2009年8月27日木曜日

We love Seattle (and all what we ate there)!

しばらく前から「行きたいね!」と話していたシアトルに出かけました。雨が多く暗いイメージがありますが、この夏は特に天気がよいらしく滞在中も晴れの日が続きました。

サンフランシスコから約2時間のフライトでお昼過ぎにはホテルに着きました。部屋の準備ができていなかったので、早速街に散策へ。天気は快晴、海は青く、風は爽やか。ウォーターフロントにPike Place Marketという大きな市場があります。

100年以上前に地元農家の屋台から始まった市場は、今は魚、肉、野菜といった生鮮食品店から花、アート製品、お茶やスパイス、スイーツ、レストラン、カフェ、アンティークショップや土産物屋もあり、高齢者住宅まで併設したコミュニティになっています。登録制の大道芸人は240人以上いるそうで、平日の午後ながらあちこちでにぎやかなパフォーマンスが繰り広げられています。
マーケット近くのSteelhead Diner (http://www.steelheaddiner.com/) でランチ。シェフがニューオーリンズ出身だそうで、メニューにカキのPo'Boyを見つけたダニーは大喜び。ポーボーイとは、ルイジアナのサンドイッチで、フランスパンに揚げたシーフードや肉を挟んでいただくもの。私はとれたてのアンチョビのブルスケッタを。一口食べて「あ〜しあわせ」と言葉が漏れたほど新鮮なアンチョビでした。添えられたアルグラのおいしかったこと!いつもスーパーで買っていたあの葉っぱと同じものとは思えぬ濃い味でした。


Oyster Po'Boy


シェフがとれたて!というだけあってすばらしかったアンチョビ。
アルグラの葉の大きなこと!

翌朝ウォーキングツアーを申し込んであったので詳しくは明日にまわすことにして、ダウンタウンのシアトル美術館へ。ダニーは炎天下外に長くいると茹でたてロブスターのようになってしまうので屋内避難は妥当な策。木曜日は9時まで開いているのでゆったりと回れます。


入り口の大きな彫刻

ギャラリーにはしゃれたカフェが併設されていて、のぞいてみると3時からhappy hour. お昼を食べたばかりですが、ワインとカナッペのペアリングメニューが気になってカフェをチェックすることにしました。


白はMuller-Thurgau。この葡萄はドイツ、オーストリア、チェコなどの欧州、日本でも栽培されている品種です。メロン、梨、ハニーサックルの香りにパッションフルーツの酸味と甘さ。シャルドネとソーヴィニョンブランの中間のようなすっきりした味わいでした。ブランジーニチーズをのせたミニベイクドポテトを一口食べてワインを飲むと風味がより引き立ちます。ロゼは白と同じワイナリー、オレゴンのAnne Amieのもので辛口で引き締まった味ながらイチゴやラズベリーの香りに少しクリーミーさを感じる味わい。温度変化にも敏感で時間とともにいろいろな味わいを楽しめました。チーズをのせて焼いたミニベーグルをルバーブのペーストとよく噛んで味わうと酸っぱさとしょっぱさが微妙な甘みにかわります。そこでワインを一口。果物の香りが加わって興味深いペアリングでした。赤はワシントンのBunnel Family Cellarsのgranache. グラナッシュは世界で最も多く栽培されている品種の一つで、完熟まで時間がかかるのでスペインやフランス南部、またカリフォルニア州の盆地など気温の高い地域で栽培されます。メルローやシラーにブレンドされることが多いグラナッシュですが、個人的には果実の風味豊かでぴりっとしたスパイシーな感じを単独で味わうのが好き。想像したより軽めの味で、こちらも時間とともに味が変わって楽しませてくれました。皮が灰に覆われたヤギのチーズは地元で有名なサラミ屋さんのレモングラス味のサラミが添えられています。ダニーはサラミがとても気に入っていました。このお店は料理の鉄人アメリカ版でも有名なイタリアンシェフ、マリオ バタリ氏のお父さんのお店だそうです。

