2011年6月8日水曜日

Molasses入り甘酒

モラスとは砂糖精製行程でできる糖蜜です。白砂糖がほぼ炭水化物であるのに対して、糖蜜には糖分に加えマグネシウム、カルシウム、鉄分などのミネラルが含まれています。
瓶詰めで売っていて、よく言えばビターなうま味、嫌いな人にはアクの強い雑味ともとれますが、ベイクドビーンズやジンジャーブレッド、クッキーなどに使われることが多いようです。
どろりとした液体そのままの味は焦げた黒蜜。黒砂糖が切れたのでモラスを甘酒に入れてみました。
質の良い黒砂糖入りの甘酒には負けますが、白砂糖よりはミネラル豊富。二日分の甘酒(酒かす100gを400mlの水で溶いたもの)に大さじ1のモラセスを加えました。大さじ1でカリウムは730mg (一日の摂取カロリーを2000calとした場合、2割が摂れる計算)あります。
現在の主要生産国はインド、ブラジル、台湾、タイ、フィリピン、米国ですが、昔は西インド諸島が主な生産国でした。1733年、英国は自国の植民地以外の西インド諸島との取引を禁止する関税を導入、反発から独立運動の火種となった国もあったとか。そして1919年にはマサチューセッツ州ボストンでGreat Molasses Floodと呼ばれる悲劇が起こりました。200万トンのモラスが入った貯蔵タンクが壊れ、道路を時速30マイル (56キロメートル)、高さ9メートルの津波となって流出。この事故で21人が亡くなり、多くの建物が被害にあったそうです。その後ヘルスフードブームにのって順調に消費を伸ばしています。モラスについてより詳しくはこちら
白米、白砂糖、精白小麦粉。同じ穀類や食べ物でも白い方が高級とされてきた時代が長く続きました。しかし精製で失われる栄養価や加工プロセスで消費されるエネルギー、物によっては精製に薬品が使われることも忘れずにいたいものです。

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