2026年5月17日日曜日

手作り味噌の開封と、不思議な膜の正体

去年(2025年)の3月に仕込んだお味噌を、樽出ししました!

これまで友人の家で一緒に作ったことは何度かありましたが、カメを購入して一人で仕込んだのはこれが初めてです。今回は中辛の味を目指して、大豆 1300g、麹 2kg、塩 750gという配合で挑戦してみました。かなり量が多いから、次回は半分でいいかなと思ってます。

まずは大豆を丸一日じっくり浸水させ、圧力鍋で指で簡単に潰れるくらいまで茹でます。茹で上がったら一度冷水にさらすのですが、これは大豆の色を美しく保つための大切なひと手間。35℃くらいまで冷ましてから、丁寧に潰していきます。

凄い量の麹。スーパーで買い占めたみたいになっちゃって、恐縮

ここに、あらかじめ塩と麹をよく混ぜ合わせておいた塩きり麹を投入。全体が耳たぶくらいの硬さになるまで、しっかりと混ぜ合わせました。

煮汁なしだと、耳たぶの柔らかさにはなりませんでした。ほろほろでも大丈夫、という味噌屋さんの記事を信じて、ひたすら混ぜます。まとめて仕入れた大豆が入ってた食品対応ビニール袋が大活躍。
味噌玉は、デリケートに扱わないと、乾いた泥団子のようにすぐ崩れてしまいます。空気を抜きながらぴっちり詰めて、表面をならしました。糠床みたい?
袋入りの味噌、2つ。右の大豆の方には、煮汁を大さじ3入れてみました。

煮汁を入れる?入れない?二つの方法で実験

お味噌の作り方を調べていると、大豆の煮汁(種水)を混ぜる方法と、そうでない方法が見受けられて少し迷いました。また、ジップロックのような保存袋で手軽に発酵させるやり方もあります。

そこで今回は実験を兼ねて、二つの方法で様子を見ることにしました。 メインのカメ仕込みには煮汁を入れず、少量だけ同時に仕込んだ「ひよこ豆の味噌」と「煮汁入りの合わせ味噌」の保存袋には、少し煮汁を加えて水分を調整してみたのです。

容器や袋を焼酎できれいに消毒し、空気が入らないように味噌玉をギュッと押し込みます。表面にぴったりラップを敷いて重石を置いたら準備完了。我が家の裏口に通じる階段は温度が安定していて風通しも調整できるため、そこで遮光して静かに保管することにしました。

その後、6月に一度チェック。 水分を入れた袋の方には若干のカビが見受けられたので、きれいに取り除きました。煮汁を加えた分、水分量が多いためカビが生えるのは想定内です。一方、カメの方はきれいな状態でひと安心。それから確か10月くらいに様子を見たときも特に変化がなかったので、その後はしばらくそのまま休ませていました。

いよいよ開封!そこで出会った二つの「膜」の正体

そして昨日、思い立って久々にチェックしてみたところ、本当に綺麗な色に熟成していました!

重石の上に、さらに花瓶と乾山を追加


ただ、表面に少し、そしてカメの側面にはポツポツと白いカビのようなものが付着しています。 でも、モコモコした感じはなく、サラッとした粉のような質感。気になって調べてみると、これは「産膜酵母(さんまくこうぼ)」という、醤油や味噌の醸造に付きものの酵母の一種でした。体に有害なものではありませんが、そのまま味噌に混ぜ込んでしまうと風味が落ちてしまうらしいので、中に入らないよう慎重に取り除きました。

さらに味噌を混ぜていくうちに、表面にまるで紙のような、半透明の薄い膜があることに気がつきました。 「まさか、こんなところにペーパータオルを敷いたまま忘れてた!?」と一瞬、頭の中は大パニック! ラップをとった後も、表面に皺がよって見えるのは、その薄い膜についた皺でした。知らず知らずのうちにすでに一部を混ぜ込んでしまっていたため、その部分のお味噌は、後日魚や野菜の味噌漬けに使えるように慌てて別容器に取り分けました。