食のアートを満喫した後、ギャラリーへ。モダンからネイティブアメリカンまでコレクションも豊富です。特別展はTarget Practice: Painting Under Attack 1949-78と題して、多くの芸術家が第二次大戦後に伝統的なアプローチから新たな手法を模索した時代の絵画や造形作品を集めていました。ある絵は文字通りキャンバスに弾丸の”攻撃”を受けていました。また、年初に亡くなったAndrew Wyethの回顧展も興味深かったです。彼の写実的なスタイルからは”静”なのに強い気迫というかエネルギーを感じました。ミュージアムショップでお土産を買って外に出るときれいな夕焼け空が広がっていました。

帰り道、仮装した数人のグループが街を練り歩いています。

イベントでもあるのかと訪ねてみると、地元の劇団が月に何度か街を練り歩くのだとか。白装束と動物の頭巾(?)が黄昏のシアトルをどこかヨーロッパの町並みのように見せていました。
ホテルへ戻ってチェックインしてびっくり。予約時に結婚一周年の旅とメモに書いたのが功を制して湖側のスイートルームにアップグレードされていました。支配人からのメッセージとスパークリングワインが届いていてうれしい!

夕食は9時半に予約してあったUmi Sake House (http://www.umisakehouse.com/) へ。間口は狭いものの入ってみると立派なカウンターの他に椅子席もある大きなお店で、ほぼ満席。私たちは寿司バーで新鮮なネタを見ながら思わず笑みが漏れます。鯵のタタキがあると聞いて大喜びのダニー。骨せんべいもおいしくいただきました。

残念ながら天ぷらは今までで食べた中でワースト。ネタはいいのですが、練りすぎ、揚げすぎの衣はパンケーキっぽく甘い味がして大バツ。お寿司はすべておいしかったです。さすがに鮭の種類は豊富で、白キングサーモン、コホサーモン、ソックアイサーモン、キングサーモンなど常に数種類が並んでいます。


Coho Salmon


鮭の生は苦手な私。絶対気に入るから!というダニーの勧めに渋々食べてみたら、
ものすごく美味しかったSockeye Salmon.



ヒラメ、白マグロ、シメサバ


純米酒とレインボーロール

11時を回っても続々とやってくるお客さん。私たちの住むパロアルト近辺では考えられない光景なのでうれしくなりました。このお店は11時から第二回のハッピーアワーがあり、夜中の2時まで営業しています。

翌朝はマーケットを歩いて回るツアー (www.savorseattletours.com) に参加しました。Starbucks Coffeeでガイドさんと他のツアー参加者と落ちあい、お店リストやレシーバーを受け取ります。私たちのグループは7名とこじんまりしていますが、にぎやかな市場内ではレシーバーがないと説明がよく聞こえません。ガイドのTimは元気な青年でこのツアーを担当して3年になるそうです。まず揚げたてのドーナツをほおばりながら、Gum Wallへ。


この場所は私たちが参加したクラシックツアーには含まれていないのですが、シンガポールから来たカップルの特別リクエストで連れて行ってもらいました。一見難の変哲もないような壁ですが、近くで見ると。。。

一面ガムに覆われています!このエリアはガムを貼付けてよい(というかここまでくると貼付けを推奨?)ことになっています。シンガポールではガムを道に捨てたら罰金だからかこの年配のカップルは非常に感心して壁の前で記念写真を撮っていました。飾りたい写真になるとは思えないのですが。。。
MarketSpiceは常時2000以上の品揃えを誇るスパイス、お茶、コーヒーの専門店。クローブ、シナモン、オレンジをブレンドしたお茶を飲み、珍しいスモーク岩塩を味見しました。魚や肉にすり込んで焼くと風味付けにいいようです。緑茶の種類もそろっていて日本のお茶パックが売られていました。
マーケットの名を冠した魚屋さんは新鮮で豊富な品揃えと、魚をカウンター外から中に投げるパフォーマンス”フライング フィッシュ”で有名です。あらゆる大きさのエビやカニ、多くの種類の鮭、カラフルなパロットフィッシュやアンコウもいて、まな板の上には大きな蝶ザメがのっていました。



