情のハンプティダンプティがいました

人だかりに近づいてみると,まるで本物としか思えないような人形が!表情から何から何までとてもリアル。
イレズミや顔のしわもほんとにリアルでした。。。

これは作品でなくて実際使えるATM. 小型自販機が十八番の日本でも、バン移動式のATMは見たことありません。

ワイヤリストと称する針金細工アーティストの作品も印象に残りました。日の具合で陰がイメージを深めるのも面白い。

記念日や誕生日にポートレートを注文して送る人も多いそうです。

本物そっくりのオバマ大統領

陶芸ブースでは日本のスタイルを影響を受けた作品も多く見られました。

このアーティストは京都のお寺滞在中に柿の木にとまった鴉にインスピレーションを感じて以来、柿と鴉をモチーフに多くの作品を作っているそうです。

臨時ブースとは思えない凝ったディスプレイ

夕方になるといつもの通り霧が忍び寄ってきます。とんがり帽子のテントは食べ物や飲み物の出店

「額縁に入った森」も気に入りました。小枝を拾って作ってみようかな

6時までブースを一通り見てから、海辺のシーフードレストラン兼魚屋さんで新鮮なイワシを買って帰りました。
どこでとれたか一目瞭然のショーケース

ディナーはイワシをオリーブオイルでさっと焼いてガーリックたっぷりのパスタと。新鮮なイワシはあまり手に入らないので美味しくいただきました。心地よい酔いがすっかりさめた頃、ゴールデンゲートブリッジを渡って帰途につきました。

2009年10月19日月曜日

SFシンフォニー公開リハーサル

サンフランシスコ交響楽団はダウンタウンのDavies Symphony Hallを本拠地としています。Van Ness Ave.を挟んでオペラハウス、斜め向かいに市庁舎があるCivic Centerというエリアにあり、車や電車でのアクセスも比較的便利です。

ロビーから見る市庁舎

今回初めて楽団の公開リハーサルを見に行ってきました。当日は雨降る中、7時半に家を出発。8時半の会場直前に着いたら、ロビーは既に会場を待つ大勢の人でにぎわっていました。

当日の演目はバイオリンの巨匠、イツァーク パールマンの弾き振りのバッハのバイオリン協奏曲2番、同じくパールマン指揮でエルガーのイントロダクションとアレグロ、チャイコフスキーの交響曲6番。これでチケットは自由席で20ドル。何とお値打ち!そしてプロオケのワーキングリハを見られるなんて心躍ります。

会場に入ってまずは席の確保。来ている人たちは、平日の昼間という時間帯もあってか、かなりシニアな方々。皆さん慣れているようで、ホールに入るや否や席確保に奔走!私たちもなんとかホール後方真ん中に席を見つけました。ロビーではドーナツとコーヒーが提供されています。いつもはワインなどを手に取るロビーで朝のドーナツとコーヒー。ちょっと面白い設定です。
9時から30分、SF音楽学校のディレクターのトークがありました。その日の演目にちなんで、バロック作曲の構成、エルガーが生まれた時代背景、チャイコフスキーの6番は、作曲家と聴き手の間にあった暗黙の了解、すなわち交響曲最終楽章はハッピーなトーンで終わるというもの、を崩した最初の交響曲であったなど興味深い話を音楽と小気味よいテンポで解説してくれました。

休憩を挟んで10時にいよいよリハ開始です。会場もほぼ満席。オケメンバーとパールマンがいつものタキシードではなくて、思い思いの服装で舞台に登場します。これもリハならではの光景。
車椅子のパールマンしか見たことがなかったのですが、当日の彼は松葉杖で指揮台まで向いました。一楽章を半分強、通しで演奏、途中細かいフレーズのコメントもありましたが、予想よりストップ&ゴーが少なかったです。バッハのバイオリン協奏曲は大好きな曲の一つ。確か初めて買ったCDはパールマンとズッカーマンがこの曲とダブルコンチェルトを録音したものでした。二つのバイオリンのための協奏曲で二人の天才が奏でる音に時間を忘れて聴き入ったのを覚えています。


リハの一場面

あくまでもリハーサルなので私語やタイミングを外した拍手などはもちろん控えます。緊張の糸が切れないようにと見ている方も気を使います。コメントはすべては聞こえませんでしたが、彼がバイオリンで示すフレーズの変化が次の演奏で忠実に再現されているところがさすがプロ、感動しました。

