2011年2月16日水曜日

食の無駄をなくそう

日本のラジオニュースで食糧価格が高騰していると聞きました。自給率が低く輸入に頼る日本では、国外の天災、最近ではシドニー郊外の洪水などがすぐに市場価格に影響をもたらします。

日本で使われる農産物は国内、国外からの輸入を含め年間9100百万トン。その約一割にあたる900万トンがゴミとなっているそうです。原因は食べ残しや作り過ぎ。米国では当たり前のドギーバッグ(御持ち帰り)も湿度の高い日本では奨励されていませんでした。しかし、外食産業では食べ残しを減らそうと工夫が始められたそうです。千葉県では食べきりエコスタイルという試みを推奨しています。登録したお寿司屋さんでは、料理がテーブルに残っている場合、コース料理の最後に出るお寿司を事前に持ち帰りにするか聞いたり、会計時にも残った料理を持ち帰るよう勧めているそうです。生ものは一度テーブルに出ると持ち帰り出来ないので、先に聞くという工夫で食べ残しを減らすことができます。持ち帰りの品は日時シールを貼ってくれるそうです。この試みを始めてからゴミの量が2/3に減り、処理費用も月3万円削減できたとか。

番組内のインタビューでは、消費者が「品数や量が少ないとさみしい。でもたくさん出たからすべていただかなくてはとは特に思わない」「グループで食事をすると遠慮もあるので残り物が出るのでは」と話していました。後者のコメントはわからなくもありませんが、前者の食べられなくてもたくさんあると嬉しいというのはいかがなものか。

驚いたのは年間に出る食のゴミの45%にあたる400万トンは家庭から出ているそうです。一番の原因は、野菜の皮をむきすぎるなどの過剰除去。ここに意識を向けようと千葉県では野菜を丸ごとつかう料理教室を行ったそうです。じゃがいも、にんじん、キャベツなど普段皮をむいたり外側の皮を捨てたりするのが常識になっている野菜をつかって、皮ごとつかったり、切り方を変えて柔らかく調理するレシピを紹介したそうです。4品つくって最も多かった人でも5gしかゴミが出なかったそうです!これはびっくり。一度意識すれば、一年後に同じ物を作ったとしても出すゴミを6割減らすことができたという調査結果も出ているとか。確かに意識する、しないで多くのことは変わります。

うちも昨年から食べ物の無駄をなくす努力をしてきました。結果は良好です。しかしコンポストビンを始めてからは、食べられる部分がみみずの食事になったこともあるかもしれません。

米国ではドギーバッグが普及しています。でも持ち帰りには容器が必要だし、結局食べることなく捨てられれば無駄サイクルが増えるだけ。たくさんの量=サービスととらえた時代をそろそろ終わりにすれば、国民病の肥満改善にもなりそう。でも習慣を変えるのが難しいのはよくわかります。まずは自分ができる範囲で!と決意を新たにしました。

3 件のコメント:

  1. このコメント欄だけでは言い尽くせないほど今日のテーマにはとても興味があります。家庭内では自分次第で食事の準備から献立、ごみコントロールなど工夫も出来るけれど、友達や仕事関係で外食する場合は少し難しいですよね。

    日本でも少しずつ外食産業の世界が変わってきているようでうれしい限りです。「もったいない」意識が浸透している日本ではこのトレンドは受け入れやすいと思います。そう信じたい!

    ここアメリカではとりあえずドギーバッグで持ち帰るけどプラスチックの容器に入った残り物が冷蔵庫長期保存されそのあと食べずにゴミ箱行き。かえってごみを増やしてしまうこともアメリカ家庭内ではあるようです。食べ物に対する考え方が変われば、ごみ問題、健康、肥満などの問題解決の鍵になると思います。

    Imakokoさんが言っているように自分ができることから、ですね!

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  2. ケヴィンも私も物を大切にする家庭で育った方だと思うので、2人の価値観が一致していていいのですが、友人達と一緒にコンドミニアムに滞在したりキャンプに行ったりすると、意外に人が容易く食べ残しを捨てたりするのに驚くことがあります。

    あとディナーに招待した友人が、一旦自分のお皿に取り分けておいた物を残すという行為を見ると、「この人は親に『残さずに食べなさい』と言われて育たなかったのかなあ」と思います。

    野菜の皮をむきすぎてゴミを出す、という点にはなるほどと思いました。意識次第でずいぶんと変わるものですね。

    最近ボールダーで、持ち帰りの容器に50cを加算する小さなレストランがあります。プラスティックバッグもそうですが、そういう店が増えれば自分のバッグや容器を持参する人が増えるのでは?それで食べ残しを捨てられたら意味がないですが、たかが50cでももったいないと思うその心理をゴミを減らす方向に向けられるといいですね。

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  3. 食べ物に限らず価値観とは育ってきた環境に左右される、とお二人のコメントを読んでつくづく思い、共感できて嬉しいです。私たちは今は米国で生活しているけれど、日々の挨拶の大切さとか、お米粒を残したらお百姓さんに申し訳ないとか、給食のおばさんに感謝するとか、教えてもらったことが生きていますよね。そういう環境で育ててくれた親に感謝したいです。

    私もマイハシを持ち歩くまでにはいたっていませんが、外食時にもう一品頼んで残ったら持ち帰ろう、と思った時は次回のお楽しみ!と考えるようにしました。持ち帰ってもきちんと食べるけれど、容器がもったいない。かといってあらかじめ持参する=お持ち帰りありと脳に指令を与えているようだし。

    ボールダーは常に先を行っていますね。何事も気づきが大切。有料容器でますます意識改革がすすみますように。

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