2009年11月28日土曜日

Scones

スコーンのレシピのリクエストを頂いたのでご紹介します。カップは250ml.
今日のフルーツはジンジャー、アプリコット、レーズン、イチジクです。


  • 小麦粉(All purpose flour) 2カップ 
  • ベーキングパウダー  大さじ1
  • グラニュー糖 1/3カップ
  • 塩 小さじ1/2
  • 無塩バター 大さじ6(大さじ1=14g=84g)
  • ドライフルーツ 1/2カップ
  • 生クリーム 1/2カップ
  • 卵 大1個
  • レモンの皮、ショウガのすりおろし 各小さじ1
  • 生クリームまたはミルク 少々
<下準備>
オーブンは210C(425F)にあたためる。
ドライフルーツは適当な大きさにきっておく。
冷蔵庫から出した無塩バターを1-2cm角に切り、冷凍庫で冷やしておく。
割ほぐした卵とクリーム1/2 カップを混ぜ、レモンの皮とショウガのすりおろしを混ぜる。
  • フードプロセッサで粉類を混ぜ、そこに冷やしたバターを加え、バターがグリンピース大になるまで混ぜる

  • ボールにバターをきり入れた粉を移し、ドライフルーツを均一に混ぜる

  • レモンの皮、ショウガのすりおろし、卵を混ぜたクリームを粉に加えてゴムベラで混ぜた後、10回ほど手でこねてまとめる。

  • まな板の上で直径20センチほどの丸形にまとめ8-12等分に切り分けて天板にのせる ぽろぽろ崩れるくらい。無理にこねるとさっくり感がなくなるので注意
  • 生クリームを刷毛で塗って、オーブンで12-15分焼いてできあがり


さっくりが好きな方はしっかり、しっとりがよければ12分焼けば十分です。バターをしっかり冷やして、あまりこねすぎないことが”ほろほろ、しっとり”に仕上げるコツです。粉類も冷やして焼いてみましたが、逆にあたたまるのに時間がかかったのか焼き時間が長くかかりました。


フルーツはほかにクランベリーやブルーベリー、またシンプルにレーズンだけもおいしい。柑橘系フルーツの皮のすりおろしは入れる、入れないでかなり風味が違うのでぜひ入れてみて。レモンのほかにオレンジもいいです。食べきれなければ冷凍して。オーブンか急ぐときは電子レンジで温めればすぐにお茶のおともになります。生クリームは牛乳でも代用できますが、うちではクリームやジャムをつけずにそのまま食べるので、カロリーには目をつぶっていつもクリームで作っています。

2009年11月26日木曜日

スフレパンケーキ

今日は感謝祭。昨日からアメリカ中で何羽の七面鳥がローストされているのかな〜なんて思いながらも、我が家はいつもとかわらぬのんびりモードです。毎年感謝祭は日本に帰っているか、旅行に出ているか、お呼ばれしているかのどれか。今年も友人宅へ昼、夜と招待されていましたが、今朝起きたらダニーが風邪を引いていたのでお出かけは自粛することに。

朝ご飯に玄米粥を食べた私たち。まだおなかすいてるよね〜と話しつつ、ぱらぱらと雑誌をめくっていたら、スフレアップルパンケーキのレシピを見つけました。のんびり朝ご飯に時々登場するパンケーキですが、これは作ったことがないのでどう?とダニーに話すと、昔あるレストランでバイトしていたときに食べてすごくおいしかったとか。よし、決まり!ということで作ってみました。

スフレアップルパンケーキ 二人分
粉 1/2 cup
砂糖 小さじ2
塩 少々
スキムミルク(普通の牛乳で代用)1/2 cup
卵 2個
植物油 大さじ2
リンゴ 大2個 400gほど(今日は小さめのリンゴ4個使用)
レモン汁 小さじ1
シナモン 少々

リンゴは皮をむいて8つ切りにしてさらに半分にする。
オーブンは高温(500F, 260C)にあたためておく。

  • 粉類をよく混ぜる。
  • ミルク、卵、油大さじ1を混ぜておき、徐々に粉類に加えて混ぜる。
  •  フライパンに油大さじ1をあたためリンゴを入れシナモンとレモン汁をふりかけて焼き色がつくまで強めの中火で5分焼く。
  • 焼き型にリンゴを並べて、こし器を通しながらタネをながす。

