2010年3月22日月曜日

それぞれができること

No Impact Manを観ました。ブログリストにものせているNo Impact Manことコリン べヴァン氏は、一年間地球環境にマイナス影響を及ぼさずに暮らす実験をしました。奥さんと2歳の娘さんも一緒です。奥さんはコーヒー大好き、買い物大好き、リアリティTV番組大好き、料理はせず食事はテイクアウト。当然この実験に動揺を隠せません。

もともとコリンさんは歴史本の著者で、環境保護運動家ではありません。しかし地球温暖化のニュースに数多く触れた2007年、このまま環境を破壊しながら便利なモノやサービスを手に入れてもhappyではないことに気づきました。NYCという大都市に暮らしながら、地球に負荷をかけずに生活の質を維持/高めることができるのか?

それから一家は、今まで出していたゴミを入念に調べ、テイクアウトのプラスチック容器の山や紙おむつの山に愕然とし、環境を害する物質の入った『グリーン』掃除用品の数に驚き、包装されていない商品を買う難しさに気づきます。

映画では一年間できることから初めて段階を踏んでNo Impactを実践し、いろいろな気づきを得ていく一家の様子に学ぶことがたくさんありました。

彼らのステップを大きく分けて紹介するとこんな感じです。
1. ゴミを出さない。
ゴミがどうして出るかを分析して、消費そのものを減らすことに。新しいモノは買わない。プラスチックカップもテイクアウトも紙おむつもなし。森林伐採が地球温暖化に及ぼす影響をふまえ再生紙を利用したトイレットペーパーも使わない。食べ残しはミミズでコンポストに。
2. 化石燃料を使わない
森林伐採を抜いて温暖化の一番の原因である化石燃料を使わない。移動は徒歩、自転車、電車などを使う。飛行機には乗らない。エレベーター(彼らは9階にあるアパートの住人)も使わない。遠くから運ばれてくる食品を買わず、地元で穫れる旬の食材を、袋も包装もなしで青空市で買う。
3. 電気を消す
夏も冬もエアコンなし。プロジェクト実施後6ヶ月目に家のブローカーを完全に落とし、夜はロウソクを灯す。テレビもなし、洗濯もバスタブで足踏み洗濯。ナイジェリアで使われているポットインポット冷却システムを冷蔵庫のかわりに使用(あいにく失敗に終わり、隣人から氷を分けてもらってアイスボックスを使う)。途中からソーラーパネルレンタルの協力を経て、ブログ更新など必要な電力の供給を受ける。
4. Negative Impact + Positive Impact = No Net Impact
この公式から、完全にインパクトを減らせない分は植林や河川掃除などのチャリティに参加した。

などなど、都会暮らしになれた身にはかなり劇的な変化をたどっています。成功した試みも失敗した試みもありましたが、彼らの生活に世界中のメディアが注目し、ブログには賛否両論のコメントが押し寄せたそうです。いきなり時の人となったコリンさん一家の戸惑いも伝わってきました。

彼らが一年間のノーインパクト生活で得たもの。コリンさんはジムにも行かず体重が減り、奥さんの糖尿病の気配は消え、消えたこと、消費について徹底的に考え、モノを買うために働く時間を減らし家族との団らんにや友人と過ごす時間にあてたこと、昔コリンさんが過ごした祖父母との時間の流れを思い出し、便利=すべてではないことに気づいたことなどなど。同名の本も図書館で借りて読み始めました。他の文献からの引用も豊富でリファレンス本としても優れていて自分のコピーも欲しくなりました。消費減らし生活とは逆を行くようですが、慣れない道を進むのにメンターとして本を参考にできれば心強いので少し考えて決めたいと思います。

老師の『足るを知る者は富む』"The man who knows that enough is enough will always have enough"など、あらたに『温故知新』のきっかけをも与えてくれたNo Impact Manに心から感謝しています。

風邪でトイレットペーパー数ロールにお世話になった直後、反省材料には事欠きません。来週はノー インパクト プロジェクトに参加する予定です。

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