San Francisco City Collegeの一階にあるレストランは、その名も「教養ある味覚」。毎週木曜日は、料理/ケータリング/レストラン経営を学ぶ生徒たちが一般客に向けて店開きする日です。ここで学んだHさんは酒テイスティングルームの元同僚。彼女から話を聞いて以来、ぜひ行ってみたいと思っていました。彼女もホスト側として参加したことがある試みです。グループに分かれて、キッチンスタッフはもちろん、サーバー、ホステス、全てが生徒。学校側から渡された予算内で仕入れをし、店内の装飾品も調達します。
週変わりメニュー、今回のテーマはインド。Hさんはデザートの選択が通常3つあるのにメニューには一つしかなかいのでちょっと腰が引け気味。その一つとはライスプディングでした。私にもライスプディングとはちょっと微妙なデザート。甘いご飯。。。おはぎもあまり得意でないので、特に楽しみなデザートとは言いがたい。メニューの他のアイテムには興味あります。疲れがたまっていたので迷っていたのですが、ひょんな事から別の知り合いにぜひ一緒にと誘われ、結局木曜日に行ってきました。
みんなの一生懸命さが伝わって来る空間でした。老若男女、人種も様々な生徒さんたち。メニューを落としちゃったり、緊張してワインの発音を間違えたり。私も経験あるので「がんばれ〜!」と心の中で応援します。
レンティルフリットは程よくスパイスが効いていて、シラントロの鮮烈なチャツネとよくあいました。前菜は友人はほうれん草のサラダ、温タマリンドドレッシング、私はレンティルスープ。温かいドレッシングとあったので興味津々でしたが味は普通のビネグレット。柑橘系の味が強くてタマリンドの甘みがあまり感じられませんでした。
レンティルスープは舌触りは濃厚でも味付けがうすい。。。そしてこんもりとシラントロ(コリアンダー)リーフが盛りつけてあり、舌触りがもそもそというか葉っぱを食べている感も。既にシラントロはチャツネとして十分味わっているので、続けてこのボリュームはどうかと思いました。彩りに載せるなら細かくカットした方がボリュームあるスープによく混ざったでしょう。
ワインはGrenacheの白を初めて飲みました。かなりドライでしたが好きな味。二杯目はGewurztraminer.これはちょっと甘過ぎました。グラスワイン二杯頼んで利益創出に貢献!
メインは二人とも鱈のカレー。カレーと聞いてふんだんなソースを期待していたのですが、出て来たのは鱈のカレーソテーといった料理でソースは最低限。
メニューにはローストベジタブルズと複数形になっていたけれど、実際はさやいんげん(ちょっと筋あり、よく言えばクランチー)のみ。それに白いご飯が添えてあります。盛りつけが白い丸皿だったので、残念ながら生彩が欠けると言わざるを得ません。ご飯をピラフにしたり、カレーリーフなどを混ぜて炊いたり工夫できれば違ったでしょう。右下の空間もちょっと気になる?
魚はよく焼けていて美味しかったです。欲をいえばもう少しパンチが欲しいというか。。。私は基本的に薄味好みですが、何となくもの足りない気がしました。
そして他のメインディッシュ(ラムシャンクとタンドーリチキン)がサーブされているのをみたのですが、それらと比べて魚料理のボリュームはかなり少ない。魚は材料としてコスト高なので頭が痛かったと思いますが、同じ金額でサーヴするコースメニューでは、見た目で「少なさ」を目立たないようにする工夫も必要です。大きめのお皿に空間を考えて盛りつけるとか、他のコストパフォーマンスが高い野菜も副菜につけるなど。
デザートはライスプディングの他に、チョコレート風味の粉菓子のようなものが追加されていました。ライスプディングはフレーバーは悪くありませんが、やはり白いさらに白い米で何となく生彩を欠いています。
もう一品は名前もわかりづらく、食べてみても味があまりしない。。。友人は周りのチョコレートソースを皿からこそげとっていました。デザートは甘いものを欲する人の欲求を満たせなければデザートと呼べません。その意味で残念な一品でした。
限られた予算内でのやりくりでいろいろあったでしょうが、以上が正直な感想です。
食をビジネスとして成功させる大変さはよくわかります。スケールは全く違いますが、弁当作りでメニューを考えても、後もう一つ、これがあれば!と続けてしまう自分。楽しい=趣味ならよくても、ビジネスなら続きません。潔い決断と数字を冷静に見ること。この二つが難しい。やってみて初めてわかった事です。きっと生徒さんたちもいろいろ学んでいる際中でしょう。食をビジネスとして成り立たせること。もちろん情熱は必要ですが、それ以上の多くのスキルも大切なんだと考えた夜でした。
来週のテーマはパリ。これからたまに立ち寄ってみようと思っています。
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