  • オーブンで8-10分ほど焼く。まわりに焼き色がついて膨らんで中心も固まった状態。

  • メープルシロップをかけてすぐに食べる!
すごく膨らみました!ダニーが以前食べたものはひっくり返してお皿に盛られていたというのでそのスタイルで。普段のパンケーキより粉が少なく、リンゴたくさんでとてもヘルシー。アップルパイを食べたような満足感がありました。バターものせないのでカロリーも控えめ。

バターミルクパンケーキにバナナの輪切をいれて焼き、上に季節のフルーツコンポートをのせるのがうちのスタイルでしたが、これからはスフレパンケーキも定番に加えます。

2009年11月24日火曜日

旬のご飯

旬の素材をつかったご飯は何よりのごちそうです。
今晩は、Butternut Squashというカボチャの登場。これ、日本ではなんていうのかな?と思い、オンライン辞書を引いたところ,なんとニホンカボチャと出てきました。ほんとかいな。

形はひょうたん型で、半分に切る(ここが結構難しい)膨らんだあたりに種が密集しています。その種を取り除いて、1センチほど水を張ったトレイに並べてオーブンで焼きます。










その間、玉ねぎとにんにくをオリーブオイルで炒め、玄米を加えてさらに炒めます。香ばしいにおいが漂って、思わず味見と称してかなり食べてしまう。。。そこにサンドライドトマトを切って加え、セージを加えます。セージとカボチャの組み合わせは、まさにmatch made in heaven! どうしてこんなに合うのでしょうね。

オーブンで焼いて柔らかくなった実を取り出して、ざく切りにして玄米ミックスに混ぜます。家にあるチーズを適当に混ぜて(今回私はフェタチーズ、ダニーにはフォンティーナ)カボチャにつめて、さらにオーブンで15分ほど焼きます。

焼き上がったらさらにチーズをのせて、スライスアーモンド炒ってちらせて出来上がり。緑と赤のチャードをにんにくとマッシュルームと炒めてバルサミコ酢をふったものを付け合わせにしました。

ワインは地元ワイナリー、Thomas FogartyのGewurztraminer 2007。何度聞いても?となってしまう葡萄はカタカナで書くとグヴァーツトラミナー、が1番近いかな。香りはデザートワインのように甘く、一口めはさらりとしたとれたての蜜のよう、しかし、あるRieslingがそうであるようにしつこくはなく、喉を通った瞬間の後味は切れのよい純米酒のようなのです。甘口&まったり系白ワインは苦手な私たちもこの味はお気に入り。私は今月はじめに遊びにきてくれたYちゃんと行ったワイナリーのテイスティングで一目惚れ。Yちゃんの置き土産をありがたくいただきました。

今日も笑顔でご飯を食べられたことに感謝!

2009年11月23日月曜日

秋の夜長とPetit Sirah

友人がコンサートマスターをやっているSilicon Valley Symphony Orchestraのコンサートに行きました。演目はブラームス交響曲2番、サンサーンスチェロ協奏曲,そしてチャイコフスキーのくるみ割り人形。どれも大作です。ブラームスはあまり詳しく知らないのですが,サンサーンスのチェロ協奏曲のソリストはSFシンフォニーのassociate principalで、何度も本公演で聴いたことのある人。すぐそばで観る迫力はものすごかったです!この日は人が足りないというので案内人をボランティアで手伝ったので、事前に良い席を確保できてラッキーでした。くるみ割り人形はいつ聴いても笑顔になるかわいい作品。オケ創始者で指揮者でもある人が全身で「この曲好きでたまらない!」って感じで指揮していたのでより盛り上がりました。

10時前にコンサートが終わって、友人を家に招いてワインとチーズの夕べ。チーズはSaint Andre, Mimoretto, Smoked Gouda, Parrano。冷え込む夜は濃い味わいの赤ワインがよさそうなので、Petit Sirahをあけました。ブレンドされることも多い葡萄ですが、私は単品で味わうのも大好き。Cabernet Francもそういう意味で単品で美味しいボトルに出会うとうれしいです。正確に言うとカリフォルニアでいわれるPetit Sirahとは、フランスモンペリエがふるさとのDurifという種類の葡萄になります。BogleはSonomaにあるワイナリー。リーゾナブルで味もよいPinot Noirは飲んだことがありましたが,Petit Sirahは初めて。インク色に似合う凝縮された葡萄の味とプラムの香り、ちょっとぴりっとするスパイシーさ。成熟したハードチーズにもソフトチーズにもよくあいます。2本のワイン(後にピノを開けました)とチーズで午前2時半まで語り合った夜でした。

