2013年5月5日日曜日

アートフルな土曜日

ゴールデンゲート公園内にあるデヤング美術館に行ってきました。目的はマウリッツハウス美術館展。
フェルメールの真珠の耳飾りの少女をはじめとしたオランダ黄金時代の秀作が目白押しでした。マウリッツハウス自体が改築工事中で、サンフランシスコを皮切りにアメリカ各地で展覧会が開かれます。このフェルメールの傑作に触れるのはダニーは初めて、私はマウリッツハウス、東京に次いで三度目です。時間指定の前売り券を買い、混雑もなくゆっくりと観賞できました。名前も知られていないモデルの少女は、3世紀以上後にも、自分の微笑みが世界中の人々に愛でられるとは思いもしなかったでしょうね。

静物画の緻密さに息をのみ、風俗画のところどころに隠れるユーモアに笑い、帆船が行き交う港に、その上に広がる淡いブルーの空に揺れる雲に風を感じ、しばしタイムスリップ。レンブラントの活躍した一世紀のセクションでは、エッチングやエングレーヴィングの恐ろしく細かい線の世界には感服。
300年以上前の絵画に触れることができる驚きと喜びをかみしめました。
その頃のオランダは本当に豊かだったんですね。この晩餐画のごちそうといったら!そしてよく見ると、磨かれた銀器には作者がイーゼルの前に立っているところまで描かれています。画上のレモンは、こんな風に皮がむいてあるものが殆どでした。
ヴァニタスとは朽ちていく花や本、昆虫や頭蓋骨、懐中時計などのエレメントで諸行無常を表現した静物画の総称。昔から’はかなさ’は古今東西、芸術の題材。頭蓋骨という肉体の死を象徴する題材をどーんと使う迫力は西洋的だなと感じます。
中庭で立ち飲みするおばさんや煙草を吸うおじさん、ワインをつがれて気持ちよく笑い音楽を奏でる人々が今にも動き出しそう。

常設展ではこんな静物画にも出会いました。リアルに波の音まで聞こえてきそうなアメリカン風景。同じ背景で他の題材も描いているDavid Ligare。色彩はもちろん光と影のバランスが素晴らしい他の作品にも触れてみたいです。
デヤング美術館の9階にある展望エリアからは360℃の眺めが楽しめます。
左中程、屋根に丘があるのはアカデミーオブサイエンス
ミュージアムショップでこんな本を見かけました。ほしい!
往復に電車、地下鉄、バス、路面電車と公共交通機関を駆使しました。環境にはいいけれど、かかる時間は車の2倍以上。二人分の交通費は駐車料金とガソリン代を入れてもほぼ同じ。このギャップをなんとか埋めない限り、公共交通機関の発展は難しい。このエリアは人々の考え方は先進的なので、インフラとマネジメントの改善を期待します。

2 件のコメント:

  1. いいね♪こういう土曜日。

    写真を見ていて、ロンドンに住んでいる頃は、ちょっと空いた時間も無駄にせず、ふら〜っとナショナルギャラリーに行って、数々の有名な絵に気軽に触れていたことを思い出しました。本当に幸運な経験でした。

    次回はデヤング美術館にちゃんと入りたいです。またお付き合いしてね。

    返信削除
    返信
    1. もちろん一緒に行きましょうね!前回の学びで前売り券を買ったのですがとても空いてました。あれは最終週末だったから運が悪かったんだね。

      そうそう、アートの観点からはロンドンは素晴らしい街です。あれだけの作品にいつでも会いにいけたものね。テートも懐かしいなあ。

      削除