10本の足の指たち。あなたたちがなければ、私はこの大地を踏みしめることができない。
足首、膝、股関節、その間の数々の骨と、無数の筋がつながっていなければ、私は跪くこともできない。
肉付きに要と書く、体の中心である腰。腰が曲がって伸びてねじれて、下半身と上半身をつないでくれなければ、私は私を呼ぶ声に振り向くこともできないだろう。
上半身が産まれてこのかた、それぞれの役割を果たしてくれている臓器を守ってくれなければ、血は廻らないし、食べたものの消化吸収もできない。
細い首が頭蓋骨とその中身を支えてくれなければ、考えることも感じることも無理だ。
生まれつき目が見えて、音が聞こえて、ことばをしゃべることができるって、なんて素晴らしいことなんだろう。おかげで花に触れて美しいと思い、香りを愛で、集まるミツバチの羽音を聴くことができる。
太陽をにあたれば日焼けをし、寒ければ鳥肌になる。数々の切り傷も擦り傷もいつの間にか癒えている。
異物が入れば、体は鼻水をだし、熱を出し、とにかく回復の一路を目指す。
なんてよくできた構造なんだろう。
呼吸がつづくかぎり、この肉体という贈り物を大切にしていきたいと思う。
腎臓はどんな機械よりフィルター機能として優れていると人工透析をしていた父が言っていました。心臓だって大切に使えば100年も使えるし。人口に作られたポンプがそんなに長持ちするなんて聞いたことがありません。体ってすばらしい。本当に感謝です。
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