休憩では笑顔でサインに応じていました。

エルガーもイントロダクションをかなり念入りにやった後、チャイコフスキーでは時間切れになり、第2楽章の途中でしたが、終了時間の12時半きっかりにリハ終了。9時からの3時間半、とても中身の濃い体験をさせてもらいました。

外に出ると雨も上がり薄日が射していました。ランチはホール近くのCitizen Cakeへ。

洒落た名前とスイーツが売り物でリッチなデザートからカップケーキの種類も豊富。もちろんデザートを計算に入れてランチをとります。

ダニーはローストポークのタコスにAlborino、私はほうれん草のサラダ。

軽くソテーしたほうれん草とユーコンポテトに全粒マスタードと熟成バルサミコ酢のドレッシングが程よく甘く香ばしく絡まって、満足の一品。ポーチドエッグも完璧。ワインは久々にMuscadetを。

デザートにはお店の看板ケーキのAfter midnight. Scharffen-Bergerのダークチョコをたっぷりつかって焼き上げた丸形のチョコレートケーキにつやつやのグラナッシュ。マキアートと一緒に味わっていただきました。
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”ケーキを食べていながらい持っていることはできない” 両方で美味しい思いをすることはできない、という格言をもじって、ケーキがあったら食べよう!というユーモア。

公開リハーサルのチケットは後2回とってあります。1月はYo Yo Maがショスタコービッチのチェロ協奏曲を弾くリハーサルもあり、今から期待が膨らみます。

2009年10月18日日曜日

あったかスープ

涼しくなると恋しくなるスープ。野菜でポタージュ系や豆のキャセロール風。牛乳や豆乳、チーズを加えてバリエーションを楽しむ。さっとトマト味でミネストローネ。思いっきり具沢山のシチュー系や田舎みそ汁風。お酢を利かせて酢辣湯、溶き卵とわかめ、隠し味のごま油でですっきり中華風、スパイスを利かせてカレー味。バリエーションは無限大です。

最近のお気に入りは、トルティアスープ。そういう名前の映画もありましたね。
メキシコ旅行では結構お世話になりました。暑いときは汗をかきながらふうふうと、寒いときはじっくり味わって体の中からほんわりあたたまりながら食べる、一年中美味しいスープです。

材料 耐熱スープ皿二人分
  • クミンシード 小さじ半から1
  • 玉ねぎ 半分
  • にんにく 1片
  • ハラペーニョ 1/2-1個
  • トマト 2個 
  • チリフレーク 小さじ半からお好みで
  • お好みのスープストック 400ml
  • ライム 1/2個
  • アボガド 1個
  • チーズ すりおろして二つかみ
  • コーントルティアチップス 数枚
  • コリアンダー 少々
オーブンは180C (350F)にあたためておく。
クミンシードは炒ってすりつぶか包丁で細かくたたく。時間がなければそのままでも、パウダーを使用しても。風味付けには入れた方がおすすめ。
にんにく、ハラペーニョは細かいみじん切りに、玉ねぎ、トマトは大きめのみじん切りにして、少々の植物油で玉ねぎが透き通るまで炒める。
トマトを加えて1−2分炒めて、スープストック、チリフレーク、ライムの絞り汁、塩少々を加え5−10分煮込む。
スープを耐熱皿に移して、トルティアチップスを何枚かのせてその上にアボガドを一人半分を薄切りにしてのせ、トルティアとチーズをのせる。
チーズが溶けてトルティアに焦げ目がつくまで、オーブンで15分ほど焼く。
コリアンダーのみじん切りを上に散らしていただく。

サルサとガカモレをよく作る我が家では、トルティアを使い切れないことがあります。今回そんなトルティアや一束買うと余ってしまいがちなコリアンダーで、熱々ピリ辛のスープができました。辛さはお好みで調節できるし、火の通ったアボガドはかなりリッチな味わいで腹ぺこさんも満足の一品となります。

最後にもう一言

大学時代の親友がO氏の告別式に参加してくれました。彼女は時にO氏の会社のスタッフとしても活躍してくれました。会議直前は、二人で旧式のコピー機相手に徹夜で資料作成に奮闘した思い出もあります。