ここでは3種類のスモークサーモンとサーモンジャーキーを味見しました。鮭の種類とスモークの仕方で風味が違ってどれもおいしかったです。


青いのがパロット(オウム)フィッシュ

このお店は世界中に注文の品を送ってくれるそうで、国内ならお持ち帰り用にも包装してくれます。次回はスモークサーモンやソックアイサーモンを買って帰りたいです。

次は向かいの1928年から四代目になる八百屋さん, Frank's Quality Produceで桃とリンゴの味見を。ドーナツピーチという平べったい形をした桃や、珍しい色の豆や人参が目を引きました。



レトロな秤がいい感じ


唐辛子をつなげた飾り(食用で料理にも使える)もカラフルで目を引きました。

お次はPike Place Chowderでクラムチャウダーとシーフードビスクの試食。この辺りで、普段朝食を食べないダニーはへばり気味。ツアーの鉄則は食べ残しなし!とガイドのTimに厳しくいわれていたのでしっかり二人分食べました。両方とも塩加減もちょうど良くシーフードの味が生きていてGood!
Chucker Cherryは添加物をいっさい使わず、サクランボのジャムやサルサ、チョコレートなどを作っています。サクランボで作ったサルサはトマトよりまろみがありながら、酸味も程よく、トルティアチップスと絶妙のコンビ。チョコレートもオーガニック。

白い大きなのはビーカンナッツのチョコがけ。後は全部チェリー。

うらやましかったのはお花の種類の多さと値段。
すてきなブーケが$5ポッキリ!

チェリーチョコをパスしたダニーも、手作りチーズの店 Beecher's Handmade Cheeseで食べたマカロニ&チーズは気に入りました。


シンガポールから来たカップルの奥さんはチーズが苦手。ぜひ手伝ってくれと頼まれ、善意の心から彼女の分も食べた私はさすがにおなかが苦しくなり始めました。

ピロシキ専門店はその名もPiroshky-Piroshky. オーブンから出たばかりのスモークサーモンとチーズのピロシキ2種類を試食。ロシアから移民してきたオーナーは開店直前に資金が底をつき、営業許可を取り上げられそうになったそうです。しかし開店前夜に匿名で現金入りの封筒が店に投げ込まれ、おかげで材料を仕入れることができ、難を逃れたとか。後でわかったのはその寄付は同じ市場で営業する他のお店の好意がまとめられたものだったそうです。


餃子の包み方の修行になりそうな見事な手さばき


今は家具屋さんですが、マーケットの端のこの場所がスターバックス第一号店だったそうです。

シアトルにいくつもレストランを展開するTom Douglasのお店の一つ、Etta's Seafoodでは、ミニクラブケーキを。揚げたて熱々はうれしいのですが、ライムサルサはちょっと酸味がきつい。9時半から2時間、よく食べました。ごちそうさまでした!
腹ごなしに少し歩いた後、モノレールで街のアイコンともいわれるSpace Needleがあるエリア、シアトルセンターへ。
この公園内には、Experience Music Project (EMP) (http://www.empsfm.org/)という体験型音楽博物館や科学博物館 (http://www.pacsci.org/)などがあります。EMPの建物は有名な建築家、フランク ゲーリーの作。、薄いチタンで波打つようなラインの建築物はスペインのビルバオにあるグッケンハイム美術館やロサンゼルスのディズニーシンフォニーホールでも有名です。
見上げる場所によって表情が変わるのが面白い。快晴だともっと光の感じが違うのでしょう。


