2011年3月13日日曜日

太平洋のこちら側から

地震のニュースは生中継で見ている。三日目を迎え、津波に遭われて助かった方々の声や映像が流れている。目の前を流されて行く人を助けられなかった人たち。2階にいて波に飲み込まれた男性は廃材と共に流されながら、家族の顔を思い浮かべてなんとか水面を目指したそうだ。つないでいた手が離れた娘さんがまだ見つかっていないお母さん。いたたまれない。個人が撮った映像でも自然の驚異を思い知らされる。

前例のない原発事故や計画停電。津波の可能性を残して、救出活動も思うように進んでいない。太平洋の向こうにいても落ち着けないのに、現地の人たちのストレスを思うと言葉がない。

それでも朝は来て、夜になり、日曜朝は一時間飛んで夏時間のはじまり。生活は続く。
土曜日は6人のディナーだった。友人が姪の大学卒業祝いにディナーのギフト券を買ってくれた。彼らはベジタリアンなので、だしは昆布と椎茸、切り干し大根を使った。個人的には茶碗蒸しは鰹だしが美味しいと思うけれど、どれも喜んで食べてくれた。特におからと大根ステーキが大好評だった。みな料理にも興味があるので質問もたくさん。しっかりおいしいお酒も持って来て私にもすすめてくれた。一緒に食べましょうとも言ってくれたけれど、わが家のキッチンは6人が定員上限。カップル三組で男の子たちは全員スケートボードがプロ級。実は友人のチャリティオークションで新品のスケボーとレッスンを競り落とした私。締め切りはないけどそろそろレッスンは?と言われてしまった。地震のニュースを聞いてから、実は料理をするのは気乗りがしなかった。指に怪我をしていたということもあったけれど、落ち着かない気持ちが料理に移らないか心配もあった。でも予定は予定。気持ちを切り替えて集中してよかった。料理は心を落ち着けてくれる。
今日はMomokoさんが写真と食べ物が大好きな友人を連れてランチにやって来た。二人は何でも食べられるので料理の幅も広がる。今日は料理が主役。食べる前に何枚もレンズを変えて、光の向きを考えて撮影してくれた。写真は後で貰ってウェブサイトに使わせてもらう予定。
これだけ長いこと写真を撮ってもらえて、料理も嬉しかったことだと思う。いつもは直ぐ消えちゃう。これはこれで喜ばしいことだけれど。
原発の行方や余震のニュースを気にしながらも、時は流れて行く。今も友人たちからメールやテキスト、Facebookで日本への祈りや励ましの言葉がたくさん寄せられている。地球規模の災害に世界の心が揺れている。人々がこの悲劇に及んでも礼儀正しく、落ち着いて協力していることに皆驚き感銘を受けてもいる。スーパーに物がなくて不安もあるらしいとメッセージを載せたら、暴動が起こらないといいねとメッセージが来た。米国でこのような災害が起こったら暴動になるから。でも日本ではそんなことにはならないと思う。そう思える祖国を誇りに思った。

原発周辺の避難範囲に閉じ込められている人もたくさんいると聞く。あちこちで孤立している人や停電で寒さと不安を耐えている人たちもいる。一刻も早く、一人でも多くの人が助けられますように。

2 件のコメント:

  1. 今朝目が覚めたとき地震は夢だったのだろうかと思えた。でもすぐに現実に戻され「起きなければよかったのに、、、」という思いが浮かぶ。でも起きてしまったのだから前に進むしかない。神戸が美しい街に戻ったようにかならず復興すると信じる。

    他の国との摩擦は多かれ少なかれあるがやはり外国からの助けがくるのをみると有難くおもえるし人間って捨てたもんじゃないと思える。東北震災者の落ち着いた対応を海外の方達が讃えている。中には給油を盗む人などいるようだが大半の日本人が混乱のなか助け合おうとしているのをみると日本人であることに心から誇りにおもう。日本がんばれ!

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  2. 本当に。日本がんばれ!

    ロシアも北方領土問題などの意見の差があれど、天然ガスの供給を増やす用意をしているし、余震のリスクがある中救助チームを送ってくれる国々。国連事務総長もお悔やみの言葉を日本語で述べ、今まで援助大国であった日本に国連をあげてサポートすると約束してくれている。心強いよね。

    日本の建築法がしっかりしているから、多くの建物が残って助かった人も多い。阪神淡路大震災の時も日本人のresilienceは世界中を驚かせた。今回もそうなる、きっとそうだと信じている。

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