2009年11月22日日曜日

A day out in Berkeley

昨日はとても気持ちのよい秋晴れ。久々に、またダニーとは初めて、バークレーに行きました。アイルランドの劇団Druidの公演を観るためです。この作品はダニーのお兄さんが照明デザインを手がけたもので、「一風変わった作品」と聞いていたので興味津々。この劇団は多くの賞を受け、London, UK, Australia, NYの演劇界でも注目されています。

2時の開演前に、エチオピアレストランでランチを取りました。ダニーが以前よく行ったお店は残念ながら閉店していたので、口コミサイトで評判のCafe Colucciへ。http://www.cafecolucci.com/

ダニーはエチオピアビールと肉料理のコンボ、私はエチオピアティーと野菜料理のコンボをとりました。

                       ダニーの肉料理コンボとInjera                    ビールとお茶

お茶はカルダモンともう一つのスパイス(名前を忘れた)を煎じたお湯にティーバッグををいれます。カルダモン湯はそのままでも風味があって、緑茶やフレーバーティーを淹れておいしそう。今度試してみようっと。


どの料理にもInjeraという薄くてくるくる巻かれたパンがついてきます。Injeraはエチオピアの主食で穀類のなかで一番小さいといわれるTeffの粉をイースト発酵させて焼いたもの。Teff150粒で小麦一粒分なのでかなり小さいものの、栄養価は抜群でカルシウム、鉄分、プロテイン、繊維など小麦粉よりかなり多く含まれているそうです。このパンを一口大にちぎりながら食べ物をつまんで食べます。味はちょっと酸味があって、食感はうすーく焼いたどら焼きの皮のよう。適度なもちもち感もあって食べ物をつまむにも最適です。

私のお皿には5品。どの品にも独特のスパイスが使われていて、辛みのきいた煮込みから野菜の甘みがまろやかなもの、さっぱり系から奥深い味わいまでいろいろ楽しめました。

サラダにのったひよこ豆のディップはニンニク控えめのフムスのようで、レンティルの煮込みは大好きなレンティルローフの味わい。人参とキャベツの炒めものは甘さが優しく、スプリット豆の煮込みは豆の味がシンプルにいきていました。Gomenという青菜はにんにくを利かせてしゃっきりと炒められていて後を引く味わい。どれも大満足の味わいでした。とてもおいしかったというと、ウェイトレスのかわいい女の子がすてきな笑顔で喜んでくれました。

お目当ての劇、"The Walworth Farce" はフシギな内容でした。ドタバタ喜劇&ミステリーとでもいうのでしょうか。アイルランド南部からロンドンに移り住んだ父と息子二人は、外界との接触を断って、くる日もくる日も狭いアパートの中で、最後にアイルランドで親戚数日と過ごした日を演じ続けるというもの。しかしそのシナリオは現実とは違うことが、外部の人間(スーパーのレジ係)の関わりと息子の一人が過去の記憶を取り戻すにつれて明らかになるというような感じ。奇妙キテレツな内容の台詞を機関銃のように話す俳優についていくのが大変で。私の頭の中は?マークでいっぱい。しかしそれは周りのアメリカ人観客も同じだったようです。幕間で周りの人たちは皆、何がなんだかわからない、と話しており、途中から帰ってしまった老夫妻もいて、万人受けする内容でなかったことは確かです。しかし俳優たちはすばらしく、ハイペースの脚本に文字通り体当たりでアツい演技をしていました。

ダニーのお兄さんの照明も、舞台の中の舞台(父子はセットの中で自分たちが英国に引っ越す最後の前を演じる)をよく考えた作りになっており、使われたランプシェードなども皆独特で雰囲気がよく出ていました。

観劇の後は、目抜き通りテレグラフアヴェニューをぶらぶら。夕食は地元の人気レストラン  Chez Pannisでとる予定でしたが、何しろおなかがへこまないので次回のお楽しみとしました。

遥か左手にゴールデンゲートブリッジがみえます

夕日がきれいだったので丘の上までドライブして、小さな公園から夕焼けを見て帰ってきました。しかしエチオピア料理でおなかがいっぱいとは、これも都会ならではのアイロニーですね。

