1月30日は母の90回目の誕生日でした。2年前は二人揃ってフルコースの人間ドックに入り優秀な結果をおさめ、2年に一度の恒例行事にしようと決めました。99歳の世界一周クルーズ旅行を楽しみにお互いがんばろう!誓いを新たにしたあの晴れの日。あれから2年。本人が一番驚いたことでしょう。
帰国一週間前、片付けも終わっていないのに人と会う約束が目白押しで嬉しい悲鳴。当初30日に予定していた検診が早まったので、その後は何も予定を入れず静かに過ごそうと思っていました。
都内でも積雪が心配されるほど朝からしんしんと雪が降っていました。ニュースは交通機関の乱れを報じていたけれど、帰国前に観たかった映画が何本か有り、その一つを観に行く事にしました。
「かみさまとのやくそく」は2013年公開の日本映画。胎内記憶がある子供たち、その親、医療や教育現場でそれらの親子に触れた専門家の話をまとめたドキュメンタリーです。胎内記憶として子供たちが語るストーリーには多くの共通項があります。一つは自分が母親を選んで産まれてきたこと。大きなスクリーンに映し出された顔を見て自分で選んで滑り台にのってお腹に入ったと話していました。お腹の中から見た景色、聞いた両親の会話を覚えている子たちも沢山いるといいます。前世の記憶を話す子供たちやインナーチャイルドの癒しを必要とする大人たちも登場します。あらすじを書くのは控えますが、観る人に寄って様々な思いや気づきをもたらしてくれる映画です。
この世に生を受ける神秘。生物学上のしくみだけでも驚きに満ちたことです。現世での課題を自分で決めて家族を選んで産まれさせてもらう。この考え方は私にとって自然に受け入れられます。昔はそんなこと考えもしなかったけれど、いつのまにか誕生日は産まれてきたことを両親と先祖に感謝する日と思うようになりました。
外に出れば雪は雨に変っていて。こころが満たされたら次はお腹ですよね(笑)。相変わらず何が食べたいという強い希望がないのですが、たまたま知った精進料理カフェを思い出して行ってみました。そこは「ああ、こういうの作ってたな」という懐かしいお惣菜オンパレードで、自分の原点のひとつである体にやさしい食べものへの愛おしさと感謝もよみがえりました。しばらく忘れていた場所へ帰って来たというか。
のんびりした一日、というにはシンプルすぎる。脳が刺激されて気づきを得たというのとも違う。朝の雪、音楽のないドキュメンタリー映画、素材を活かした食事。オリジナルの自分色を構成する原色を含んだできごとがバランスよく交わった一日とでもいうか。選択をした自分と受け入れてくれた母と全てに感謝です。
0 件のコメント:
コメントを投稿