その彼女が、お別れに集った人々みながO氏に対して同じ印象を語っていたと話してくれました。誠実、礼儀正しい、誰に対しても分け隔てなく親切、相手を第一に気遣う、人の悪口を言わない、いつも笑顔で接してくれる。どれをとっても”人はこうあるべき”の見本のような方だったと。

それを聞いて深く頷くとともに、少し前に、あるライフコーチのブログで見たエクササイズをやったのを思い出しました。自分の近しい人にお願いして自分の長所と短所を指摘してもらうというものです。目的は自分を客観的にとらえ、長所は伸ばし、短所は改めていくのに役立てようというもの。これは双方向のエクササイズにもなるので、お願いする方々には私から見たその方の長所も述べさせてもらいました。私がO氏にお願いメールに書いたO氏のすごいところがあるのでここに記します。

 
先ほどのお願いに、私からのコメントを書くのを忘れました。
Oさんのすごいところはたーくさんありますが、そのいくつかをシェアさせていただきます。(順不同)

1.人の痛みが分かること
2.いつも前向きなこと
3.現実を受け入れながらもそれに翻弄されないこと
4.今あることに100%力を注いでいること
5.いろいろなことに興味を持っていること
6.新しい考え方にオープンであること
7.自分の価値観をしっかり持っていること
8.人とのお付き合いを大切にすること
9.つらいときも愚痴をこぼさないこと
10.人の悪口を言わないこと
11.物を大切にすること
12.あるものに感謝し、ないものを嘆かないこと
13.人も自分も裁かないこと

こんな人としてのすばらしい資質を持たれたO氏と近しいご縁をいただいた真の意味を考えてみました。きっと一つはいつも感謝する心を持つこと。その他にも私には彼から学ぶべきことがたくさんあるからご縁をいただいたのだと。学んだことをを日常生活の思い、言葉、行動に活かすこと。これがご縁に対してできる最大の感謝なのだと。

2009年10月17日土曜日

Memory of Nozomu

手元にある写真を集めてムービーを作りました。O氏を囲んでの”食”の遍歴の数々!はっきり言って、食べ物の写真のほうが多いです(笑)。でもO氏ご自身、あの時はあれがおいしかったね、また季節のメニューを食べに行こう、あのお店(とっくの昔に閉店している)のあわびの酒蒸し、にくいよね!と食べ物の話題になると終わりがないのです。だからあえて写真もたくさん載せました。地上生活が恋しくなっちゃうかな?

実はこのムービーの最終編集段階でラップトップコンピュータがご臨終となり、今も復旧作業は続いています。ダニーがリカバーしてくれたデータで何とか編集を完了しました。

最後のビデオ映像はオーストラリア、USから応援メッセージを送ってくれていた過去の研修仲間にあてにお願いしたものです。

私はデジカメを持ち出したのが遅かったほうなので、あまり数はありませんが、見る人によっては懐かしい映像もあるかと思います。しばし楽しかったころを思い出して、O氏に乾杯!

2009年10月14日水曜日

おかえり

日本から戻ったら、こんな仲間たちが家で待っていました。長旅の疲れも笑顔にとけて、消えました。


今日はO氏の告別式が渋谷の山手教会で行われます。お別れのためだけには帰国しない、そう決めて戻ってきたので同じ場所にはいられないけれど。

「シルバー・バーチの霊訓」(潮文社発行)という本があります。イギリスの霊媒を通して語られた古代霊の言葉をまとめたもので、スピリチュアリズムや死後の世界を信じる、信じないにかかわらず、読んでみると日々疑問に思うことへの答えが見つかることがあります。

霊界から見た"死”の意味を語ったくだりがあります。少し長いのですが、自分へのリマインダとして引用します。

「苦痛と疲労と憂鬱から解放された人をなぜ悲しむのか。暗闇から脱して光明へと向かった人をなぜ悲しむのか。霊本来の欲求である探究心を心行くまで満足できることになった人をなぜ悼むのか。それは間違っている。その悲しみには利己心が潜んでいる。自分が失ったものを悲しんでいるのだ。”自分”が失ったものを”自分”で耐えていかなければならないこと、要するに自分を包んでくれていた愛を奪われた、その孤独の生活を嘆き悲しんでいるのだ。それは間違いだ。もしも霊的真理に目覚め、無知の翳みを拭い落とした目で見れば、愛するその人の光り輝く姿が見えるはずだ。(中略)