2009年11月20日金曜日

カラダが覚えているコト

しばらくやっていなかったスポーツをやってみて、うまくできた。
編み物なんてX年ぶりなのに、結構すいすい編めちゃう。
昔ちょっと習った外国語のフレーズがひょんなときに出てきて、ネイティブスピーカーから「おお〜、すばらしい発音ですね!」と褒められる。

そんな経験ありませんか?私はごくたま〜にあります。どれもこれも、みんなカラダが覚えていて条件反射的にうまく反応できたにすぎません。

いい体験ならそれはもうけもの。でもカラダがネガティブな出来事を刻み込んでいるとしたら。ちょっと怖いです。それも夢に出てきてそれで貴重な睡眠が妨害されてしまったら。。。

場所は成田空港。英国から3年ぶりの帰国。荷物受け取りの前に行った化粧室。ドアを閉めいつもと同じ動作のあと。。。。一瞬頭が空白に!

腰を落とし始めてほんの零コンマ何秒の間に感じた衝撃の戦慄。「あるはずの便座がない!×○▷!このままでは尻餅をついてしまう〜★」、と思った瞬間無事に着地しました。そうです、日本では便座も、化粧室の洗面台も、台所のシンクも、ありとあらゆる生活空間の高さが英国のそれより数センチは低いのです。

あのときの底なし沼に吸い込まれるような恐怖は相当影響が強かったと思われます。10年以上経つのに昨日の夢に出てきました。カラダの記憶って怖いほど正直ですね。

2009年11月19日木曜日

きょうのひるごはん

今月あたまから続いていた食べ&のみ過ぎを反省して、ここ数日小食を心がけていました。

が、その反動か今日はご飯粒が食べたくてたべたくて。魂がご飯を欲している(大げさ〜)!時々こういう「何がなんでもご飯!モーメント」が訪れます。こんなときは無理せず体の声を聞くべきと、シンプルだけれど丁寧におかずを用意しました。



テーブルに並んだのは9皿14品。左上から時計回りにチャードとマッシュルームのソテー、大根の漬物わさび漬和え、かまぼこ、のり佃煮、焼き海苔、大根とわさび漬け、梅おかか、切り干し大根と昆布の和えもの、山椒昆布、なめみそ2種、炒り銀杏、納豆、具沢山みそ汁と玄米。わさび漬け、かまぼこ、山椒昆布をのぞいて自家製です。家にある物で用意したので重複した材料もありますが、好物がそろいました♪

誰もがお気に入りの「ご飯の友」をもっていると思います。私はどうしても一つだけと言われたら、納豆と焼き海苔のあいだで迷いに迷って、多分焼き海苔を選びます。私にとって、ぱりっとした海苔とご飯のとり合わせはシンプルながら言葉には表せない美味しさです。

常備菜で活躍するのはなめ味噌。玉ねぎと味噌(白や合わせ)を同量ずつ混ぜたものは、そのままご飯にのせてよし、おにぎりの表面に塗って焼きおにぎりにしてよし、生野菜や蒸した野菜につけてよし、にんにくを漬け込んでよし、マヨネーズやドレッシングに混ぜてよし、お椀にわかめやネギと一緒に入れて一人分のみそ汁を作ってもよしと大活躍です。八丁味噌の練り味噌は砂糖とみりんで練った後、ごまや七味をいれて香ばしさを出しています。里芋、こんにゃく、豆腐につけて田楽にしたり、野菜の味噌炒めにアクセントとして入れています。梅おかかも作りおきしておくと便利です。味噌と同じくにんにくを漬け込んでも。



そして欠かせないのがお味噌汁。具は2種類までが基本なのでしょうけれど、たっぷり野菜を食べたい時は旬の野菜をたっぷり入れて。今日は干し椎茸、ごぼう、大根、人参、カボチャ、豆腐にネギをいれました。出汁は昆布と煮干粉、味噌は合わせ麹味噌と豆みそをあわせました。椎茸の戻し汁も冷凍しておくといざというときの出汁に活躍します。製氷皿を使えば必要な分だけ、おひたしや一人分の汁物にも使えます。

たまたま新鮮なチャードがあったので、バター少々でマッシュルームと炒めました。胡椒ひとふり、いつものほうれん草とのソテーではお醤油をひとたらししますが、味がしっかりしていたのでそのままでうまみを味わいました。チャードは日本ではあまりなじみがない野菜ですが、ほうれん草やビーツのような土の豊かな味がする葉野菜です。本来のシーズンは夏ですが、まだマーケットでも採りたてが売っていました。ビタミンK, A, C、マグネシウムや鉄分が豊富栄養的にも優等生。日本語では赤普段草(アカフダンソウ)というのだそうです。

準備に45分、食事もよく噛みながら同じくらいの時間をかけていただきました。
韋駄天さん、ご馳走さまでした!

