2015年1月27日火曜日

春の陽射し

欧州での冬日を振り返っていましたが、久々にタイムリーに。

ブログにも度々登場する心の妹、さとは二度母を見舞ってくれました。新しいお友達ができてよかった、又会いにきますねと約束したのが果たせなかった、だからお墓に連れて行ってと私の帰国前に申し出てくれました。仕事を休んで都内にホテルまでとって有り難いことです。

心配だった空模様も夜半からの雨が気持ち良く上がり、彼女が地元駅に到着する頃には快晴。ユリ、トルコキキョウ、薄紫のスプルースに濃い紫のカーネーション、母の好きな色ばかりの花束、隣りの祖父母への花束もさとちゃんの心遣いでした。
 
よく歩いて食べて笑った北海道旅行の話で盛り上がりながら、今日も結構歩くねえとお墓へ。掃除をしてのんびりと小一時間、陽射しの下にいました。風もなくて、コートを脱いで丁度よい暖かさで、桜が咲いていそうな肌感でした。花々が時折風にそよぐと、Nさんの笑顔はかわいらしくて、時々くすっとお茶目な表情をする。そのときみたいに花が揺れたね、とさと。今この日だまりのところにちょこんと座ってにこにこしながら話を聞いてくれているみたい、と決して長くなかった病室での時間に仲良くなれたことを心から懐かしんでくれました。
母が好きだったお好み焼き屋さんでお昼を食べてから、江ノ島に足を伸ばしました。せっかくお墓に行くのならどこかに行こうと言いだしたものの、帰国前のプレッシャーに潰されそうになり連絡すると、事情を察してくれたさとはお一緒に荷造りしてくれると言います。仕事まで休んでそれでは申し訳ないし、たとえ数時間根を詰めても終わる問題じゃないしと気持ちを切り替える事ができました。

ホームに着けば直前の人身事故で乗りたい線は不通。他の方法を探そうと改札を出たら後続のさとが引っかかっています。やっと込み合う駅舎内から出てきたさと、前の人が「江ノ島に行きたいんですけど」と迂回方法を聞いていたとの事。引っかかったにも理由あり!? 紆余曲折はあったものの無事江ノ島到着。
 
さとは初めて、私は最後に乗ったのが思い出せないくらい昔の江ノ島電鉄。駅もこじんまりしてかわいい。夕焼けには間に合いませんでしたが、暖かくさへ感じる風がゆるやかに吹く澄んだ夜でした。

この時期ライトアップと満開のチューリップを見ることができます。。さとから江ノ島のチューリップがきれいらしいと聞いてまず疑ってしまった私(笑)。TV情報(そこから疑っている)だよ〜という話に基づき調べてみたら、ほんと、チューリップ満開だそうな。それで周りの公園も今週一杯イルミネーションが鮮やかだそうで、二人とも期待し過ぎず目的地を目指しました。
 
途中の神社で感謝の参拝をして、上でゆっくりまわるために有料エスカレーターを駆け上った私たち。ロンドンの地下鉄を思わせる長いエスカレーターを三本ほど乗継ぐと灯台近辺につきます。
期待していなかったけどなんとなんと!美しい光の世界が広がっていました。
暗い所から急に入ったひかりの国では、澄んだ空気と漆黒の背景にとけ込む色が鮮やかです。
 
半月がきれいでした。
 タワー展望台からは360度のパノラマ。ここからの朝陽も夕陽も美しいだろうな。 
先日の一人旅で出かけた名古屋近辺の日本一とうたわれるイルミネーション展示とはスケールは違えども、こぢんまりしてかわいい世界。平日だったのもあり空いていました。

公園とタワーへの入場料で500円、エスカー込みで750円です。帰りは階段になりますが、7:30 pmが最終入園、8時閉園なので時間がない人や足が弱い人たちへの上りの強い味方。2/1までに行ける人、おすすめです!