皆いずれは寿命を全うしてその肉体に別れを告げるときが来る。尽くして古くなった衣服を脱ぎ捨てるときが来る。霊が成熟して次の進化の過程へ進む時期が来ると自然にはげ落ちるのだ。土の束縛から解放されて、死の彼方で待ち受ける人々と再会することができる。そのめでたい第二の誕生にまとわりついている悲しみと嘆き、黒い喪服と重苦しい雰囲気は取り除くことだ。そして一個の魂が光と自由の国へ旅立ったことを祝してあげることだ」と。

O氏は6年前のお父様の命日の翌日に旅立たれました。きっと今頃はご両親やお世話になったH専務、その他大勢の懐かしい方々に温かい笑顔で 「お帰り」 と迎えられているのかもしれません。

2009年10月13日火曜日

みしのたくかにと

こちらは久々の雨に大風。何でも日本にいた台風がこちらにやってきているのだそうです。
ちょっと前になぜか「みしのたくかにと」を食べた王子様の話を思い出しました。子供のころに読んだ絵本でとても好きなお話でした。先月の帰国時にオンライン書店で注文して、もう一冊お気に入りだった「そらいろのたね」と一緒に手に入れました。


「みしのたくかにと」とは、とにかくたのしみの逆さ読み。あるおばさんが台所で種を見つけるのですが、何の種だかわからないので、とにかくたのしみ、という札を立てて育てました。それを通りかかった王子様がを逆にして「みしのたくかにと」と読んだのです。

大人になってからの「みしのたくかにと」は、休日だったりボーナスだったり予約の取りにくいレストランでのディナーだったり。物質的で、ある一定の期待を満たすものが多かった気がします。枠をはずせばなんだかわからないし、どんな展開もありだからこそ「みしのたくかにと」。そんな見方ができれば、どっちに転んでも楽しみが待っているんだろうな~、なんて漠然と考える秋の夜長です。

2009年10月12日月曜日

All About Me

こういう題名の本があります。本といっても中身は自分で書いていくもの。

4年前の誕生日前に中身を埋め始めましが、まだ多くの空白が残っています。

パーソナルデータや家族のこと、好きなものをリストするページ、夢を書くページ。もしこういうことになったらあなたはどうしますか、どう感じますか?とシチュエーションを想定した質問などに答えていくと、"自分”に関する82ページの本ができあがります。

最後の数ページは"Here and Now"。今の自分の目標、哲学、一番大切なこと。一番最後のページは「今まで答えてきた質問のほかに、もう一つ質問をするとしたら何ですか。そしてその答えを書いてください。」という一文で終わっています。

この本を思い出すなんて、そろそろまた自分の棚卸をする時期に来たようです。

2009年10月11日日曜日

一期一会を生きた人

大切な友人であり元上司でもあるO氏が亡くなりました。癌と戦いながらも最後は苦しまずに静かに現世を後にされました。

O氏と知り合ったのは大学卒業直前の春休み。私は友人に頼まれて、香港から来た女性の旅行者を一日案内することになり、はとバスを利用しました。同じバスに15人ほどの外国人グループが乗り合わせていて、そのリーダーがO氏でした。ツアー中に話をしたわけでもなく、バスは解散場所の赤坂田崎真珠前に到着。私は東京タワーの下で撮影したグループ写真を記念に買おうとガイドさんを呼び止めました。しかしお財布には一万円札しか入っておらず、千円の写真2枚の代金のお釣りがないとのこと。土曜日の昼さがり、そのころはその近辺にコンビニも見当たらず、私は途方にくれていました。