中に入るとウッドストックを記念した映像と音楽がスクリーンで流れていました。地元出身のジミー ヘンドリックの大きな展示が人気のようです。

フロア別にスタジオが実験的に自分の演奏をレコーディングできたり、子供から大人まで楽しめる施設です。
併設されているSF記念館ではSF小説や映画の歴史が映像とセットなどの展示物で説明されていて、期待以上に楽しめました。

おなかがへこまないので、いったんホテルへ戻って休憩。

夕方は元同僚でシアトルに引っ越したHelenと5時に海沿いの老舗レストラン、Ivor's (http://www.ivars.net/)で待ち合わせ。ヘレンとダニーは蒸しアサリとカキフライをシェアして満足していましたが、私はお腹いっぱいでサラダのみ。どこで食べてもアルグラ(ルッコラまたはロケット)は本当においしかった!アブラナの苦みと土っぽい味、ごまの風味がしっかりしていました。ちなみにオバマ大統領が何かのインタビューで好きな食べ物は?と聞かれてアルグラと答えたら、アルグラがなんだか知らない共和党支持者が”そんな高級な食材の名前を言って”などと抗議したというエピソードもありますが、別に高級でもなんでもない葉っぱです。

6時半からはクルーズへ。昼間の雲も切れ青空と太陽がまぶしく広がります。

クルーズは湾を出発して、Ballad Locks という水門を通って湖に入るコースを回ります。この時期は海から湖に帰る鮭の移動も見ることができるので選びました。



商業湾としてもしっかり機能しています。クレーンのオペレーターは年収一千万以上とか!
ストレスの多い仕事だそうです。

沖に出るて振り返ると夕陽に映える高層ビル群。


スカイラインがきれいです。湾には大型客船やフェリーからヨットや釣り船まで。


電車が通るときは下ろされる橋。漁船や個人のボートなど忙しく行き来しています。

見上げると線路が見えます。

水門に入るまで少し待ちました。入って後ろの扉が閉まると徐々に湖側の扉が開けられ、水位が調節されます。水面では鮭がはねている姿やアシカの姿も見られました。

こちらのテレビドキュメンタリーで、アラスカ沖でカニ漁をする船に密着取材した番組があります。荒波の中、大きな檻のような重い鉄ケージをクレーンで操作してカニを捕るのはかなり危険な作業。それに荒くれ海男のドラマが加わって人気番組となっています。その番組に登場した船が停泊しているのを見つけて番組を見ていたダニーは喜んでいました。


夜の帳が織りつつある湖面

クルーズの終点からバスに乗って海側へ移動。夜のマーケット周辺は昼間と違った雰囲気。

帰り道、初日に目を付けていたピザ屋 Serious Pie http://www.tomdouglas.com/に立ち寄りました。ダニーは2回目の夕食です。市内でレストランを持つTom Douglasの店でトマトソースを使わないグルメピザのお店。私が頼んだシャントレールマッシュルームとトリュフチーズのパイはうなるおいしさ。席は学食のような長テーブルで、隣に座ったカップルと仲良くなりました。これも旅の楽しいところです。

土曜日はフェリーで35分のところにあるベインブリッジ島へ。朝の風が気持ちよい!



島がの船着き場に到着。

毎土曜日のファマーズマーケットへ。この島では古くから日系農家によるイチゴ栽培が盛んで、今も80歳を超えて元気に畑で働いている人もいるそうです。その人たちに敬意を表して作ったというデザートワインの名前は”Ichigo"。地元Perennial VintnersがMuller Thurgauのそのワインをお土産に買いました。色もきれいでシャンペンに落として食前酒に、チョコレートカップに注いでデザートにもいいかも。


カボチャの花が売られていました。チーズやパン粉を混ぜて詰めて焼いたり、肉や魚を包んだり、ゆでてサラダに散らしたり、フライにしたりと用途は広いようです。色がとてもきれい!

