2009年2月17日火曜日

Welcome to my world

この言葉を残して、この世を去ったスカイダイバーがいました。

彼はスカイダイビングのインストラクターで、その言葉は、一緒にタンデム飛行をしている生徒に向けられたものでした。


先日、友人が陸軍所属の25歳のアメリカ人男性が、初めてのスカイダイビング飛行中にインストラクターが心臓発作で急死、自分でパラシュートを操縦して無事着陸したというニュースを教えてくれました。彼女自身もスカイダイバーであり、現役のパイロットとして、多くのジャンプスポットで飛ぶ夢を持つ人々を乗せて活躍しています。旦那さまもパイロット、スカイダイバーで二人一緒に飛行機数機をオペレーションする会社を経営しています。

彼女が、この話をしてくれたとき、私は、そのインストラクターが見た景色を感じたような気がしました。


私も一度だけスカイダイビングをしたことがあります。友人の住むカリフォルニア州南部の砂漠の町でタンデムジャンプを経験しました。飛行機のふちに腰掛けて、地上で練習したとおり、いち (前かがみになり)、に (いったん引き)、さん (胸を張り手を広げジャンプ!)で飛び立つその瞬間。膨らむ期待と未知への恐怖で引きつった笑顔になっていたと思います。飛び降り、ぐるぐる回転して、ドロールという小さなパラシュートを開いて、しばらくフリーフォールをします。高度計が赤い矢印のところにきたら、メインパラシュートを開きます。その瞬間。。。。


ぐっと体が引き上げられ、自分の呼吸までも止まったかのような、静寂が一瞬にして訪れます。


その時の生徒さんも同じような体験をしたのでしょう。「とても静かですね」とインストラクターに話しかけたそうです。その返事が「私の世界へようこそ」でした。そのあと話しかけても返事がないのでおかしいと思っていたら、彼はもう向こうの世界に旅立っていたのでした。

「私の世界」の居心地のよさを感じて、そのまま戻らないことにしてしまったのかな? なんて考えも浮かんだりします。

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