2009年11月18日水曜日

The World of Bach

昨晩降った雨もやみ、朝から気持ちのよい青空。紅や金色の街路樹もキラキラしています。


今日もシティまで公開リハーサルを観に行ってきました。仕事が忙しいダニーにかわり、ご近所のTさんと一緒に朝7過ぎに家を出発、8時半の開場には余裕で間に合いました。2回目なので勝手もわかり、無事にホール真ん中に席を確保したあと、ドーナツとコーヒーを楽しみました。

今日の演目はバッハのブランデンブルグ交響曲3,4,5番、管弦楽組曲1番、そして息子のヨハン クリスチャン(JC)の交響曲2番でした。両方とも言わずと知れたバッハの代表作、JCの交響曲はモーツァルトを思わせる軽快な旋律でした。といってもJCがモーツァルトに似ているのではなく、実はその逆だとか。神童モーツァルトが8歳のとき、JCは31歳で彼のメンターだったそうで、実のお父さんよりモーツァルト自身に与えた音楽的影響は大きかったと言われているとか。20人とも21人ともいわれる子供をもったバッハは、自身の創りだした音楽はもとより、実の子たちへの教育をも通して、時代を超えて偉大なる音楽へ貢献しているのだと尊敬の念がより深まりました。

バイオリンソロと指揮はAlexander Brantschik。SFシンフォニーでコンサートマスターをつとめる前はロンドンシンフォニー、オランダラジオフィルで活躍。彼が弾くバイオリンは1742年のグアルネリウス。ドイツの巨匠 F.Davidが1845年のメンデルスゾーンの名作バイオリン協奏曲初演に使い、またイスラエル人天才バイオリニストのJ. Heifetzが長年愛用したという名器中の名器でした。5番のパープシコードのカデンツァもすばらしかったです。

J.S.バッハの世界にはなぜかとても惹かれます。宗教色が濃く、フーガの技法など時として規則やテクニック重視で創造性がないなどと評されることもありますが、私にはどの調べもなぜかとても懐かしく心にしみ入ります。もしかしたら中世ドイツで生きていたことがあるんじゃないかと感じるほど、バッハの音楽に触れると既視感に似た感覚があることも。特に子供時代に多く聴いた訳でもないのに不思議です。

70年代に打ち上げられた宇宙船Voyagerのミッションの一つは,他の惑星に存在するかもしれない生命体にメッセージを送ることでした。地球を代表するメッセージとして何が適切か、カール セーガン博士は考えたそうです。医学博士、作家、研究者として有名なルイス トーマス博士に助言を求めたところ、トーマス博士は「技術が許せば、音楽を宇宙に発信するのがよい。我々地球人を説明するのには、音楽という言語が一番適切であり、自分ならバッハ全集を選ぶ。もちろんそれは自慢していることになりはするけれど、新しい出会いに最もふさわしいだろう。あまりよくない事実はその後で話せばよい。」と、バッハの音楽のすばらしさを讃えたユーモアのある返答をしたそうです。

時代や国境や民族や惑星をも超えて届く音楽。だからどこか懐かしいのかもしれません。

2009年11月17日火曜日

Amazing Story

これは去年友人から聞いた話で、メールでシェアして多くの反響を得たものです。最近またどういう話だったっけ?とメールをもらったので、こちらで紹介します。

数年前までサンフランシスコにカブト寿司という人気のお寿司屋さんがありました。しかしある日突然オーナーがかわり、常連客はいったいどうしたことか?とびっくり。オーナー夫妻の行方もわからまま、月日は経ちました。

昨年の米国独立記念日の週末。友人の友人でカブトの常連だった日本人が友人とシャスタ山(サンフランシスコから車で北へ5時間のところにある4千メートルを超す神山)へ遊
びにいきました。いつもは綿密に旅行の計画を立てるその人は、その旅行に限り、PCを持っていって調べながらいこう、と出発。しかしPCを忘れてしまったそうです。シャスタ山についたものの何の情報もなく、どこで何をするか、食事はどこでとるかなど右も左もわからない状態。