イチジクも迷わず購入! スパークリングワインと一緒に部屋で食べよう。

お昼は評判のカフェに予約を入れておきました。http://www.cafenola.com/
イタリアンぽいメニューはどれもおいしそう!ダニーは朝ご飯モードでダンジネス蟹のエッグベネディクト、私はダンジネス蟹メルト。ブラディマリーはサラダのようでした。

たっぷりのダンジネスクラブに二人の目はキラキラ!

蟹肉は酢醤油でとの正論も最もですが、ジューシーな蟹肉と熱々のチーズもなかなかのもの。

食後、ハーバーまで歩く途中にすてきなスイーツ屋さんを見つけました。手作りファッジとチョコレート。どれにしようか迷ったあげく、カプチーノのファッジとチョコレートを買って、ハーバーの桟橋でパクリ。散歩を楽しんでから、フェリー乗り場へ戻りタクシーでブローデルリザーブ (http://www.bloedelreserve.org/)へ。

もとブローデル家の屋敷と庭だった150エイカーの敷地は、今は財団として管理されていて、予約制で見学できます。遊歩道に沿って進むと時が止まったかのような静けさ。自然を生かした庭作りはイギリスのそれを思い出させます。
緑の濃さと比例して空気も濃くなっていく感じ。

角ばったデザインの橋は魔除けのため。魔性のスピリットは角を曲がれないのだそうです。



右奥に見えるのが邸宅で一階部分が公開されています。



邸宅の庭は海に面していて風もひときわさわやか

禅ガーデンで静寂のひととき。日本庭園には紅葉もたくさんありました。紅葉は見事なことでしょう。苔もきれいに手入れされていました。

ダウンタウンに戻って、フェリーの時間まで地ビールが飲めるHarbor Pub (http://www.harbourpub.com) へ。

テラス席の風が気持ちいい!

自家製スモークサーモンのタルティーニ。ケイパー、アルグラ、タマネギがヤギのチーズとサーモンの甘みを引き立てて素朴なおいしさ。

5時過ぎのフェリーでシアトルへ。右手遠くに標高4392mのレーニア山の姿が見えました。


夜は地元の老舗レストラン、Canlis (http://www.canlis.com/)へ。1950年創業のキャンリスは新鮮な食材を使った創作料理が高い評価を得ています。何となく選んでいってみたら大正解!サービス、料理、雰囲気すべてすばらしい夜となりました。

前菜はダニーがサクランボのガスパチョ、私はスモークイエローパプリカのスープ。サクランボのガスパチョはほのかな酸味と自然な甘みがとても新鮮。私の温かいスープも茄子が味に深みを、ズッキーニを揚げたクルトンが歯ごたえと甘みを加えていて野菜それぞれの味が調和して優しい味でした。
メインはこれまた迷ったあげく、ダニーはハマチのグリル、トウモロコシとシャントレールマッシュルーム添え。焼き具合、風味ともにすばらしかったそうです。私は季節のメニューからオヒョウのカボチャの花包みラタトイユ添えとサフランリゾット、パルメザン&マスカルポーネチーズを。ご飯ものが恋しくなってきたところにすてきな組み合わせができました。

魚の焼き具合は最高!花はデリケートな歯ごたえのとさっぱりした旬の味が新鮮でした。ソースとのバランスも抜群。市場で見たカボチャの花を使った料理に出会えて幸せ!

フェンネルが入ったリゾットも美味。

ワインはDog PointのSauvignon Blanc. ニュージーランド、マルボロ地域のワインは二人とも気に入っています。このワインもトロピカルフルーツの香りとまろみがありながら、後味はきりりと引き締まっていて魚料理とリゾットともよく合いました。ワインセラーは店内に2つ、オフサイトに一つあるそうで、常時2000を超えるワインがメニューに載っているとのこと。ソムリエには最高の職場でしょうね。ワインのお値段はカリフォルニアと比べてもちと高めでした。
食後はグランマニエのムースをサービスしてくれました。とてもしっかりお酒の味がして、どのくらいの量が入ってるんだろう?と驚くくらい。

