2012年2月18日土曜日

2012年始旅行記 - 東京 Day 9 芸術と食三昧

もうすぐ終わり、でももうちょっと続く年始旅行記。今週末は仕事がないので一挙掲載を目指します!一ヶ月以上前の事ですが、よかったらおつき合いくださいませ。

1/7(土)もとってもよい天気でした。Palo Altoのでご近所さんだったTさんは今はパリ暮らし。お正月に彼女も帰国していたので、彼女の出身地千葉県市川市まで遊びに行きました。
総武線からの景色
市川は日本画の大家、東山魁夷氏が暮らした街。すてきな記念館があると聞いていて、いつか行ってみたいと思っていました。

駅で待ち合わせてお昼。日本は何を食べても美味しいよね〜と言いながら、三人で手打ちうどんを味わいました。


  
東山魁夷記念館へは総武線下総中山駅を下りてしばらく歩きます。

法華経寺という大きなお寺への参道は、有機野菜を売るお店や素朴なカフェがあっていい雰囲気でした。住宅街を通る上り坂を抜けると、ドイツ風の洋館がありそれが記念館です。

一階は氏の軌跡を辿る年表、思い出の品々、岩絵の具が展示されていたり、ところどころでビデオインタビューが再生されたりして、氏の人柄も伝わってきます。
こじんまりした記念館なので展示作品は厳選されています。季節ごとの特別展、冬の今は白の世界が印象的でした。山に落ちる陽を描いた作品、白と青のコントラストが美しい作品などなど。

戦後から逝去するまでの50年余りを画伯が過ごした市川。そこにある記念館を訪れることができて嬉しいです。Dannyも画伯の作品には長野の美術館で触れて親しんでいたので喜んでいました。

お皿やカップにも作品がやさしい色合いを添えていました。
記念館の中で三人でゆったりとお茶をして、土曜日の午後を楽しみました。
一旦家に戻り、夜は麻布でグルメ友人Yさんとディナー。お店は4年前に訪れて感動したレストラン、La Bombanceです。いつも新年はスタッフを気遣ってゆっくりお休みされるので、機会を逃し続けていた私たち。やっとまた行くことができました。ここの料理長のO
氏は雰囲気がまるでお坊さん。慈しんで食材を選び、メニューを厳選して料理をして、すべてにおもてなしの心が溢れているのを感じます。
一月のメニューは華々しい雰囲気に満ちあふれていました。当然お酒ペアリングもお願いしました。
はじめはYさんとの再会と新年を祝ってスパークリングから。
最初の一品は紅白胡麻豆腐 海老雲丹和え
写真ではよくわかりませんが、薄紅とやさしい白のなめらかなごま豆腐と雲丹の塩気がぷっくり炊けた黒豆の味とうまく調和していました。金粉もお正月ならでは。
かわいいお椀の中身は。。。
旬の鰤の粕汁。体がどんどんあったまってきます。
岐阜の三輪酒造の吟醸酒、道山 吟雪花、辰年ラベル。残念ながら今となっては詳しい印象が薄れているのですが、美味しかったことは確か!生産量がかなり少ない貴重なお酒らしいです。
鯛握り 数の子はさみ すだち塩
こちらも紅白目にもうれしく、めでたいお寿司。すだち塩ですっきりいただきました。私の中で鯛は白身ぎりぎり。普通の人が喜ぶくらい脂がのっていると苦手なのですが、これは私にはちょうどいい感じにいただきました。
鰤握り まゆ玉イベリコスモークチーズ 牛ロース焼きおにぎり 公魚 バジルタルタル
公魚のフライはさっくり熱々でタルタルソースも程よい酸味。鰤は脂がのっているのに超新鮮なのでしょう、私の苦手な動物性っぽい固い味はしませんでした。肉が苦手な私の焼きおにぎりは雲丹のせでした。実は雲丹も苦手なんです。。。でもここでいただく雲丹は大丈夫。いくらが好きで雲丹がだめってどういうこと?と聞かれますが自分でもわからん。紅白のまゆ玉はチーズとイベリコハムの代わりにはピーナツが入っていました。
お酒は東洋美人純米吟醸大辛口。
江戸切り子グラスのある角度からはウサギが元気に跳ねているのが見えました。 
フォワグラソテー フカヒレ トリュフ 茶碗蒸しは豪華食材てんこ盛り。私のはフォラグらの代わりにホタテのグリル。火の通し方が絶妙でもうたまらん!
茶碗蒸しは具材や出汁の変化でいろいろ楽しめる素晴らしい料理だとあらためて実感。
伊勢海老の蕪ら蒸し。かぶの優しい甘さと丁寧に細切りされた野菜たちと甘い身のぷりぷり伊勢海老。ひとくちってところが憎いんだなあ。。。
醸し人九平次は愛知の地酒。4年前にここで出合って以来ファンです。。SFで行われたSAKE Expoにも出展していました。
かぶの優しい甘さと丁寧に細切りされた野菜たちと甘い身のぷりぷり伊勢海老。ひとくちってところが憎いんだなあ。。。
純米吟醸の伯楽星。おりがらみといってうすい感じのにごりざけ。上品なフルーティーさ(だったような気がする。。。)が美味しかったです。