すると、横から「これ使ってください。」と千円札2枚を握った手が。驚いて見るとO氏が笑顔で立っています。「え、いや、でも。。。」と辞退する私に、「いいから、いいから!どうぞ。」と半ば押し付けるようにお札を私の手に握らせました。とりあえずガイドさんから写真を2枚受け取って周りを見回しましたが、O氏の姿は忽然と消えています。「そんなすぐに消えるわけない、あのグループと一緒に!」とあわててきょろきょろすると、走り出そうとするホテルのマイクロバスの窓に同じグループにいた外国人の顔が見えました。あわてて駆け寄ってドアを開けてもらうと、一番前にO氏が座っているのが見えました。半ば強制的に彼をバスの外にひきずり降ろし、名刺をもらいました。O氏は国際会議の企画運営会社を経営していて、これから1ヶ月は世界中から招聘されたビジネスパーソンの研修に同行しているとのこと。翌日は秋葉原に同じグループを案内するのでよかったらどうぞと誘われて、私はお金を返す目的もあって翌日銀座のホテルでグループと合流しました。

無事お金も返して、秋葉原や上野を案内して楽しい一日を過ごし、春休み中、O氏の仕事をアルバイトで手伝うことになったのです。実は大学院留学を考えていたのですが、国際会議の企画運営の面白さや、さまざまな背景のビジネスパーソンやアカデミックな人たちに日本を紹介するという仕事がとても刺激的に感じられ、そのままO氏の会社で働かせていただくことになりました。小規模の会社で何でもやらせてもらえたこと、国会議員、学術関係者、企業家など違う業界の第一線で活躍する人たちとの交流、欧州、北米、アジアなど多地域からの参加者で成り立つプロジェクトの運営、それらを毎日生きた英語を使って行うこと、とにかくすべてが刺激的でした。会議前や会議中の徹夜は当たり前。泊り込みの日々も上司であるO氏のがんばる姿を目の前に見たから少しも苦になりませんでした。

勤務5年後にロンドン留学が決まったときも、気持ちよく送り出してくださいました。卒論に必要な資料を大量に送ってくださったり、短い日照時間でウツ気味になったときも、笑える話を集めて送ってくださいました。おいしいものが大好きで、おしゃれで、物持ちがよかったO氏。ロンドンのお土産に送ったカシミアのコートは袖口が擦り切れても何度も修繕して大事に着てくれました。ロンドン暮らしがアメリカ暮らしに変わっても、東京に帰るたびにお気に入りの蕎麦屋に成田から直行して待ち合わせましたね。ざるそば大盛りを二人で4枚ずつ平気で平らげたり。食べ物にまつわる武勇伝(?)は書ききれないほどあります。

病室に入る全員が一度はトライしなければならない「眉毛とひげが動くメガネ」。一番似合っていたのはO氏ご本人でした。

長引く入院生活の中、病状が悪化した9月初旬。受けたニュースは今日明日どうなるか、今月一杯も難しいかもしれないという厳しいものでした。すぐに帰国の手配をして成田から病院に向かいました。もちろん「一人気ままに秋の日本を楽しみに帰ってきました!」という元気な顔で。お土産のワインも今は飲めないけれど喜んでくれて、年末にダニーと一緒に行こうとお気に入りの料亭の予約までしてくださいました。仲間とおいしい食べ物を囲むことが何より好きだったO氏。皆が元気を取り戻したO氏を迎えての食事会を日本各地で企画していました。日本に帰った10日間、一日を除いて毎日、笑いの絶えない病室でいろいろな話をしました。お医者さんの厳しい見立てが本当なのか?と思うほど元気に見える姿で、荒れた胃にもやさしい豆のペーストや寒天デザートは喜んで食べてくれました。また年末もきっと会える!と確信できるような笑顔で送り出してくれたのに。

どんな小さなことにも全力を尽くす姿。さりげない思いやりを誰にでも持てる寛大さ。失敗は自分のも人のも責めることなく、そこから常に学んでいた人。O氏の姿からは、対象が何であれ、いつも一期一会の精神が感じられました。この人と、この仕事と、この状況と、時を共にしている。それは、いまここだけのこと、だからpreciousなんだと。O氏の思いや言葉や行動の根底には、いつもあふれる感謝とやさしさの泉がありました。そんなO氏と地球でのひと時を一緒に過ごさせていただけたことに感謝の気持ちで一杯です。