またここはInvisible Valetサービスを提供しています。バレーというのは駐車係のこと。入り口まで車で乗り付け、鍵を渡してお客はすぐに店内に入ることができ、帰りもチケットを渡すと車を持ってきてくれます。駐車場を探さなくていいこのサービス、普通有料で提供されていますがここは無料。そして普通は鍵と引き換えにチケットが渡されますが、ここでは係がお客と車を覚えていて、食事が終わり会計がすみそうなタイミングで車を用意してくれます。私たちがタクシーで来たのも覚えていて、グランマニエたっぷり特注スフレを出してくれたのかもしれません。

日曜日は知り合いのカップルと会うことができました。車がなかった私たちはもっぱら市内を散策していましたが、彼らのおかげで遠出をすることができました。まずはクルーズで行ったBallad Locks (http://www.ci.seattle.wa.us/tour/locks.htm)へ。ここはきれいな庭園もありちょっとしたお出かけには最高です。生後半年の娘さんも久しぶりのお出かけにはしゃいでいました。

水門の上の彫刻の前で

ユニオン湖と湾とを仕切る所々に鮭が行き来できるような水路があります。4 月の産卵期には何千というメス鮭が湖に帰るために泳ぐ姿を見ることができるとか。白い部分は湖で孵った稚魚が海に戻るときに通る水路です。


サーモンラダーと呼ばれている鮭が通る水路は地下におりて見ることができます。



水族館のよう。一生懸命泳いでいる姿が見えます。


二日前は中から、今日は外から水門を眺めます。

水門を後にして、Jersey Devil (http://www.jerseydevildesignbuild.com/)の作品、Trollを見に行きました。ジャージーデビルというのは数人で構成される建築家グループの名前で、彼らが手がけた建物以外の唯一のプロジェクトがこの巨人の彫刻。この彫刻はFremontという地域の高速道路下にあります。Jersey Devilのファンであるダニーは機会があれば彼らの作品のある場所に足を運んでいましたが、この彫刻はサンフランシスコのFremontにあると思っていたそうで、予期せぬところで実物に出会えて喜んでいました。

お昼を食べにCapitol Hillというエリアへ。多くのレストランがランチは営業していませんでしたが、地元で人気のパブ、Elysian (http://www.elysianbrewing.com/)で一息。

お昼の後は、車で1時間弱のSnoqualmie Falls (http://www.snoqualmiefalls.com/)へ。


約82メートルの滝は、夏にもかかわらず豊富な水量で迫力がありました。


下まで往復3kmほどのハイキング。行きはよいよい、帰りはこわい。。。

州内でも人気スポットで人手が多く、滝壺までの道は混んでいたのでパスしました。下からの眺めもかなり迫力あり。次回はハイキングを楽しみたい場所です。

一日案内してくれた友人たちに別れを告げ、一休みした後、ホテル内のレストラン (http://seastarrestaurant.com/) へ。前菜はクラブケーキとホタテのグリル三種を。クラブケーキはバターでソテーしてあり、茹で蟹やロブスターを澄ましバターと食べる感覚からすれば悪い取り合わせではないはずですが、バターを吸った衣と甘めのソースがちょっとしつこく、蟹の風味を生かしてないように思われました。ホタテは焼き加減もすばらしく、トロピカルフルーツチャツネとマカデミアナッツ添え、黄ビーツとアルグラの黒トリュフビネグレットが美味しかった!




ここに来てエビを食べていなかったので、ちょっと平凡かなと思いながらも、エビ、アーティチョーク、トマトのパスタを。


ダニーは鱒のヘーゼルナッツ焼き、ワイルドライスとバーリーのピラフ、アスパラガス添え。これは最高でした!
食後はプチデザートのテイスティング。パッションフルーツのパンナコッタ、クリームブリュレ、ココナツクリームパイを選びました。パンナコッタは酸味と甘みのバランスがすばらしく、大満足の一品。


部屋に戻って、ベインブリッジ島で買ったイチジクをおつまみに、スパークリングワインを開けて、結婚記念日に乾杯!