焼き物は牛フィレ炭火焼 筍山椒焼 伏見青唐
大根の梅大葉サンドの下に隠れるお肉に注目。YさんとDは無言で味わっていました。
筍にうなり、さわやかな青唐を楽しみ、ビーツのローストは大地の甘さ。肉がだめな私には鱈の西京焼です!ああ、口福。
お酒はどっしり純米、石川県を代表する名酒菊姫。
存在感ある焼き物と会わせてもひけをとらない飲みごたえあるお酒でした。まあ正直、この辺にくれば、ペアリングの繊細な部分はさておき、ただひたすら「おいしいね〜」の連発と笑顔の炸裂です。
そして鍋はあんこう鍋。肝は苦手なので抜いていただきました。皮もこりこりとしていて、手鞠麩は美しく、お腹がまたまた温まっていきます。
お酒は八海山 越後で候 青ラベル。冬限定の絞りたて原酒、旬の楽しみです。
次は旬野菜。え、今ごろ野菜?と思いましたが、その美味しさに脱帽。とくにトマトがなぜこんなにおいしい?旬ではありませんがハウスで丁寧に育てられたものなのでしょう。
この盛り合わせだけでもメインディッシュの価値があります。
あいにく名前は忘れてしまったのですが、菜っ葉類の味の濃さと独特の風味がすばらしかった。確か一つは京野菜だったと思います。
根菜の煮たのも大地の旨みが優しく詰まっていました。
長野の御湖鶴。こちらも好きなお酒。
お酒はペアリングというより、前のお酒が残っていても新しいグラスで注いでくれるので、いろいろな組み合わせで楽しみました。最初シャンペンを頼んだので厳密に言えば、最初から一つ一つずれていたと言えなくもないかも。。でも素晴らしいサービスですから、その辺りを見越してあうお酒を選んでくれていると実感しました。
さて、〆は中華粥。かに 黒こしょう 帆立貝柱あん。
出汁がきいた上品なおかゆが、お酒とこれほどあうとは!両方ともお米だから当たり前かもしれないけれど、おいしかったなあ。
山形の純米大吟醸、十四代の本生。
Yさんはもうだめ。。。野菜の頃からかなり苦しそう。おかゆもひとくちでギブアップ。しかし我ら二人は問題なくいただきました。

「別腹」という言葉を頭でも体でも理解しているD。デザートいきましたとも!1月のデザートセットは白いコーヒー&黒ごまシャーベットとあまおう大福。大福だけ3つお願いして、後はシェアしました。
この白いコーヒーはなんと説明してよいのか。コーヒー風味がリッチなのに見かけはブラマンジェのような優しい白。飲むというより食べる感じ。お腹いっぱいのYさんも超お気に入りでした。
黒ごまシャーベットもほろほろした口溶けのやさしい甘さです。
そして瑞々しい超大粒のあまおうを羽二重餅級のやわらかさのおもちで包んだ大福。かぶりつけばジューシーな甘さが口一杯に広がりました。Yさんはお持ち帰り。。。
そしてデザート酒は、その名の通りこ〜いヨーグルト酒。飲むヨーグルトの酒版。Dはちょっと苦手のようでした。

楽しい会話と心のこもった料理とサービス。身も心も満たされた夜でした。
お鏡餅もとっても立派でした。
いつも帰りは全てのお客さんをお見送りされるご主人。一期一会の書が全てを物語っています。実はこの書を見ていたDは、あまおう大福が出て来たとき、イチゴイチエだねえ、これも!とかなり粋なジョークを発しました。Yさんと私が受けたのでご主人にも日本語で説明しようとした所、なかなか通じない用でちょっとがっかりしていた彼。大丈夫、気持ちは通じてるよ。
Yさん、来てくれてありがとう!そしてたくさんのお土産もありがとう!
大満足のお腹を抱え、三人で若干の上り坂に感謝しながら六本木駅へ歩きました。

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