2016年1月27日水曜日

日本 2015 初冬 - Day 14 富士宮-三島-東京

12/10(木)、旅最終日です。静岡に来たのは富士浅間大社にお参りするためです。母方の祖母は富士市出身で、実家の側にも浅間神社があります。香川県出身の祖父と居を構えた場所も氏神様の分詞が側にあった。これもご縁なのでしょう。

丁度前日、年に一度のすす払いがあったとニュースで知りました。より襟を正して参拝しなくちゃ。
夜が早めだったので食欲旺盛。朝はたいていモリモリ食べられるんですけどね。
静岡茶漬けは釜揚げシラスとわさび漬けをのせます。お茶どころなだけあって、当然お茶も香り高し。大満足の朝ご飯ごちそうさまでした。
外国人のお客さんにお茶漬けの作り方を聞かれて困っていたお姉さんに助け舟を出したら、そのお客さんが帰った後、わざわざ席までお礼を言いにきてくれました。

08:16発ワイドビューふじかわで富士宮までは40分。通勤ラッシュ圏にもどってきたな。
広重の版画を思わせる雄大な富士山を見ることができました!午後前には雲が出てくる予報なので感謝。このルートを毎朝運転できるって素敵ですね。
参拝の後は町をぶらぶらして、お昼は富士宮市役所に行く予定。食堂から富士山がきれいに見えるらしいのでとっても楽しみです。駅の案内所で地図をもらって近辺のおすすめを聞いたら、バスでも行ける場所に名勝「白糸の滝」と「音止の滝」が、また大社の側には雰囲気のいい造り酒屋さんがあるとのこと、参拝後のプラン決定!
浅間大社までは駅から歩いて10分弱。紀元前に遡る歴史を持つ大社がこの地に移ったのは803年、分詞は全国に1300を越えるそうです。
武士の崇敬も集めた大社では、毎年流鏑馬が奉納されます。この銅像を見ていたら、笑顔の素敵な小柄なおじいさんが教えてくれました。
どこからきたの?ここは初めて?と聞かれたので、今アメリカに住んでいて、今回は祖父母の故郷を巡り一人旅をしていること、好天下、氏神様の総本山に参拝できて嬉しいというとそのおじいちゃんがポケットから暖かい缶コーヒーを出してくれました。遠慮する私に「話しができて嬉しい、ありがとう」とこれまた素敵な笑顔で参道を歩いていかれました。ちょっと自分のおじいちゃんに似ている気もして。手のひらは缶コーヒーで心は笑顔であったまりました。
園内には桜の木が沢山ありました。春はさぞかしきれいでしょう。



水鳥たちがそろってお尻を上げるのが可愛らしくてしばらく見てました。水が澄んでいるので足の動きもよく見えます。
湧き水はとても美味しくて、毎日汲みにくるというご婦人は、この水と他の水ではお茶の味が全然違うと言っていました。

境内はどこも掃き清められていて清々しい空気に満たされていました。

一時間もするとかなり雲が高くなってきました。滝へのバスが出てしまったばかりだったので、造り酒屋さんに行ってみました。赴きあるお軒先の杉玉もまだ青々としています。
お店の奥のカウンターでいろいろ試飲させてもらいました。新酒は数日前に瓶詰めされたばかりとのこと。サーヴしてくれたお店の方もまだ飲んでいないとか。
高砂という名前だけでもおめでたいけれど、お正月らしいラベルも素敵ですね。
11時前でも、お店にはお正月のお酒を買いにくるお客さんで賑わい始めました。

あ〜、移動中でなかったら酒かすもほしい!
バス停がすぐ前だったので、ゆっくりお話を聞きながら、試飲を楽しませていただきました。珍しいところではヨーグルト酒なんかも。富士山の伏流水は超軟水で発酵力が弱く、技術的に酒造りが難しいそうです。技術と技法をいかしたお酒はどれもおいしく、ゆるゆると体を芯から温めてくれました。
バスにゆられて40分ほどで滝につきました。世界遺産富士山の四季を映すビデオなどを楽しめる展示エリアもあります。トイレもきれいで整備されていました。
写真では伝えられないのですが、音止の滝は大迫力の音量です。音止の名前の由来は、曽我兄弟が滝の側で討ち入りの相談をしていたところ、声が遮られてしまい「心無しの滝だなあ」とため息をつくと激しい音がぴたりと止み無事相談ができたとの伝説から。

階段をつたって降りると白糸の滝です。富士山の湧き水が高さ20m, 幅150mに渡って馬蹄形に広がる崖面から白糸の用に流れ落ちています。その姿、音の優美さにしばし時を忘れました。


 あいにく富士山は雲に隠されてしまいました。晴れていれば右の写真のように見えます。
それでも少し薄日が差すとこの鮮やかさを取り戻します。
水際までいくと、細かい飛沫が皮膚を潤してくれます。素晴らしく気持ちのよい場所でした。


 
 地元の人参芋の干したのが美味しそうだったのでおやつに購入。バスで駅まで引き返しました。水と音に癒された。
又少し雲が動きました。市役所は駅から歩いて15分ほど。お腹もすいてきた!
1時をまわった食堂は既に静か
また雲が厚く山頂を覆ってしまいました。それでもそこにある存在感は確かなものが有ります。

帰りは御殿場の富士山が見える温泉に入って小田原でご飯を食べて帰る予定でしたが、雲は厚くなるばかり。いいお湯はもう堪能したので予定を変更して、三島から新幹線で戻りました。
すると、なんと!家に着いたとたん雨が降り出したんです。傘は持って出たけれど荷物を持って降られなくて助かりました。

鉄道での移動距離は7日間で約2200kmでした。無事にてんこ盛りの予定をこなすことができたのも道中の好天も、母と祖父母のお陰と感じます。

瀬戸内海の穏やかな光、広い空、緑の稜線、青い海。時と技を経て受け継がれてきた自然美や芸術作品。思い切り伸ばした手足を癒してくれたあたたかいお湯。祖父母の故郷に行けたこと、氏神の総本山にお参りできたこと。どこをとってもいい思い出で満たされた一週間でした。

2015年3回目の一人旅珍道中記、これにて終了。乱文におつき合いくださりありがとうございました。

2 件のコメント:

  1. 自分のルーツをたどる旅は人生ですごく意味があると思います。でもやっぱりおねーちゃんすごいね~7日で2200kmって鉄人レベルです☆万歩計が壊れないか心配です。。でもそれだけいっぱい思い出が増えるし、知らないことも知ることが出来る、とても意味があるなぁ~と思います。

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  2. 2200kmって歩いた訳じゃないよ、”鉄道での”よ!それでもかなり動いた方でしょう。あと膝がすこし痛くなったのでしばらく大事を取っていました。旅はいい、すごくいい。日本の様な安全な国ならなおさら。これから外国人も益々日本を訪れると思います。

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