2013年11月16日土曜日

世界の全ての朝に

Tous Les Matin Du Monde. フランス語で一期一会を表現するとこうなるのかな。世界の全ての朝は一度(だけ)訪れるということ。

このフレーズがタイトルになっている映画があります。ヴィオラ ダ ガンバに奏でられる美しい中世の旋律、恋、若さゆえの残酷な愚かさ、そして晩年に追いつく悔恨。空が濃い群青色だった冬日にロンドンの歴史あるシアターで観た作品。外の冷え込みとハッピーエンドとはほど遠いストーリー展開に反して、見終わったあとは、なぜか鋭いながらも明るい透明な光で心が満たされました。

早朝の青藍と深夜の鉄紺は紙一重。吉本ばななさんの「ムーンライトシャドウ」に書かれている"あの瞬間"みたいに、正反対だからこそつながっている世界は絶対あると思います。
"せつない"だけでは表現しきれないあの気持ちに久しぶりにつながる晩秋の夜更けです。

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