2014年8月4日月曜日

母と行きたかった場所①

母の父は東京市の職員でした。昭和初期には三河島汚水処分場で働いていたので、家族で敷地内の官舎に住み、母は地元の荒川学校にも数年通っていたそうです。母はその懐かしい辺りをいつか散策したいと話していました。書類の山を整理していたら施設見学案内が載った区報がとってありました。三河島汚水処分場の施設の一部は、その歴史的価値から7年前に国の重要文化財に指定されていて、昨年から予約制で見学ができるようになったようです。
近いうち行こうと母のメモを切り取ってノートに貼り付けておきました。思い立って先週見学予約を入れました。
今朝の天気予報は34℃。でも四十九日前の方が母も近くから見られるかなと思ったので決行!残りの日も差して変わらずだし。
町屋駅下車。都電荒川二丁目駅がすぐらしいのですが、歩いても10分弱というので徒歩にて向かいました。おもちゃみたいな都電がかわいい。そして駅の周りはバラが沢山!ちょっと家の庭が懐かしくなりました。
程なく公園入り口へ到着。
歩道の上を行けば、見晴らしがいい。この暑さなのに気になる匂いはありません。すごい技術かも。かんなの赤がまぶしい。
しかし暑い。そして眼下に広がるセンターの事務所にはどうやって行き着くのか?
公園をぐるぐる回ってやっと公園事務所を見つけ、水再生センターにたどり着いたのは予約時間ジャストでした。現在は三河島水再生センターと名前は変わりましたが、現役の施設として稼働しつつ文化財の保護と公開も行っています。
見学者は私一人。東京都下水道サービス社のスタッフ二人の方が丁寧にアテンドしてくださり、一人じゃもったいなかったくらいです。10分ほどの施設概要ビデオを見て、その後構内を見学しました。



 
大正3年工事開始。その際には建設敷地の外に3mの堀をぐるりと掘って、雨により工事が妨害されないようにしたそうです。確かに水処理上は高台にはつくれませんよね。大正11年から平成11年まで77年間動き続けた処理場は、水害から疫病から住民をずっと守ってきたんですね。昔は文字通り汚水を処理して捨てる機能がメインだったのが、現在は処理した後の水は工業用水やトイレを流す水など再利用されるか、滅菌後隅田川にも放出されています。
 
処理能力は一日70万トンあるそうですが、技術の発達により節水機能も高まり、実質処理量は一日約40万トンとのこと。昔の一人あたりの水消費量は200リットル、現在は約120リットルだそうです。120でもびっくりしますが、これは工業用水その他の消費量も加味された数字だとのこと。水にいかにお世話になっていることか。 
外に出て、東京駅と同じ品川白煉瓦株式会社の煉瓦の建物の各部分を見学しました。地下に降りて、実際使われていた水路も見ることができます。東西の水路からがぶつかる圧力が強い部分には贅沢にも御影石が使われていました。
迫力ある阻水扉室の扉
当時の水路、パイプ、阻水扉室など現役で勤めていた祖父は絶対見ることがなかった場所です。そこを時を超えて母の遺志で導かれたことは嬉しく不思議でした。
 


外は蝉の鳴き声のシャワー。枝々には蝉の抜け殻が無数に。怖いんだけどついつい見ちゃう
岩倉使節団がロンドンパリに下水道を見学に行って、イギリスから輸入した流量計も活躍したにせよ、日本人が発明したパイプも活躍した史跡。多くの人の労働力で支えられて77年も動いてきたのか。月並みですがすごいことですね。そして今もメトロポリス東京の水を処理するだけでなくリサイクルもしている。スプリンクラーで撒かれていた水はもちろん再生水でした。ここはお庭がきれいなことでも有名で、桜、ツツジ、花見月など沢山の人がお花見にも訪れるそうです。
帰り際、ふと「巣鴨に近いよね?」と思い立ち、アテンドしてくれた方に聞いてみたら都電一本で行けるとのこと。都電も乗ってみたかったし、駅はセンターを出てすぐだし。10時前でも焼け付いていた日差しはお昼近くに益々輝きを増していたのでこれはラッキー。

おまけに今日は4日。四のつく日は縁日でより賑わうそうです。これはもう母が「一緒に行こう」と言ってくれてる!ほぼ毎月お友達と出かけていた母に、いつか私も連れて行ってと頼んでいたのですから。
庚申塚までのんびり30分。途中、車と同じレベルを曲がりながら坂を上ったり、小さいボディーでなかなかのパフォーマンス。利用客も多くてびっくりしました。荒川遊園地なる場所があることも初めて知った。全くと言っていいほど知らない地域だったので発見の連続でした。
程なく商店街にはいり、お店をのぞけばおもしろいとこばかり。100円ショップでもこの線香&ろうそくの豊富な品揃えを見て下さい!ここの百円ショップでレトロな箒を二本購入。その後も普段使いの木のお椀を。
 そしてなんとこのショップ、洋服の百均!
ダニーのアロハシャツ500円を除き全品100円、ダニーに3枚、私に3枚買っても千円ぽっきり、内税。ありえない〜
湯葉定食、たこやき、手打ちうどん。さてお昼はどうしようと思っていたら行列のある食堂発見。お魚メインのこのお店で食べるため34℃の中並んだ、そしてその決断は間違っていなかった。
カウンター席にて鯖塩定食にアジフライ一尾追加、大満足!
アジフライのソースに少しお酢をつけて食べるのがすすめられていて小皿を頼んで試してみたら美味しかった。これいいです。
ごまを煎るいい匂い。ごま専門店の乳製品フリーの豆乳ごまジェラートは、黒ごまのコクに炒りたての白すりごまが香ばしさをプラス。リッチでも乳脂肪がないのですっきりした後味。お値段は380円也とコストパフォーマンスでは負け組でしたけど。メモリ不足か取れていたはずのジェラートの写真がなぜか消えていた。。。
 ちゃんとお参りもしましたよ

この大迫力のお店、写真だけ撮って中には入らなかったのですが、夕方整骨院で先生に巣鴨言ったと話したら「赤いパンツ買った?」と。第一チャクラの色だから赤パンツは絶対一枚は持つべき!自分のはもうへろへろになっちゃったと美人先生が言うのに笑いを抑えきれませんでした。まだまだ気になるお店も沢山あるので、又行って先生ご夫妻に赤パンをプレゼントしよう。もちろん我が家にも一枚ずつ買おう(?)と心に誓ったのでした。

お土産には母の大好きな塩大福を。
に均分のイギリスパンは小振りながらなんと160円、ちょっと甘くてふわふわで美味しかった。朝まで待てずに食後に食べました。もちろん大福の後でです。

お母さん、今日は楽しかったよ。ありがとう。

2 件のコメント:

  1. すごい!下水処理の技術は、私の義兄の会社が携わっていて、ここの話は何度もきいたことがある。国の重要文化財になったんだね。巣鴨は学生時代の庭!赤パンツは今でもちゃんと3枚は保持してます!ぜったいに買って!元気が沸くんだよ。
    By Andy 女

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    1. 初めてのエリアだったけれど、盛りだくさんで楽しめました。施設見学おすすめです。あーちゃんも勉強になるんじゃないかな。あの当時の技術から又どんどん進歩しているのだろうけれど、水の大切さ(怖さ)は今も昔も同じだよね。
      赤パン三枚保持とはさすが!若さと元気の秘密はそれだったのね?よし、新たに出直します。

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