駅までの道、行きに目星をつけたしらす丼のお店は閉店也。。。江の電で某ドラマで一躍有名になった駅経由でのんびり鎌倉まで。
おそ昼で特にお腹が空いていないけれど、ちょっと何か食べようかと改札を抜けました。しかし鎌倉の夜も早い。駅近くでさとが地下にあるおそば屋さんを見つけ、メニューにしらす丼を発見!初志貫徹、おそばも候補に上がっていたのでしっかり両方を味わうことができて満足です。
今日はすべてうまく行ったね、と笑顔一杯で一日を終えることができました。感謝。

2015年1月25日日曜日

欧州 Day 9 大晦日

年末年始を振り返っています。やっと大晦日に突入、ほぼ一ヶ月遅れですがおつきあいくださいませ。

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大晦日の朝は大風で明けました。雨こそ降っていないけれど暴風と呼べるハンパじゃない強さで吹き荒れています。

そんな日は家でのんびり。夜はママが毎年足を運ぶニューイヤーコンサートにご一緒します。ホール内のレストランで6時から夕食、開演は9時からといったスケジュールです。
 
4コースディナーに備えてお昼は軽くミンツパイ、そして焼きもち。初めての年越しとあって丸餅と焼き網、海苔に醤油も持参しました。
ここに東洋と西洋のホリデーバイツご対面です。丸もちに下からなんか形も似てて愛らしい。ママや遊びにきた兄弟たちも喜んで食べました。

コンサートホールは街の真ん中にあります。近所に住むP叔母さんが車で迎えにきてくれました。年越しコンサートなんてまず人出が大変と浮かびますが、早めのディナーからなら余裕で敷地内の駐車場に停められます。道も拍子抜けするくらい空いていて、人の多さになれていると首都といえどもアイルランドの人口密度はやさしいのです。
クリスマス色に光るコンサートホール 
ディナーは正統派でほっこり温まる美味しさでした。ダニーママのお友達二人、P叔母さん、我々6人でテーブルを囲みます。お友達のお子さんは海外で仕事をしている人が多く、クリスマスを一緒に過ごしてそれぞれ戻って行ったばかりとのこと。海外に住み家族や友達が遊びにきてくれると見送る時にはどっと力が抜けてさみしくなるもの。いつもそのタイミングでこのコンサートに来ているのかと彼らの気持ちを想像するとちょっとしんみりしました。

私たちも母が生きてくれていたらお正月は日本で過ごす予定でした。今も、母がここにいたら、これを一緒に観られたら、食べられたらと事ある毎に思います。ダニーもお父さんを亡くして「あ、これお父さんが好きそうだな」と感じて自然に笑顔がこぼれた時「ああもう自分は大丈夫」と思ったそうです。それにはしばらくかかったけどね、とも。まだ笑顔になれないけれど、そのときはいつかやってくるでしょう。そしてこのブログを始めたきっかけを改めて思い出しました。私は母と一多くの事を共有したかったのだと。母が私を産んでくれた年を過ぎて、遠く離れているからこそもっと知りたいし、知ってもらいたい。毎日の暮しを通して感謝の気持ちを表現したかったからブログは続きました。

かぼちゃのスープが食欲をそそります。ダニーと私はローストビーツのサラダと帆立のグリルをシェア。 他の皆さんはフォアグラを堪能されていました。

口直しのシャンパンソルベがとっても美味しかったです。見かけは柔らかそうなのになぜか結構硬い!スプーンに力を入れたらグラスから飛び出しそうになって焦りました。
ステーキもおいしかったそうです。ダニーは叔母さんのを味見させてもらいご満悦。私はメインにシーバスのグリル、アジアンソース。醤油風味のソースでチンゲンサイが炒めてり上にはフェンネル。香りが引き立って食欲をそそりました。
ダニーはポレンタのグリル。シェアできる物を頼んでくれ有り難い。只ポレンタはちょっと甘めで、焼き野菜は新鮮で美味しかったけれど味付けにひと味工夫がほしい一品でした。トライフルはちょっと硬めのゼリー状で生クリーム、スポンジ、フルーツの組み合わせを期待していたので当て外れでしたが、味は甘すぎずよかったかも。
プティフールのマカロンも美味しくいただきました。あきらかに食べ過ぎ。これでコンサート最後まで持つのか?
演目はバートバカラック特集。未だ現役という大作曲家の曲をオーケストラをバックに歌手が歌います。あれ、これもそうだったの?という耳慣れた曲が次から次へと披露されました。