そんな中、適当に車を走らせていると、オーガニック日本料理の看板が目につき、おなかもすいたので、その一軒家を改造したレストランに入りました。すると驚くことに、数年前姿を消したカブト寿司のご夫妻がいたのです。彼らはサンフランシスコを去った後、シャスタ山で新しいお店を開いていたのです。

常連も多かったお店を急にたたんだのは、奥さんががんを煩っていたからだでした。連絡せずサンフランシスコを去ったことについて、ご夫妻はとても恐縮していたそうです。奥さんは甲状腺がん、度重なる手術、肺への移転、様々な治療を続けながら、仕事に没頭して不安を忘れようとしていました。しかし、ついに立っていることもできなくなり、更なる手術を受けるかどうか迷っていた奥さんは、医者からの説明に納得できずにいました。そして、ご主人に納得してもらった上で、どんなことがあっても二度と病院に戻らないと決め、日本から本を取り寄せ食事療法を始めることにしたのです。この辺りは下記リンクに詳しいので、興味のある方は読んでみてください
http://www.vivifyshasta.com/vivify_ayako_message.html

奥さんは、シャスタ山の生きた水、農薬を使わない新鮮な野菜を中心としたマクロビオテックの食事療法を続けて、時が経つにつれ元気になりました。病院には戻らないと決めたので、がんが完全に治ったのかは定かではないそうです。しかし、食事を根本的に見直した経験から食べ物と水の大切さを文字通り身を以て感じて、新鮮で安全な食材を使った料理を出すレストランオープンを踏み切ったそうです。

この話をしてくれた友人は、マクロビオテックの大家である久司先生の本を日本から取り寄せて真剣に読んでいたところでした。そこにこの話。これも共時性のなせる技でしょうか。実際の経験をした友人の友人は、スピリチュアルな世界を信じていない人のようですが、まるで引き合わされたかのようなご夫妻との対面には、首をひねっていたそうです。

2009年11月16日月曜日

Tea Tasting

先週は4回お友達をディナーに招き、一日はサンフランシスコで観劇、一日は友人宅でワインパーティーと多忙な日が続きました。毎日おいしいご飯とお酒で幸せの日々♪これだけ食べているのにうれしいことに体重は増えずです。冬にかけては体がエネルギー蓄えモードに切り替わるのでダイエットは春まで待つべし、というドクターが書いた記事を読んで納得。

さて、皆さんは食後に何を飲みますか?うちはもっぱらお茶。コーヒーも好きですが最近は外で飲むだけになりました。

見づらいですが上から時計回りにそば茶、番茶、炒り番茶、粉茶、茎ほうじ茶、煎茶。

日本茶でいえば、煎茶、抹茶、粉茶、ほうじ茶、そば茶にいり番茶。茶葉をみて、香りをかいでもらって好みのお茶を淹れます。最近の一番人気は意外なことにいり番茶。

京番茶ともいわれるこのお茶は、葉を蒸した後よらずに高温で短時間煎ったお茶。独特の大きな葉は枯れ葉と見まがうほどで、何しろスモーキーな香りにびっくりします。ダニーは一言「灰皿のにおい。。。」と戸惑った模様。お茶の雑誌でみて、今回日本から来るYさんに持ってきてもらいました。3重のビニール袋の外からも燻された香りがするほど強烈で荷物ににおいが移らなかったか心配でした。京都の老舗、一保堂のこのお茶はその匂いのため店頭では売っていなくて買うときは奥から出してきてくれます。カフェインが少ないので赤ちゃんや病気の人にもお勧めとか。風味が赤ちゃんにどうかなと思わないこともないですが、のどごしすっきりの味わいはクセになります。京都では老舗料理店でも食後のお茶として施されているそうです。

紅茶もよく飲みます。デザートが洋風のときは紅茶をあわせることが多いです。カフェインに敏感なゲストにはルイボス茶やハーブ茶をすすめます。洋風デザートにはほうじ茶も結構合いますね。日本ではほうじ茶ロールケーキやクッキーなども人気だそう。今度シフォンケーキにほうじ茶を細かくして混ぜてみようっと。

2009年11月13日金曜日

DV8 Physical Theatre

UKベースのパフォーマンスグループ、DV8 フィジカル シアターの最新プロジェクト,”To Be Straight With You”を観ました。今まで一番感銘を受けたパフォーマンスといえるほど、すばらしいものでした。

