2011年4月29日金曜日

放射線物質を見る

放射線の科学的知識を学べるワークショップがあると聞きました。東京江東区にある日本科学未来館は震災で受けた被害で現在休館中ですが、放射線の科学知識が学べる出張講座を行っているそうです。

目に見えない、匂わない放射線。それを可視化するには、冷却したアルコール蒸気を透明なガラス容器に充満させて密封した霧箱という実験装置に放射線物質を入れます。使った物質はキャンプに使うランタンの芯。燃えやすくするために放射線物質のトリウムが微量使われているそうで、芯からは白い糸のようなものが盛んに飛び出している様子が見えたそうです。放射線は電気エネルギーを持つ粒なので、気体がアルコールで満たされている中に電気エネルギーを持つ刺激物が通るとことでアルコールが液体の用に移動し、電気の粒の移動が理解できるとのこと。

その他日常生活の放射線レベルを小型機械で測り、世界各地のレベルと比較して「わからないことへの不安」解消に役立つ内容のようでした。子供と集まった親たちも日常生活の放射線量の計算方法を知るなど発見があったようです。

未来間質問箱のページでは、一般の人たちから寄せられた質問への答えが寄せられていて、何気ない疑問がわかりやすく説明されています。

例えば放射線を表す単位のベクレル、グレイ、シーベルトについて。

ベクレル (Bq): 放射性物質が放射線を出す能力
グレイ (Gy): 放射線が1 kgの物質に与えるエネルギーの量
シーベルト (Sv): 放射線が人体に及ぼすダメージを表わす量
この関係を放射線物質を野球のピッチャーと見立てた説明はわかりやすかったです。

震災発生日に内閣官房参与に任命された東大教授が辞任しました。関連記事はこちら。場当たり的な政府の対応を批判し、小中学生の限界放射線量の基準を年間20ミリシーベルトとしたことにも異論を唱えています。ちなみに英語圏でもこの決定を見直すよう署名を呼びかけているサイトがあります。締め切りは明日30日。国外から賛同される方はご協力お願いします。

この基準に関しては専門家でも賛否両論あるようですが、自らの学者生命をかけて同意できないとする専門家の意見は貴重です。本件に関わらず、政府の意思決定プロセス開示を強く希望します。

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