月曜日も快晴。野外彫刻美術館に行く途中にホテルからほど近い有名なドーナツ屋さん (http://www.toppotdoughnuts.com/) で朝ご飯にしました。

オールドファッションとシナモンシュガー。エネルギー充電して今日も元気に歩くぞ!

オリンピック彫刻美術館 (http://www.seattleartmuseum.org/visit/osp/) までは歩いて20分ほど。途中寄り道しながら朝の光をたっぷり浴びました。


このホテル、昔は部屋から釣り糸を垂らして釣りができたそうで、
ビートルズのあるアルバムにはその写真が載っているとか。

オリンピック彫刻美術館


シューベルトソナタ(だそうです。何番?)

お目めの後ろ側はベンチになっています。

シアトル雲と題されたこの作品、今日は色づいてきれい。

Richard Serraの作品、”覚醒”。ビルバオのグッケンハイム美術館にも彼の大きな展示があります。屋外の作品は室内のものと比べて、見る角度や距離、光の具合や空の色などで質感やフォルムが変わって興味深い。




月曜日なので建物は閉まっていました。階段やテラスではお弁当を食べている人たちが。こんなところでランチできるとはうらやましい。

海沿いを走るバスにのって、International Districtへ。中華街と日本食品や雑貨を扱う大きなマーケット、Uwajimaya (http://www.uwajimaya.com/) があります。日本食品も何でもそろうシアトル。冬の天候はさておき住む機会があれば楽しく暮らせそうな街だとつくづく思いました。

おなかが空いてきた私たち。数日前から麺類が食べたくなっていた私は、J-Sushi (http://www.yelp.com/biz/j-sushi-seattle) というお店のメニューにうどんをみつけて大喜び。椎茸のだしがきいたうどんはとても美味しく、てんぷらもさっくり揚がっていてました。

ダニーのカレーうどんも大成功。食べ終わったところにタイミングよく、留学時代の友人でシアトルに引っ越したAileenから電話がありました。彼女とはシアトル出発直前に連絡が取れ、都合が合えばぜひ会いましょうと話していて、偶然にも同じ地域にいることがわかり、20年ぶりに再会できたのでした。


スタバでお茶とおしゃべり

Aileenと別れて、Underground Tour (http://www.yelp.com/biz/j-sushi-seattle) に参加するためにパイオニア広場へ。これは今は地下に潜ってしまったシアトル発祥の名残を巡る一風変わったツアーです。海抜の低いシアトルの街は水害や下水問題に悩まされていて、1898年の大火災の後、焼けたエリアは石やレンガを使って、高さも変えて再建築されました。以前使われていた建物は一部が地下に潜りそのままになっていたのを、地元の歴史家が発見して保護したのがこのツアーの始まりだそうです。

パイオニアスクエアのおまわりさん。

スミスタワー(三角屋根)と左下は”沈んだ船”と呼ばれている駐車場。
昔はこの場所に有名なホテルがあったそうです。


何の変哲もないガラスが埋め込まれた歩道のようですが。。。


地下部分には明かりとりの窓。マンガンが変色して紫色がきれい。


銀行の金庫跡


昔の下水道。海抜の低い街ではしばしば逆流がおこったとか。

ツアーが終わってSmith Tower (http://www.smithtower.com/) の展望台へ。高さ160m、37階、1914年に百万ドルの費用をかけて建設されたタワーは、高層ビルの先駆けでした。上からの眺めはすばらしく、36階と37階はペントハウスアパートで地元のカップルが住んでいるそうです。