2009年10月10日土曜日

スポーツの秋もいいけれど

昨日は、数十年ぶりにバドミントンなるものに燃えました。毎週プレイしている友人に誘われていったのはBay Badminton Center. サンフランシスコ空港に程近いハイウェイ沿いにある屋内センターには17面のコートがあります。午前9時半から午後11時まで、基本的に一人30分で料金は5ドル。各自がセンター内のオンラインシステムでコートを予約します。空いていれば30分以上続けてプレイできます。私たちは10時少し前に到着。5人で2つのコートに分かれて練習。10時半にはすべてのコートが埋まり、待っている人たちがいました。ほとんどが中国系アジア人。平日の午前中にこれほどのバドミントン人口がいるとは驚きでした。

コート中シャトルを追いかけ、時には額(!)でシャトルをうけ、あっという間に過ぎた1時間半。瞬発力と目と体の動きの連動がキーであるこのスポーツ、ネットのあるコートでプレイしたのは初めてでしたが、結構動けて試合にも勝てた自分に大満足。久しぶりに楽しくいい汗を流しました。

一度体を動かすとどんどん続けたくなるタイプの私。ランチ後まだ元気が残っている友人とテニスをしました。テニスも数年ぶり。コートの広さと日差しの強さにたじろいだものの、40分ほど駆け回ってまた一汗。

午後は友人たちとおしゃべりをしながら、最近の料理事情に話が進むと、グルメの彼らは日本食にとても興味を示しだしました。彼らはフィリピン出身でかなりの料理好き。お昼はだんなさんが素敵なベジタリアン料理(玄米ピラフのスライスアーモンドとトマトソース添え、豆腐のグリル 生姜ターメリックソース)を作ってくれました。生姜やターメリックはハワイの有機栽培農家から収穫したてを取り寄るというこだわり様。奥さんは小麦アレルギーなのでそれ以外の粉類でおいしいケーキやスイーツを作る達人です。私が最近つくった料理やデザートの話をすると、材料や作り方について質問が連発して、日本食スーパーで素材を説明してよ!ということになりました。

有機食物はもちろん、マクロビオティックやローフードにも詳しい人たちなので、豆腐、味噌、ひじきなどはおなじみです。またこんにゃくは日本人長寿の秘訣の一つよね、とも。スーパーでは一つ一つの列を丹念に見て回りました。夕食は外食の予定でしたが、せっかくだから材料を仕入れて家で作り方を教えてというリクエストの元に、出張料理教室の開催です。

メニューは具沢山味噌汁、ごぼうサラダ、冷奴、納豆、しらすおろし、大根葉の炒めもの。いつも捨てていた大根の葉も食べられることを喜んでくれました。しらすはBaby Anchoviesとして売られていて、彼らは興味津々。新鮮そうなものだったので大根おろしのさっぱりした辛味と味わってもらいました。ごぼうは初めての食材だったようですがみな気に入っていました。具沢山味噌汁にはこんにゃく、葱、ごぼう、にんじん、しいたけを入れて、出汁は昆布と鰹節でしっかりとって。納豆も初めての味。4人中2人は結構おいしい、これで健康にいいなら言うことないね、と食べていましたが、後の二人は味見のみ。フィリピンでも小エビの塩辛や魚醤など匂いのきつい食材が使われますが、糸引きがビジュアル的に強烈だったようです。

料理中から気になっていたのは右手のだるさ。筋肉痛というより右腕全体に力が入らず、気をつけないと重い鍋を落としそうになりました。

それでもワインとともに最近の政治事情から料理の話、タガログ語と日本語の共通点など会話は尽きず楽しい夕べでした。

翌朝。目覚めると、か、体中が痛い。。。こんなに全身筋肉痛になったのはいつだったか?ある程度は覚悟していたものの予想を絶大に上回る筋肉痛。翌日にこれほど痛いとは、まだ若いのかしら?と一瞬思ったりしましたが、この筋肉痛の加齢遅延説は俗説に過ぎないのだとか。そもそも筋肉痛のメカニズムは科学的にも判明していないそうです。いずれにせよ今回は急に負荷をかけて張り切りすぎたのは事実です。回復に向けては入浴・安静などの消極的休息とストレッチ・軽度の運動などの積極的休息があるらしいけれど、今日はひたすら消極的休息の一日となりそうです。食欲の秋もスポーツの秋も、なにごともほどほどにというのが一番の学びでした。

2009年10月7日水曜日

Eventfulな一日

昨日は朝から盛りだくさんの一日でした。一昨日深夜にダニーが脇腹の痛みを訴え、一時は腎臓結石を疑い、朝も救急に行くか行かないかぎりぎりの線。結局筋を違えただけのようでほっとしたのもつかの間。なんだか焦げ臭い匂いがするなぁと思ったら、筋向いの家から煙が出ているのがテラスから見えるではありませんか!



