2010年1月20日水曜日

NYC Day 2





昼すぎにグッゲンハイム美術館へ。地下鉄をセントラルパークの西側で降り公園を横切って向かいました。
気温は薄日が射し6℃ありましたが朝晩の冷え込みで貯水池には薄氷が張っていました。氷に写るアッパーウエストサイドの高級アパートビルは絵になります。
がんの群れやその他の水鳥を観察する人、ジョギングする人、犬の散歩をする人など平日でも多くの人を見かけました。
カンディンスキーの展示をやっていると聞き出向いたのですが、残念ながら水曜日で終わっていて撤収作業中だったので、予定を変更して1ブロック南のNeue Galleryへ。http://www.neuegalerie.org/
ここは20世紀初期のオーストリア/ドイツのコレクションを展示するギャラリーで、Klimt, Klee, Sheilaなどの絵画やBauhaus派の家具などが公開されていました。個人の邸宅を改造したスペースはこじんまりと落ち着いた雰囲気で、作品数は少ないものゆったりと観賞することができます。
一階と地下には19世紀のウィーンのコーヒーハウスを再現したカフェレストランがあります。 http://www.neuegalerie.org/cafes 以前はレセプションルームとして使われていたのでしょうか。木のパネルが張られた壁には大きな鏡があり、調度品も歴史を感じさせる物ばかり。時には新人アーティストによる音楽会も開かれるそうです。
ダニーはチーズをのせた焼きパスタ、私はワイルドマッシュルーム、グリンピース、コーンのスパッツ、タラゴンソースを。スパッツとはパスタとニョッキ(ニョッキもパスタの一部かもしれませんが)の中間のような歯ごたえの短いパスタ。タラゴン風味がやさしくほっとする味でした。ダニーはエメンタールチーズをのせて焼いたハム入りのパスタ。これもやわらかい塩味で上品な仕上がりでした。
ワインはオーストリアのSchloss Gobelsburg 2008. Gruiner Veltlinerというぶどうから作られた白はすっきりした飲み口で両方の料理に合いました。そろそろと忍び寄る睡魔をエスプレッソで振り払いギャラリーへ。
ギャラリー創設者の一人で蒐集家のSerge Sabarskyは裕福な家庭に生まれながら父親の死後18歳で家族を支えるためにキャバレーのセットデザインやピエロなどのいろいろな仕事に就きました。第二次大戦前にウィーンからNYへ亡命、その後ギャラリーを開きウィーンやドイツのアーティストの作品を扱います。展示品には誰が観てもクリムトとわかる作品から、これがクリムト?という意外な風景画などがありました。イゴン シーレの作品もスケッチを含み多数あり、シーレが28歳で亡くなったことを考えるとそのコレクションはかなりのものです。シーレがドナウ川沿いの街を描いた作品の前で、非常に強い既視感を感じました。どうしてこんなに懐かしく感じられるのか?しばらく考えて、この風景は昔訪れたザンクトギルゲンという小さな街に非常に似ていると気づきました。そこは確かモーツアルトのお母さんが生まれたはずの小さな街。街の名前を思い出したとたんに、青みがかった鉛色の空、湿った家々の漆喰の壁、石畳を歩いた感触まで一気によみがえってきたからフシギです。ほかにはLyonel Feningerのペンとインクでパリを描いた作品群が印象に残りました。
帰りはメトロポリタン美術館、各国の大使館や建築スタイルの異なる高級アパートビルを見上げながら5番街を南下しました。夕暮れの日差しは柔らかくどこまでも歩いていけそうな感じ。
夕刻はPと劇場近くのレストランで軽食をとってアトランティックシアターへ。http://www.atlantictheater.org/
教会を改造して作られたシアターは200人も入れば一杯になる二人芝居にはちょうどいいサイズでしょうか。劇作家のDavid Mammetが立ち上げた劇場で付属劇団もあります。Woody Allenの作品も数多く上演されています。
舞台セット
"Ages of the Moon”の作家Sam Shepardは女優Jessica Langの長年のパートナーでもあります。ストーリーは二人の友人が久々に再会し、そこでかわされる会話で二人の過去と現在が明らかになっていくという、ある意味ではどこにでもありそうなお話。それだけに俳優の演技力が注目されます。ドタバタけんかシーンがあったりちょっとしたセットの仕掛けに驚かされたりはしますが、モラルやオチが含まれている訳でもなく、見終わったあとにそうだったのか!という発見もなかったので今ひとつでした。上演後に俳優二人と話ができたのはよい思い出です。前日の疲れがあったものの、シアターのあとは一杯飲みたい気分。ホテルのバーでワインを飲みながらそれぞれの感想を語り合いました。ホテルの真ん前にはストレッチイエローキャブが停まっていました。到着NY二日目でもう何を見ても驚かなくなりました。
つづく

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