手前がフットボール場のQuest Field、向こうがマリナーズの本拠地のSafeco Field。


帰り道、友人からすすめられたワインバーへ立ち寄りました。

ワシントン州とニュージーランドのソーヴィニョンブランの飲み比べを。ワシントン州コロンビアバレーのEfeste "Feral" 08はソーヴィニョンブランの典型的な草っぽい香りが強いワインです。すっきりした香りの割に口に含むと甘みが広がり、後味も濃いめに残りました。反対にニュージーランドワイラウバレーのGoldwater 08は強いパッションフルーツ、グレープフルーツ、メロンの香りがするものの、口に含むと水のように透明になる。どちらも夏の午後にはいい感じの一杯でした。


シアトルには特徴のある建築物がたくさんあります。これは図書館。建築に興味のあるダニーはスミスタワーの上の本屋で建築ガイド本を購入。

このビルは一見バランスが悪そうですが、重い支柱がしっかり土台を支えているのだとか。

通称 ダースベイダービル



夕食は車で15分の日本レストラン、Nishino (http://www.nishinorestaurant.com/) へ。

おまかせコースを予約しておきました。お酒とワインのペアリングは特にやっていないとのことでしたが、おすすめを一緒に出してもらうことに。モダンアートがかかるレストランはどちらかというと洋の雰囲気。アラカルトでお寿司を楽しむグループが多かったように思います。事前に苦手な食材を伝えておいたのですが、フォアグラが出たりカキが苦手と伝えるのを忘れたりと私にはあまり印象が残らないディナーとなってしまいました。


前菜盛り合わせ


甘エビのセヴィーチェ。かりかり頭の天ぷらつき。
(生の魚貝類を柑橘系絞り汁とスパイス、ハーブ、野菜飲などと和えたもの)


フォアグラ ロゼとのペアリングが良かったとはダニー談


ハマチの刺身、アルグラサラダ添え


カキフライ。カキが苦手な私はパス。


鮭のパンコグリル。タルタルソースっぽい洋風ソースがパンコと合っていたけど
ちょっと普通。


お寿司はどれも新鮮!

最後の火曜日。午後7時50分のフライトまで、まだまだ時間があります。タクシーでアジア美術館へ。公園の中にあり平日でひっそりとした雰囲気。



彫刻から望むスペースニードル


公園内には温室があって、シダ類、肉食植物、サボテンなどたくさんの珍しい植物がいました。


外では色とりどりのダリアが満開

バスでダウンタウンに戻って、空港へ向かう前にFlying Fish (http://flyingfishrestaurant.com/)のハッピーアワーをチェック。ここは事前に行きたい場所としてチェックしておいたのですが、昼の営業を一時中断しているので行く機会を逸していました。

毎日4時から6時まではグラスビールが$3、小皿料理が$6!ロブスターサラダとタイ風クラブケーキが美味しかったです。

隣は初日の夜にお寿司を食べたウミサケハウス。ソックアイサーモンをもう一度食べたい!とハッピーアワーのはしごをしました。板さんが私たちを覚えていて、今日も鯵ありますよと声をかけてくれて、鯵タタキをリピートオーダー。この時間は生ビールが$3.5、巻寿司が$4からととってもお得!4時開店の前に並ぶ人たちがいるほど地元でも人気です。


泊まったPan Pacific Hotel
 周辺にはレストランや自然食品マーケットもあって便利でした

5泊6日、フルに食べて歩いて楽しんだ旅行を終えてタクシーで空港へ。心配した渋滞も空港の混雑もなく、無事に家に戻りました。

4 件のコメント:

  1. こんにちは!ちかちゃんのブログからきました。シアトルの旅の様子がとっても楽しそうにそしておいしいそうにつづってあって、私も行きたくなりました。素敵な写真満載ですね!これからもお邪魔します!

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  2. 明子さん、こんにちは!長々しいエントリを読んでくださり、またコメントをありがとうございます。明子さんのブログも拝見しました。これからも食べ物好き・料理好き仲間としてよろしくお願いします!

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  3. 素晴らしいアイデア、ありがとう...

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  4. 匿名さん、お役に立って嬉しいです!

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