2015年3月31日火曜日

一人旅 January 2015 - Day 6

一週間のレイルパスで巡る旅も残すところ後二日。6日目は鳥羽10時発の電車で名古屋に行き、特急列車に乗り換えて高山へ向かいます。

前夜は温泉でたっぷりあたたまりゆっくり眠れました。保湿成分を含むパール粉末入りのお湯できらきら光るお風呂があり、そのお湯のなめらかさは最高でした。販売している入浴剤とは違う調合で、このお湯にはここに来ないと入れないとか。うまいマーケティング戦略!ローションやジェル系クリームも使い心地がよく、思わずクリーム買っちゃいました。一ヶ月だけの贅沢だったけど(笑)。
朝焼けが美しい海。潮騒の舞台にもなった神島が臨め、漁船が沖合から戻ってくるのも見えます。テラスからの潮風は思ったほど冷たくありませんでした。
楽しみにしていた朝食。レストランへは7時に一番乗りして、笑顔のスタッフと交わす挨拶が気持ちいい。
このホテルには、お世話になった故O氏の会社で働いていた時に、外国人グループを案内して泊まったことがあります。一ヶ月の日本視察は予算もふんだんにあり、企業訪問、セミナー、そして日本文化紹介の旅行と充実したプログラムを組むことができました。あの当時ならではのゆとりですね。あの頃は参道の歩き方や神社の参拝の仕方も知らなかった。何か聞かれる度に日米対訳の日本紹介本を調べながら答えていたっけ。O氏を偲びつつ、おいしくいただきました。
中でも絶品だったのは伊勢エビのビスク。ビスクは時に味噌の風味がこってりしすぎるのもあるけれど、これは旨みは深くとも苦手に感じる臭みが全くありませんでした。デミタスカップで大満足。
 

おにぎりステーションでは、鯵の一夜干しや岩のりといった地元の食材を具にしてシェフがその場で握ってくれます。洋風ごはんのあと〆に小さなおにぎりとわらび餅をいただきました。
赤福も見納めか。しかしこの銘菓の広告戦略はすごい!道路を走っても電柱という電柱に看板、そこここにサインを見かけました。

見慣れた二見浦のあたり 
乗り継ぎ時にお昼はきしめん!と思っていたけれど、まだお腹いっぱいで断念しました。
名古屋を出発した列車は席の向きとは反対方向に走り出しびっくり。これで2時間20分はキツいなあと思ってたら岐阜から向きを変えるんですね。日曜日とあって列車は満席。車内販売がない列車だったのでみなさん持ち込みのお弁当を広げて賑やかでした。

窓の外にはいつでもシャッターを押したくなる景観が流れています。 贅沢〜。秋の紅葉は息をのむ絶景でしょうね。
 だんだんと雪景色が現れ始め、下呂を越したら一段と深くなってきました。

3時過ぎに高山着。宿は駅から歩ける温泉付きのホテルです。荷物を引いて雪の報道を歩けるか心配だったけれど滑らず歩きやすかったです。
団体客のお陰で部屋がアップグレードされていてラッキー。窓からは北アルプスがきれいに見えました。一週間かけて縦走した穂高山脈、懐かしいなあ。槍ヶ岳の白いピークが青空に映えます。
高山は外国人観光客の誘致に力を入れていて、近年では最も訪れたい場所としてランキングされているそうです。確かに多言語での情報提供や町中で使えるフリーWifiなど旅行者に優しいサービスがあります。
関空を利用する人たちも足を伸ばしやすい、大阪や京都はすでに訪れている観光客が次に目を向けやすい場所というのもプラスです。暖かい国からの人たちには雪そのものが観光の目玉となり得ます。私も久しぶりの雪に気分が浮き立ちました。そして温泉。ホテルは屋上に天然温泉の露天風呂がありました。雪が降れば雪見風呂も楽しめる!部屋備え付けのガイドブックでご飯どころをチェック。まずは軽くラーメンでも食べようかな。
いくつか目星を付けてフロントでおすすめと場所を確認して出かけました。気温はかなり低かったはずなのに、歩き出すと体はすぐにあたたまりました。
橋を渡って古い町並みへ。5時近くなると陽も落ちて空気は研ぎすまされていきます。

高山は三度目。前回は8年ほど前にダニーと一泊二日のバス旅行という珍道中でした。下呂温泉に一泊し、高山での自由時間には朝市の見学もそこそこに日本酒を試飲し、白川郷の散策も楽しみました。季節は4月中旬で源平梅が満開、桜も6分咲きといういい季節でした。分刻みで大忙しのスケジュールがきちっと流れるバスツアーにダニーも私も驚きっぱなしでした。いい思い出です。

その時に立ち寄った造り酒屋さん。当時はカウンターだけだったのが、今は立派なスペースでゆっくり試飲できます。杉玉も青々しく、しぼり立ての新酒をいただきました。背中はしゅんしゅん音を立てるストーブで、お腹はゆっくり味わう冷酒でゆるゆると温まっていきます。最高〜。
 おかめさんとひょっとこさんの間にはお酒の神様、松尾大社のお札が奉られていました。
併設されたショップもかわいい雑貨や美味しそうなものがたくさん!スペースさえあればお味噌やお酒、朝市でお漬け物を買いたかった。
 

他にも風情ある佇まいのお店が軒を並べ、歩いているだけで楽しいです。
 6時を過ぎると人通りも途絶えて静けさが増します。
古い町並み以外の場所でもいい感じのお店がたくさんあり、コンビニも景観にとけ込むよう配慮されていました。この交番のきり絵(?)もかわいい。
ホテルの人に聞いたおすすめのラーメン屋さんは、こんな昭和のかほり高き路地にありました。日曜なので早く閉まる前に急いで出かけました。
 
高山ラーメンはちぢれ麺とあっさり醤油味の優しく懐かしい味です。チャーシュー抜きを頼んだらネギを多めに入れてくれました。
純米吟醸のあとのラーメン、おいしかった〜 
さて、夕食は朴葉味噌!と決めていました。ホテル近くの歴史ある料理屋さんは早めだったので貸し切り状態です。野菜の朴葉味噌焼きと地酒山車(さんしゃ)のぬる燗をオーダーしました。注文を取りにきてくれた若旦那さんはアメリカ留学経験者で、渡米当初のびっくり話やおもしろ話を話してくれて、多くの話題に花が咲きました。
そのうちに店主であるお母さまが戻ってきて、米系航空会社の機内誌に掲載されたお店の記事を見せてくれました。もうすぐ創業半世紀だそうです。
気温は益々下がっているれど、深まる夜に古風な伝統の灯りがほっこりします。雪国の玄関先。明日は雪の予報です。
まだ8時前なのにし〜ん。日曜の夜だしね。 雪がさらっさらで結晶が光って見えます。
最上階の婦人風呂は暗証番号でドアを開ける仕組みになっています。このような配慮も安全を疑ってかかるのがあたりまえ(苦笑)な外国人観光客には喜ばれるのかもしれません。露天風呂は小さいけれど見上げれば満天の星空。年配の女性数人が寛いでいて、どちらから?と訪ねたらドイツよ、ミュンヘンの近くとのこと。京都、大阪をまわって明日は白川郷に行くのがとても楽しみなのと充実した旅を満喫している様子でした。
湯上がりは畳の休憩スペースで読書しながら、こんな懐かしい飲み物に手が出ました。明日は高山に来たメインイベントが待っていて、心躍ります。マラソン更新、後一日、おつきあい下さい。

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