2011年8月20日土曜日

生麩作り

あのふわもっちりした歯ごたえ。ほのかな青のりの風味。粟入りのぷちぷちした歯触り。私にとって生麩とは、もっぱらお蕎麦屋さんや懐石料理の一品として、ちょくちょくではないにせよ楽しんでいた食材です。田楽味噌をのせてちょっとお味噌が焦げてたりすると最高!

植物からタンパク質を取り出して食べるという先人の知恵。粉からグルテンを取り出すところから始めるのだから重労働だったと想像します。精進料理やマクロバイオティックの食材としても重要な地位を占めているし、揚げたり炒めたりしていろいろ使える生麩。作ってみたい食材の一つでした。

作り方はいろいろあります。強力粉を練って水で洗って取り出したグルテンにもち粉、米粉、白玉粉などを混ぜる方法が一般的でしょうか。水洗いで落ちた澱粉を乾燥させたものは和菓子作りや蒸し点心の皮などに使われるうき粉になります。

今回は偶然出会ったvital wheat gluten flourを使ってみました。
これグルテンがもう粉になったものらしく水洗い行程が省略できそう。パッケージにはBasic Seitanの作り方がのっています。Seitanとはよくベジタリアン料理本で見かけますが食べたことなし。グルテンで作ったプロテイン食材で肉の代用品として味付けされて売られています。レシピもオニオンパウダーやガーリンクパウダーやハーブ類を入れて甘辛いスープで煮るというものです。75−80%がプロテインということですから生麩もできるず。いざ挑戦!

  • Vital wheat gluten 1/2 cup (225ml)
  • もち粉 大さじ2
  • ぬるま湯 大さじ4
  • 青のり、ターメリック 各小さじ1/2
  • 白ごま、黒ごま

グルテンともち粉をボウルに入れて混ぜ、二つに分ける。
それぞれに青のりとターメリックをいれて混ぜる。
ぬるま湯大さじ2をすこしずつボウルに入れて混ぜてよくこねる。
室温に2時間以上寝かせて成形する。

湯気の上がった蒸し器で20分蒸す。
火からおろしそのまま冷ます。

田楽味噌を塗ってオーブンの上火で味噌に焦げ目がつくまで焼いて串に刺す。
こねるのにはかなり力がいります。7分くらいこねたでしょうか。指先をがんがん生地に練り混ませねばならない感じ。この時点でおそらくもう少し水を入れてもよかったか。
蒸す時に巻きすを使わなかったので仕上がりは楕円形。

肝心の味。フレーバーはよし。でも堅っ!歯ごたえあり過ぎ。私が目指していたもっちり、むにゅ〜という歯触りとはほど遠いものでした。出掛けていたDannyが帰って来たのでひとくち食べました。彼も蕎麦屋で生麩田楽を食べ慣れています。味は気に入ったみたいですが、今の彼にこの歯ごたえはちょっと無理。もう少し経てばアゴのリハビリにいいかもねと笑いました。

小麦粉は奥が深い穀物。水分、混ぜ方、寝かせる温度や時間で小麦粉に含まれるタンパク質が絡み合う。小麦粉中のタンパク質の85%はグリアジンとグルテニンでそれが絡み合ってグルテンができる。グルテニンは伸びにくい性質のタンパク質で、グリアジンは伸びやすい性質を持っている。小麦について詳しくはこちら。今回使ったvital wheat glutenはきっとグルニン豊富な粉なので他の粉類の分量を増やすべきなのでしょう。

理想の歯ごたえの生麩を求めて道は続きます。

2 件のコメント:

  1. Chaco2011年8月21日 17:18

    生麩まで作ってみたの?凄い!!
    私は生麩が大好きです。田楽味噌なんて最高、次回はもっちりできるといいですね。

    返信削除
  2. 生麩美味しいよね!これから実験を重ねて美味しく出来たらまた報告しますね。粟麩も作ってみたいな。

    返信削除