1986年にLloyd Newtonが設立したこのグループは、社会的、政治的、心理的テーマをベースに振り付けされた舞踏でメッセージを発しています。世界各国をツアーし、BBCによって映画化された作品もあります。振り付けの斬新さもさることながら、照明デザインがすばらしく、ミニマルな舞台に限りない奥行きとストーリーを与えています。

今回の作品のタイトル「To Be Straight With You」は「率直に言いましょう」という意味ですが、このStraightには、「非同性愛者」という意味もあります。この作品でNewtonは、自身が体験した同性愛者への差別、迫害、暴力、また世界各国でみられる宗教的、人種的な問題を描いています。舞踏とともにダンサーが語る台詞は、イギリスで実際に85人にインタビューした生の声をもとにしています。ちなみにポスターの「縄跳び男性」は、縄跳びをしながら(後ろ回しや連続二重飛びも!)長い台詞を数分しゃべり続けていた脅威の人物。

90年代はじめに同性愛者の行進がロンドン南部のBrixtonで行われたとき,Newtonは当時ボーイフレンドだったインド人と一緒に参加したそうです。Brixtonはアフリカやカリブ海諸国からの移民が多く住む地域で、Eddy Grantのヒット曲 "Electric Avenue"もあります。余談ですが、ロンドンに住んでいたとき比較的近くだったので、新鮮なオクラを仕入れにマーケットにいったり、ヴィクトリア建築の映画館にも足を運んでいました。

そのBrixtonでNewtonは敵意に満ちた罵声を浴びます。移民である彼ら自身、少数派として社会的差別を経験しているはずなのに、他の少数派グループに対しては冷酷であることに驚きます。また2006年にイギリスのテレビ局が作成したイスラム教同性愛者のドキュメンタリーでは、200人のインタビューが行われましたが、顔を見せることに承諾したのはただ一人。後の人たちは差別や仕打ちを恐れていたそうです。このような背景からNewtonは、宗教、人種,性別,性的嗜好などのビリーフが作り出す複雑な社会環境を舞台にしようと思ったそうです。

世界の多くの国々では、同性愛が犯罪として裁かれ実刑になるという事実も知りました。家族や社会から切り離されても自分の道を生きる人たち。本当の自分を偽って社会に順応しようとする人たち。差別と暴力に正面から立ち向かう人たち。重みのある台詞なのに、暗さより力強いエネルギーを感じました。

SFダウンタウンのYerba Buena Art Center
NYと並び大きなゲイ コミュニティのあるSan Francisco。舞台が終わって満場のスタンディングオベーション。その後もロビーは熱気であふれていました。私たちは会場にいた数少ない非同性愛者でしたが、枠や境界線をこえて結局つながっているんだと感じた夜でした。16作品ある彼らの作品をすべて観てみたいです。

2009年11月12日木曜日

 愛しの野菜たち

野菜はすべて大好きですが、その中でどうしても一つ選べといわれたら。。。きっとブロッコリーと答えます。ブロッコリーもキャベツも大根もアブラナ科の植物。どれもたくさんの料理に活かせますね。一番好きな食べ方はただ蒸して塩少々でほくほくを食べる。マヨネーズ(自家製が一番だけれど、市販ならうちは断然QPです)をつけてもおいしい。炒め物、スープ、カレーにも欠かせないし、玄米と混ぜてドリアもよく作ります。

今日の主役は芽キャベツ!

この姿を初めて見たのは、イギリスに住んでいたときに訪れた郊外の畑でした。
結構びっくりしました。こんな風に生えているのか〜としばし見とれた記憶があります。

芽キャベツは英語はBrussel Sproutsですが、この名の由来は西暦1200年頃に今のベルギーのあたりで栽培されていたからだそう。ビタミンAやC、葉酸、食物繊維が豊富で、大腸がんを予防するといわれる物質も含まれているとか。ちょっと苦みがあって、バターをからめてローストするとほっくり、少し焦げた切り口あたりにナッツのような風味も漂います。


この姿にTrader Joe'sで出会いました。今年の感謝祭は26日の木曜日。七面鳥の付け合わせにクランベリーソースと芽キャベツローストは定番です。うちは七面鳥とは無縁ですが、姿が愛しくて思わず買ってしまいました。が、しばらく外出や日本食ディナーの予定があり、どうしたものか。たいていメイン料理の付け合わせとして出されるこの野菜ですが、いろいろなレシピを試してみたいと思っています。

2009年11月10日火曜日

なんでも干してみよう!