途中で何度かハプニングがありました。一日吹き荒れていた大風は夜になり激しさを増し、なんと途中で何度か停電が起きたのです。コンサート前からステージの上で時折、景気のいい「パーン」という音がしてその都度一瞬照明が暗くなっていました。てっきりパフォーマンスだと思っていたら電気系統がショートしていた音だったらしい。歌手が歌っている間に照明が落ち、マイクも切れるという事態が二回ほどあり、その都度オーケストラは「楽譜読めるの?」といった薄明かりで演奏し歌手も歌声をとぎらせませんでした。
休憩中はシャンパン飲み放題!これ以上飲んだら間違いなく寝てしまうのでほんのひと口。
そしてカウントダウンが始まりました。頭上には網にはいった沢山の風船。これがカウントダウン終了後落ちてくる仕組みなんだそうですがなんと失敗。停電でタイマーがリセットされたか?この風船、結構楽しみにしていた人が多かったらしく、帰り際みんな不満げでした。このホールだけでなく、ダブリン市内のあちこちで停電トラブルはあったそうで、自然相手じゃ仕方ない。

1時過ぎには家に着きました。P叔母さん、ありがとう。彼女は早くに夫(ダニーママの実弟)を心臓発作でなくしてから四人の男の子を育て上げました。母の事も会ってすぐには言えなかったけれどとしばらくしてから、本当に残念だったわね、ずっとあなたの事を考えていましたよと声をかけてくれて心に響きました。

私には家族が待つ場所がここにもある。溢れる感謝の念は母の不在を浮かび上がらせもする。ここに居る=ご先祖様のお陰と有り難く思うほどこの世で会えないさみしさが気持ちが募る。まだそんな心境で時間は流れて年は明けました。

欧州 2014 Day 8

12/30/2014、アイルランド8日目。この日初めてダウンタウンへと出かけました。バスでもネットに接続できて快適です。 

ダブルデッカー二階席から眺めを楽しみながら街中へ。道は結構空いています。
 
天気がいいので公園で寛ぐ人たちも沢山いました。

クリスマス明けのセールは続いていますが人出は一旦落ち着いた模様。
花屋さんには南天などお正月に合いそうな花束も沢山あって賑わいを感じます。
目抜通りを抜けて、ダニーの大学キャンパスなどいつものコースを散歩します。
長く伸びる影が好きで、いつもここでこのアングルで写真を撮っちゃう。

この日の目的地はHowth。ホウスはイギリスでいえばブライトンのような海沿いのリゾート街で市内への通勤圏でもあり普通の電車で行けます。ハイキングコースも充実しているらしいけれど時間がなかったのと風が強かったのでまたの機会に。
電車もWifi完備、接続もよく便利です。鈍行電車でのんびり行きます。
駅を降りて左に進むととかわいい看板が迎えてくれます。
シーフード店、タパス屋、パブなどが軒を連ね、メニューを見ながらピア先端を目指します。
こんな看板があるってことは、落ちる人もいるってこと?
強風に雲も薄く延ばされたか、気持ちよい青空がどこまでも広がります。
 魚屋さんのレストランでフィッシュ&チップス、シーフードチャウダー、フィッシュパイといつものメニューを注文。茄子とほうれん草とヒヨコ豆のサラダが美味しそうだったので注文してみたら大正解!クミンが効いたカレー風味のドレッシングがグリルした茄子、フェタチーズ、パプリカ、赤玉ねぎの味を引き立てていてこれだけで満足の一皿です。お魚も新鮮で揚げ加減もよし。
残念だったのはダニーのフィッシュパイ。味はいいのに上のパン粉がかなり焦げていて、食べ進むにすれ苦みが勝ってしまったようでした。
帰りは美しい夕焼けが車窓から楽しめました。
家に帰って一息ついて、ママと一緒にお兄さん宅へおよばれです。未だお腹いっぱいなんですけど。。
逆さにしたワイングラスの中にキラキラ飾りを入れて上にティーライトとはナイス!
鱒のグリルにポテトグラタン。このお家のポテトグラタンはどこで食べるよりおいしい〜
メレンゲロールにトライフル。トライフルはシェリーたっぷりで食べる食後酒です。 メレンゲロールは軽くて甘さ控えめで、お腹いっぱいのはずなのにしっかり食べられてしまいました。
ママは一足先にお兄さんが送って行き、その後ゆっくりとチーズとワイン片手に夜は更けて。奥さんのお母さんは2年前に亡くなりました。育った家を手放したときのさみしさ、家族で集まる度に実感するお母さんの不在を思う気持ちは今も変わらないと言います。それでも大丈夫、と語りかけてくれる彼女の瞳の奥のあたたかさに勇気づけられました。大丈夫と思えたり思えなかったり。まだまだ私の中のアップダウンは続いていますが、何事も移り変わって行くことだけは事実。辛いときも嬉しいときもこれを忘れないことが心の平静を保つ秘訣なんでしょう。