実は、煮汁を入れた袋発酵の方にも、同じように表面を覆う不思議な膜があったのです。 袋の方は、表面に少し黒っぽく変色した部分がありましたが、それ以外の場所は綺麗な山吹色で味もバツグン。変色した部分を取り除こうとしたとき、一見ペーパータオルのように見える、あの半透明の膜が全体をきれいに覆っていることに気づいたのです。

それをペロリと剥がすと、変色した部分も一緒にきれいに取れて、下から美しいお味噌が顔を出しました。「一体これは何だろう?」と、またまた頭の中は疑問符でいっぱいに。

調べてみたところ、このペーパータオルのような膜の正体は、発酵の過程で染み出てきた、たまり(大豆のエキス)や大豆の脂質・タンパク質が表面で天然のコーティングを形成したものだと分かりました。 手触りはまるでコラーゲンの膜のようにプルプルしていながら、デリケートにほろりと崩れる不思議な質感です。写真を撮ってとダニーにお願いしたら「できれば見たくなかった、なんか内臓というか筋膜みたい」と苦笑いしてました。

こちらも食べて害があるものではありませんが、残すと全体の舌触りが変わってしまうため、今回はすべてきれいに剥ぎ取りました。大切な栄養分まで捨ててしまっているような気がして少しもったいなく感じたものの、手作り味噌にはよく見られる自然現象のようで、特に心配する必要はなさそうです。

酸素の量でこんなに変わる!手作りの面白さ

仕込み方によって色に大きな違いが出ていました。 酸素を完全にシャットアウトして発酵させた「煮汁入りの袋発酵」は、糖化(メイラード反応)の進みが緩やかだったため、全体的に淡く優しい色合いに。


対して、適度に酸素を通すカメ仕込みの方は、より深く、コクのありそうな濃い色合いに仕上がっていました。環境や水分の違いでここまで変わるなんて、手作りの醍醐味ですね。

仕込んでからまだ14ヶ月。これから2年もの、3年ものへとじっくり育てていきたいと思っています。 ひとまず、すぐに使う用とお裾分け用をいくつか取り置き、残ったカメの中には、袋発酵のお味噌もすべて混ぜ込んで、再びしっかりと蓋をしました。

また1ヶ月後に状態をチェックして、その後も時々、我が家のお味噌の成長を見守っていきたいと思います。

ひよこ豆の味噌も、ほっこり美味しくできました。大豆とひよこ豆では、含まれる栄養素のバランスが少し違います。大豆はタンパク質や脂質が豊富なので、熟成させることで深いコクや旨味が生まれるのが特徴です。一方のひよこ豆は、大豆に比べて糖質が多いため、発酵すると麹の力でよりまろやかで優しい甘みが引き立ちます。

どんな違いが出るかワクワクしながらこちらも開封してみたところ、ひよこ豆の味噌も、期待通り優しい味に仕上がっていました!お味噌汁にはもちろん、ディップやソースにしても大活躍してくれそうです。次は黒豆や小豆、そら豆でも挑戦したいと夢は広がるばかり!

昨日、素敵なランチに招待してくれた友人たちに、味噌をプレゼントしました。



そうそう、余談ですが……。 今週末、地元には超人気のK-popグループが来ていて、大変なことになっています。周辺の渋滞を避けるため、なんと彼らは電車でやってきたのだとか!

ランチしたレストランにも、クリアバッグを抱えてグッズを持った若者たちや、3世代ファミリーと見られるグループなど、老若男女がひしめき合っていました。地元がこんなに大勢の人で賑わうのを見るのは、これが初めてかもしれません。5万人以上を収容するスタジアムに全米、いや世界中からファンが集まっているのでしょうね。

家に居てもすごい歓声が届くので、夕方に少し散歩に出てみました。ところが、個人的に超苦手な「肉を焼く匂い」が、いつもと比べ物にならない数の屋台から立ち上っていて……あえなく早々に退散しました(苦笑)。

さて、話が逸れてしまいましたね。料理上手で和食が大好きな彼らを、来週、我が家にお招きする予定です。 今回の樽出しをきっかけに、頭の中では「味噌フルコースメニュー」のアイデアが次から次へと湧き上がって止まりません!久々に嬉しい悲鳴をあげながら、おもてなしの準備を楽しんでいます。

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