外に出てみると消防車3台、消防士10数名が来ていました。このごろ火事が多くて、消防車のサイレンにも慣れっこになっていたため、こんな近くだとは気づかずびっくり。




家のすぐ前にはパトカーが止まっていて通行止めに。
煙が出ている家は古い木造の2世帯住宅。火元と思われる家は留守だったようで、後ろに住んでいる人が煙に気づいて消防車を呼んだそうです。かなりの煙が上がったものの火は出ず、怪我人もなく、消防車も3時間ほど引き上げていきました。とりあえず、ほっ。。。 まさに先週末に、うちも耐火金庫を買ってデータバックアップも契約しようねと話していたところだったので、タイムリーな小火騒ぎはまさに今準備して置けというメッセージかも。

お昼にお友達二人を招いていたので、朝からキッチンで楽しい時間♪

今回はメニューも鳩居堂の和紙に。材料はすべて有機栽培の野菜中心で、ヘルシーでおいしく!


いつものお惣菜の盛り合わせですがみんなでいろいろなものを少しずつ食べるのがとっても嬉しい!狭い我が家もお花を飾って、しばし和の雰囲気を楽しみます。


今回初トライの生姜酒はなかなかでした。ドライな純米酒に手作り生姜甘酢漬けを一晩漬け込み、別にウォッカと少量の砂糖でクコを漬けておいて、それをサーヴ時に浮かべて。ほんのり生姜風味で食欲をそそる食前酒ができました。


思いついて前の晩、十数年ぶりに伊達巻を焼きました。はんぺん大一枚をざく切りにして卵大4個、砂糖大さじ7、片栗粉大さじ1/4を同量の水で溶いたものとみりん少々をブレンダーにかけて、熱した玉子焼き器で弱めの中火でじっくり焼き上げます。河童橋で仕入れた鬼すだれは8年のロンドン生活でも活躍してくれたもの。すだれの上に乗せたら、包丁の背で内側に数本切り目を入れてから巻くと割れません。普通の巻きすでもOK。お箸を3本はさんで松の形にもできます。

カリフラワーのゆかり漬けも最近のお気に入り。酢を入れた熱湯で硬めに茹でたカリフラワーは、砂糖と酢(1:4)に塩少々とゆかりを入れて漬け込みます。一日置くとほんのりピンクに染まって味もなじみます。目安はカリフラワー400gに砂糖大さじ1、酢大さじ4、ゆかり小さじ1くらい。

ごぼうサラダは日本食スーパーで買うごぼうのパッケージにあるレシピで作ります。簡単でおいしいのでお試しあれ。にんじんはレシピより大目にしています。ちなみにごぼうは2本で120円ほど。お手ごろ価格でサラダにもキンピラにも汁物にもそしてお菓子にも使えて嬉しい野菜です。

ごぼうサラダ
  • ごぼう 1本
  • にんじん 10センチ 
  • 白すり胡麻 大さじ1
  • 酢少々
  • スープのもと 1/2個(無添加コンソメ粉末を使いました。出しでもOK)
  • 砂糖 大さじ1
  • 塩少々
  • マヨネーズ 大さじ1-2

ごぼうは皮をこそげて長さ5センチの細切りにし酢を入れた熱湯で茹でて水を切る。
にんじんも長さ5センチの細切りにする。
鍋ににんじんと砂糖、スープのもとを入れて中火で3分くらい煮る。
ごぼうを加えて汁気がなくなるまで煮る。
冷ましてから、胡麻とマヨネーズを加えて和える。

ご飯は玄米ご飯に黒米を混ぜて炊きました。お味噌汁はごぼう、にんじん、油揚げ、豆腐、葱たっぷりのけんちん風。出汁を煮干でしっかりとって味噌は白味噌と麹味噌の合わせ。仕上げに原了郭の黒七味をひとふり。熟成した唐辛子に山椒の香りがふわっと重なり食欲をそそります。次は大根とこんにゃくと里芋も入れて、焼いたお餅をいれてけんちん雑煮もいいなぁ~。

