2009年10月28日水曜日

秋の食卓

このところ風が強い日が続いています。銀杏が毎日歩道で踏まれているかと思うといたたまれず,毎日朝6時起きで、夜空のオリオン座を見上げながら、拾い通っています。

先日は袋を一つしか持っていかなかったら重みで手提げが切れて立ち往生。いったん歩道に袋をおいて車を取りに帰りました。お友達に分けて喜んでもらっているので、一人で拾いにいくのもコワくない!庭があれば地中深くに埋めて使う分だけ取り出すという手もあるらしいけれど、庭なし我が家はひたすらベランダで解体作業にいそしみます。

定番のお惣菜にぎんなん料理を加えてお友達を招きました。



はじめに 玄米粥

炒りぎんなん
きんぴらごぼう
ひじき
おから
山芋納豆昆布
セロリの粒マスタード和え
手綱こんにゃく
きり干し大根ときり昆布の和え物
茶碗蒸し

天ぷら盛り合わせ 
四色かき揚げ(ぎんなん、赤&緑パプリカ、さつまいも)
かぼちゃ
いんげん
海老

ぎんなんとほたての炊き込みご飯
クレソン入り具沢山みそ汁

黒ごまのシフォンケーキ
おからクッキー 



玄米粥は皆に大好評です。到着したてに胃にやさしくあたたかいものでくつろいでもらいます。玄米は一日つけておいたものを6時間ほど水切りしてお鍋でいって、味付けは梅干しと昆布のみ。気長にことこと30-40分炊いている間に懐かしく香ばしいにおいがお香のように広がります。梅干しは丸ごと炊いて、盛りつける直前に実を細かくします。





ぎんなんは炒りたてをモロッコの岩塩と一緒に。


やっぱりぎんなんはこれが一番美味しいと思います。


セロリのマスタード和えは、さっと下ゆでしたセロリを、エクストラバージンオリーブオイル、粒マスタード、醤油でさっぱりとつけます。


きんぴらごぼうは今日はささがきでふわりと仕上げました。ごぼうと人参の10%くらいの砂糖を目安で加え水分がなくなるまでよく炒めます。お菓子にも使えそうなつやつやの甘いごぼうに、砂糖と同じ分量の醤油を加えてさらに炒め、仕上げにごま油をかけて出来上がり。



おからはこんにゃく、にんじん、ごぼう、椎茸を戻し汁たっぷりで炊いて、仕上げにねぎを入れました。ダニーいわく、おからにはネギの風味は強すぎるとのこと。


こんにゃくは手綱型に切り、下茹でしてからたっぷりのごま油と唐辛子で軽く焦げ目がつくまでしっかり炒めてから醤油とからめます。砂糖はいれません。マクロビオティックの本で見たレシピです。



山芋は拍子木にきって、納豆昆布をのせて三杯酢でさっぱりと。箸休めとしていい一品。


茶碗蒸しはほっとできる味に仕上がりました。作ってみると簡単なのに、なんとなく準備が面倒に思えてなかなか作りませんが,これからは定番としたいところ。かまぼこ、ぎんなん、海老、しいたけに三つ葉をのせます。



数日前のブログにのせたレモンキューカンバーを切って水につけた「キュウリ水」は和食のお供として優れもの!少しずついろいろな味が楽しめるのが和食の良いところですが、ともすると味が口の中で混ざりがち。そこでキュウリ水をとると、さっと味覚芽がリフレッシュされます。何を食べてもさらりと後味がきえてさっぱり。そして次の味が新鮮に楽しめます。普通のキュウリでもぜひお試しあれ。



友達は仕事で大きなイベントを終えたばかり、私の誕生日ももうすぐということで、シャンペンを持ってきてくれました。二人で乾杯!昼間のバブリーもいいものだ〜。


こちらで主流の粉が中力粉なので、天ぷらの衣はちょっとフリッターぽくなってしまうのが悩みですが、海老もぷりぷりに揚がりました。かき揚げも色鮮やか。ただ、ぎんなんは素揚げのほうが味がわかるかもしれません。
ご飯は日本から持ってきたホタテ貝柱の水煮缶を汁ごといれて、お酒、醤油,塩少々を加えて炊き、銀杏は後からのせると色がきれい。紅葉おろしはテラスでとれた唐辛子を大根にさして作りました。お汁はたっぷりの野菜を椎茸の戻し汁でゆでて3種類の味噌を合わせて。仕上げにクレソンを使いました。

黒ごまペーストたっぷりのシフォンケーキとおからのクッキーはほうじ茶と。うっかりして、おからを炒らずにクッキーを作ったらちょっと形は崩れましたが、柔らかしっとりの仕上がりになりました。

しめのお茶は先月日本でいただいた
「秋旬新茶」。新芽を収穫する1週間前から茶畑に覆いをして火の光を当てずにうまみを高めた覆下栽培茶の一番茶だそうです。確かにうまみあり、そして一煎めはいい具合の渋みも味わえました。



体にいい材料を心を込めておいしく。品数の多さに食べてにきてくれる友人やダニーはみんな驚いて労をねぎらってくれますが、メニューを考えたり材料を選んだり料理したりするのは私の至福の時間。いや、至福というより瞑想に近いかな。うきうきしながらも、心が落ち着き満たされる経験なのです。至福の時間は、この大好きなことを通してみんなの笑顔に触れるとき。

「よくぞ日本人に生まれけり〜」という献立をつくり、シェアする喜びを満喫できた秋の午後でした。

8 件のコメント:

  1. 本当に、ひとつひとつきちんと作られて、この品数の多さには感心します。素材の味が引き立つお料理でおいしそう!すれから、お茶器のデザインが直線と曲線、立体感がユニークでいて使いやすそうでいいな、と思いました。

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  2. 呼ばれてこんなお食事が出て来たら、それは驚くことでしょう。お皿も素敵。芸術です。それでふとAkikoちゃんと一緒に行ったハッピーアワーのひどさをまた思い出してしまった。。。

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  3. Akikoさん、Cさん、コメントありがとう。
    お二人がご近所さんならいつでもwelcomeです!
    茶器は日本のホテルで出会って取り寄せてもらったNikkoの白磁器です。

    しかしお二人のハッピーアワーは災難でしたね。でも言うことはきちんと伝えて、セカンドチャンスを揚げるという懐の深さ。最近そういうことには気が短かい(老化現象?)自分は見習いたいです。

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  4. 苦労した甲斐があり、立派な立派な銀杏ですね・・・見ているだけでお腹がグーグー。
    私もご近所であれば、どんなにか御呼ばれしたいです。いえ、御代を払ってでも!
    毎日料理をするものの、“おもてなし”“心を込める”“食べる人の笑顔” など忘れがちで、反省します。

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  5. 追伸: 茶碗蒸しの器、うちにもありますヨ!
       うちでは専ら 蕎麦猪口ですが。

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  6. Imarさん、茶碗蒸しにつかった器はTopsのプリンの入れ物でした。昔(20年以上前!)はこれに入って売られていました。うちでも普段はそば猪口として活躍しています。

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  7. ごちそうさまでした! やはり最後に、御代は?と聞いてしまいそうになるくらいの、おもてなし、その心に感動です。 至福というより瞑想に近い、という所で納得。 今も頂いたものが私の体に染み渡ってます。 腕だけでなくてそんなお料理ができるようになりたい!と心から思いました。 素敵な素敵な午後をありがとう。 Andy (女)

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  8. Andyさん、密会と勘違いされないよう(笑)性別を明らかにしてのコメント、お気遣いありがとう。いつでも充電しにきてください。日本楽しんできてください。

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