書きたいことはたくさんあるのですが、まとまった時間がない。。でもブログは更新したい!という時のお助けは食べ物系トピック。

昨日ウォッカに漬けた渋柿は,夜寝る前には全く変化がなかったものの、朝おそるおそるかじってみたら,ちょっと渋みが抜けていました。気長に待ってみます。後の二つを軒下に干すために、凧糸を買いにダイソーに出かけました。すっごく大きいのが近所にあるのです。ほとんどのアイテムは$1.50でお得感抜群。この前も日本食6人のディナーのために食器を買い込みましたが,60ドル以下でたくさんの種類がそろいました。

我が家は狭いながらもバルコニーがあり、結構重宝しています。部屋の鉢植えはもちろん、いろいろな物が日光浴します。置いてあるテーブルと椅子も網状になっていて、風通しもよく、最近は銀杏を乾かすのに活躍しました。煮物や汁ものに欠かせない干し椎茸は、もどす前に必ず日光浴させてビタミンD含有量をアップ。もどすのは冷蔵庫で一晩じっくりがベスト。うまみ成分のグアニル酸が常温で戻したときより多いそうです。明日はダニーのビジネスパートナー夫妻を夕食に招いているので、今日から戻しておきます。



今日はちょっと薄曇りでしたが、バルコニーに並んだ新顔は大根。友人のお母さんが大根を干して塩漬けにして美味しいお漬け物を作っていると聞いたのを思い出して、網にのせて干してみました。

干して20分ほどして、おからクッキーが焼き上がったので、冷ますために網をとりにバルコニーに出ると、何と薄切り大根の一切れがバルコニーの手すりに移動していたのです!あたりに鳥の姿はなかったものの,いつものブルージェイでしょう。

そんな訳で干し柿は鳥対策がきちんとできてからでないとだめだなと思い、今日はひとまず延期です。また陰干しがいいとか、日光に当てた方がいいとかいろいろな説があり、要リサーチです。



話は飛びますが、最近はスコーンもよく焼きます。先週日本から朝着いた友人のために迎えにいく前に焼いたアプリコットとジンジャーのスコーンはとても美味しくできました。大の粉物好きのTさんに「ほっぺたがおちた〜」と喜んでもらえたので味をしめて、今日はブルーベリー、クランベリー、プルーンで。ご飯前なのに一つ食べてしまいました。


2009年11月9日月曜日

干し柿チャレンジ!

先週は日本から友人が遊びにきてくれて地元のハイキング、食べ歩きやお買い物、また友人二組をディナーを呼びんだり、週末はチャリティコンサートに行ったりと睡眠時間を削って楽しく忙しい数日を過ごしました。楽しかった話のアップデートはこれから少しずつやっていきます。

取り急ぎ今日の話題は柿!
近所のTさんが柿とレモンを持って遊びにきてくれました。レモンはいつもお家のを持ってきてくれるのですが,りっぱな柿はお初。それはなんと家の向かいの家で、一個25セント(20円ちょっと)で売っていたという物。



早速切って食べてみたら、美味しそうな色とは裏腹に『しっぶーい!』渋柿のしぶみを口の中全体に感じたのは初めてだったかも。

とりあえず切ってしまった2個をウォッカにつけこみ、様子を見ることにしました。

こりもせずまた2個自分で買ってきました。明日は皮を剥いて軒下に干すのだ!結果は追ってご報告します。

2009年11月1日日曜日

一時間延びると。。。。

時間。このコンセプトはかなり日々の生活に影響を及ぼします。

乗り物の出発/到着も、お友達との待ち合わせも、仕事の打ち合わせも、年を取るタイミングもすべて「時間」でその一点が選ばれます。「時間」の概念がないと社会は機能しなくなるけれど、たまに必要以上に重きを置いてしまったりすることもあります。距離を置かずに時間と一緒に進んでいければ一番いいのでしょうが、余裕があれば先にダッシュ、パワーが切れれば一回休み、体や心が重けりゃ逆戻りもあり。そんなことを繰り返してきました。

今週末で夏時間から標準時間に移りました。朝の7時がまだ6時。このごろ朝7時半にようやく明るくなるところでしたが、今日は朝7時に友人と待ち合わせてハイキングへ。

カメラをなくしたおかげで肉眼のみでうすピンクから金色に移り変わる空を眺めました。

頂上でラジオ体操をやってきました。気持ちよかった!