デザートも4種類作りました。

小粒で甘いいちごを仕入れたので、半分でコンポートを作り、残りで白玉を作りました。白玉はどの作り方を見ても水加減は耳たぶくらいになるまで、とアバウトなので直接苺を練りこみました。水はほんの少しだけ。いちごたっぷりの白玉に手作りコンデンスミルクの甘さがよくあいました。昔懐かしいいちごみるくキャンディのお団子版という感じ。

おからクッキーはおからにバター、卵、黒砂糖、蜂蜜を混ぜて小麦粉を加え、最後に生姜のすりおろしを入混ぜてサックリ焼きます。生姜風味がいきていて、低カロリーといえども後を引くおいしさで食べ過ぎ要注意の一品。酒かすを練りこんでもおいしいかも。今度試して見たいと思っています。
  • おから 100g
  • 小麦粉 100g
  • ベーキングパウダー 小さじ1/2
  • バター 60g
  • 黒砂糖 60g
  • 蜂蜜 大さじ2
  • 卵 1個
  • 生姜のすりおろし 1かけまたはお好みでそれ以上でも
室温に戻したバターと砂糖をふわっとクリーム状になるまですり混ぜる。
溶き卵と蜂蜜を入れてよく混ぜる。
ふるった小麦粉とBPを入れてサックリ混ぜる。
最後に生姜のすりおろしを加えてサックリ混ぜる。
生地がべとつくので手に打ち粉(小麦粉)をして2-3cmの形に丸める。
ベーキングペーパーを引いた天板にのせ、フォークで軽く押して形をつける。
180度のオーブンで15分焼く。

黒糖寒天黒胡麻きなこ黒蜜かけは以前レシピを紹介しましたので省略。もう一品は写真にはありませんが、苺とブルーベリーのコンポートのヨーグルトかけでした。食後は摘んだミントでホットティー。

料理を作っているとできる頃には食欲がなくなってしまうというお友達の話を聞いたのですが、私はまったく正反対。しっかり作ってしっかりいただけるのでいつも困ります。まぁ食欲の秋だし。運動もしているし、みんなもとても喜んでくれたからよし!楽しい一日でした。

夜はダニーもほぼ同じメニュー。大好物のおからを前に「これだけどんぶり一杯食べれる!」とご機嫌。よかったよかった。今日もお疲れ様でした。



ともあれ、これがeventful dayであったというのはなんとも平和であります。前に前に進んできたころとくらべてなんとゆったりした時間の流れ。今はその流れにゆらゆらりを楽しんでいます。

2009年9月30日水曜日

午後のお茶

今日は紅茶のシフォンケーキを焼きました。茶葉はすり鉢で細かくすります。アールグレイのよい香りが鼻をくすぐる♪



思いたって、茶葉をウォッカで抽出したら風味付けがいつもよりいい感じ。




ウォッカに氷砂糖を入れて紅茶や緑茶をつけてお茶リキュールを作るのもいいし、クコの実やオーガニックのレモンを漬けてもよし。バニラビーンズをつければ自家製のバニラエッセンスにもなりそうです。今度試してみようっと。


基本のシフォンケーキの粉(小麦粉 80g, ベーキングパウダー 小さじ1、塩少々)にすった茶葉大さじ1を加えて2回ほどふるいます。



卵黄3個分、グラニュー糖1/4カップをすり混ぜて、茶葉を漬けたウォッカ大さじ1、水1/4カップ、カノーラ油1/4カップを混ぜ、粉を加え混ぜます。



卵白3個分にグラニュー糖1/4カップを入れながら角が立つまであわ立てて、数回に分けて粉のボールに混ぜます。少し高いところから型に流しいれると、中の気泡が消えてきれいに焼けます。また中の空気を抜くために”とんとん”と型を打ちつけてから焼くのもよし。180度のオーブンで10分、少し温度を下げて20分。オーブンから出したらすぐに逆さにして冷まします。




今日は生クリームがあったので砂糖少々を加えてあわ立ててデコレーションしました。パレットナイフがないのでちょっとでこぼこになりましたが、ケーキのしっとり感が保たれる感じでよし。


ご近所のともこさんとジャニスが試食係りに指名され呼び出されたのでした。いつも喜んで食べてくれてありがとう!